【花嫁に懺悔】それはもらえない。
効率女、ぽちです。
前回書くと言った後悔の接客のお話です。
仕事に慣れて来て、余裕ぶっこいてた私が引き起こした接客です。
ダメ接客の代表例です。
その後の自分の在り方を変えた出来事です。
残業しないとダメなの?
残業ってお金が出ればやる価値あると思うんですけど、無給では働きたくないですよね。
サービス残業って最初は何も言わずに残って仕事頑張ってくれるっていう評価になりますが、すぐに当たり前になります。
結局、残業しないのが悪になります。
その時間までに終わらせられなかった自分が悪いのか、キャパを超えた仕事を託した側が悪いのか…これは転職先でのお話として取っておきます。
販売員の残業は9割が接客残業です。
何と言ってもお客様は神様ですから、閉店時間に来たお客様も接客します。
いつも通り丁寧に。
多分ほとんどの販売員は残業代出ません。
無給でお客様のために働きます。
出るなら販売員は薄給で悩みません。
だから残業したくなかったんです!!!!!!
閉店間際に来るお客様、大嫌いでした。
わざわざこの時間に来てまで買う物ですかね、インナーウエアって。といつも思っていました。
明日履くパンツないなら時間かけて選ばないでしょ。
今コンビニでも普通に売ってるのに。
嫌がらせじゃん。と思っていました。
閉店の音楽と共に退勤したかったです。切実に。
遅番の残り1時間半は1人の時間です。
お客様が来そうな雰囲気を察したら、ストックルームへ逃げ込んだりしてました。
販売員の風上にも置けないですね。笑
でも、そんなのどうでも良いです。
それより私は定時に帰りたい。笑
接客しないといけないの?
そんなある夜、現在時刻は19:00。
閉店時間は20:00のため、あと1時間で仕事終了です。
ブライダルインナーを見る1人のお客様がいらっしゃいました。
ブライダルインナーとは、結婚式の時のドレスの下に着るものです。
よりドレスを綺麗に見せるためには必須アイテムです。
女性にとっては何でも良いという代物ではないです。
しかしながら、このブライダルインナーは接客時間が長い商品です。
種類もたくさんあり、着るのもフックの数が多いので着用する本人がご自身で着る事は難しいです。
そして何より、人生で1番輝く舞台で着るものですから拘りを持って最も綺麗なシルエットを求めるのが女性です。
更には普通のインナーウエアよりも金額が高い。激選したい商品です。
大多数を占めるのが下見に来るお客様です。
今日は買わないけど、今着けてみたい。
直前までダイエットして痩せるけど、今着けてみたい。
後で同じ商品をネットで買うから、今着けてみたい。
買わないお客様 9割。買うお客様 1割。
種を蒔いても収穫出来ない確率がとても高い商品です。
閉店まで1時間あるから声は掛けました。
「ブライダルインナーお探しですか?」という定型文です。
お客様は試着がしてみたいとのこと。
はいはい。また試着だけですね。
タグを見て「ブライダルインナーって高いんですね。」との言葉が出てきたので、この人は買わないな。と私は即座に思いました。
お客様が試着したいとおっしゃっているので、フィッティングルームにご案内します。
金額を抑えられるようにセパレートタイプではない、1枚でウエストまでカバーするタイプをお勧めしました。
金額は半分くらいに抑えられるので。
合いそうな形で2タイプお持ちし、金額は2倍くらい違うものです。
どうせ買わないだろうなと思いながらも試着をお手伝いしました。
これでも仕事は本気でしていますから、忖度なしで金額が低い方がお客様の体に合っていたのでお勧めしました。
でもどうせ買わないんだよな〜。
試着室を出ると、お客様自身も私が勧めた商品の方が良いとのことでした。
この時時刻は20:15。
閉店時間を過ぎています。
「今日は手持ちが無いので、明日の朝来ます。」
はい、きたきた。そんな事だろうと思ったよ。
とりあえず商品番号とサイズを記入したカードをお渡ししてお見送りです。
明日来るって言って来ないお客様なんて星の数ほどいますからね。
そこは嘘つかずに検討しますで帰って欲しいです。笑
ここから閉店作業をして21:00頃退店です。
大嫌いなサービス残業をしました。
何でこんなに嫌いかって?
みんな帰っちゃってるから電気全部消えて怖いんだよ!!!!!!!!!
寂しいんだよ!!!!!!!!!!
本当に来たの?
翌日、私は早番です。
開店時間10:00。
通路でお客様をお迎えしていると、昨日のブライダルインナーのお客様が私の元へ歩いて来ました。
本当に来たのか?!
昨日試着したものを買いに来たと、朝一番でご来店してくださりました。
私は急いでお会計を済ませ、商品をお包みします。
ブライダルインナーの時に、私は小さなメモを入れるようにしていました。
「素敵な結婚式になりますように…」と一言添えて。
このお客様だから書いたわけではありません。
もちろん本当に来てくださったのは嬉しかったですが、いつも通りです。
お客様は昨日はありがとうございました。と言ってお帰りになられました。
朝15分くらいの話です。
受け取らないといけないの?
翌日、私は売り場の1番偉い人に呼び出されました。
出勤してすぐです。
学生時代から怒られ慣れている私は、またお説教か…と朝から勘弁してくれよと思っていました。
「昨日、お褒めの言葉を頂きましたよ。」
…何の??????
私じゃなくない?
特に何もしてないよ?
そうなんです。
一昨日試着して昨日購入したお客様からです。
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大変丁寧に接客して頂き、無事に商品が買えました。
素敵なメッセージも頂き、遅い時間にも関わらず親切に対応してくれて嬉しかったです。
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私はとても心苦しい気持ちになりました。
全然、丁寧じゃなかった。
全然、素敵な言葉じゃなかった。
とてもひどい対応をしてしまった。
もっと良い思い出を作れたはずなのに、それをお手伝い出来なかった。
心から祝福することが出来なかった。
言い出したらキリがありません。
でも喜んでくれてるから良いか!良かった〜!なんて全く思えなかったです。
今でも思えません。
百貨店からも自社からも表彰されることが決まりました。
こんな不本意な表彰は全然嬉しくありません。
受け取れないと思ったので、私は先輩に相談しました。
「ちゃんと受け取って、今後絶対しないように心掛けなさい。」
それが先輩からの回答です。
私の中では手抜きの接客でも、お客様が喜んでくれることがあるのは事実です。
百貨店でお買い物をしたことが無い人にとっては、販売員が付きっ切りで接客してくれるだけでも丁寧に感じたのかもしれない。
自分の中で満足のいく買い物が出来たからかもしれない。
私が本気で接客したらウザいと思って購入しなかったかもしれない。
そんな「かもしれない」はたくさんあります。
今回は奇跡的に上手くハマっただけです。
お客様を選ばないこと。
1人1人に誠実に対応すること。
これが先輩からの指導です。
全てのお客様の気持ちがわかることなんてありえません。
それは親・恋人・友達・同僚、誰にでも言えることです。
それぞれが異なる物差しの中で物事を判断しています。
それならどうするのが良いか。
わかるのは自分のことだけだから、自分の中での最善を尽くす。
ただそれだけです。
それで相手に嫌われたら、そりが合わないのだから仕方ないです。
お手上げです。
自分が別の物差しで測りなおすか、別の誰かに託すしかないです。
それが逃げてるというならば…逃げましょう。
自分が相手のことを思って最善を尽くしたのならば、それは全然悪いことなんかじゃないです。
この一件からは、お客様に真正面からぶつかっていく接客をする販売員になりました。
全然嚙み合わなかったお客様もたくさんいます。
その分、それまで以上に大切な顧客様が増えました。
私じゃなくても良い、私以外が良いお客様は、自分の物差しにバッチリ合う販売員と巡り会って楽しいお買い物をして欲しい。
私が良いと言ってくれたお客様には、猪突猛進接客を受け止めて頂きました。
あの日のお客様が、今も幸せでありますように。
つまりどういうこと?
自分の行動を後悔しないようにする
1人1人に誠実に対応する
自分の中での最善を尽くす
そりが合わないは仕方ないから託す
次回は私の個性豊かなお客様とのやり取りです。
私の顧客様って、基本的に純粋で優しい人が多かったです。
そんな中迫り来る、インナーウエア業界の恐怖をお伝えします!
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