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パソコン通信が消える

三省堂国語辞典が8年ぶりに改訂されるという。

新しく加わる言葉と、削除される言葉と。
言葉は生きている。

削除されるリストの中に「パソコン通信」という言葉を見つけた。
時代が変わっていくんだなと感じる。

パソコン通信とは、まだインターネットが普及する前、電話回線を使ってピーヒョロロロロロ〜って繋がるSNSの走りのような…、と言えばいいのかな。
掲示板のような文字だけの世界。
デジカメで撮った写真を1枚表示しようとすると、1分以上かかっていた。
当時、メールする時はオフラインで書いて、送信する時に繋いでいたのですよ。

私が加入していたのは、中日新聞社が運営する「中日ネット」。
あぁ今、中日ネットと口にするだけで、懐かしさがこみあげてくる。
(どなたかやってた人はいませんか〜笑)

その中日ネットでは、音楽とか旅行とかグループがあり、テーマに沿った投稿をすると、読んだ人からレスが来る。
白と黒、文字だけの世界だ。

2ちゃんねるのようでもあるけれど、このnoteに近い空気があった気がする。
皆さん常識があり、少しハイソなところもあって、結構緊張したことを覚えている。

登録者は千人もいたかどうか。
日常的に活動しているのは、100人程度だった気がする。

年代も仕事も違う人たちとネットを通して語り合い、たまにオフ会も開かれた。
会ってみると少しオタクの雰囲気もありつつ、皆さん本当に良い人ばかりだった。
家にパソコンの設定に来てくれた人もいた。
何人かとは、今も年賀状の交流をしている。

若い人にしたら、どれも古い話かもしれない。
平成前半のころの話ですから。
でも、誰かと繋がる、思いを話す、そういう点では今と同じだと思う。

あの時のハンドルネームは今も生きている。
言葉はなくなっても、心の中では通信していたい。
久しぶりにメンバーに連絡してみたくなった。


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御手洗 育/暮らしのエッセイスト
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