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晴旅雨筆(エッセイ)

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これまでの人生で書き散らしてきたノートの切れ端をちぎれ絵のように張り付けたエッセイ。本を読み、山に登り、酒を呑み、街を歩く。
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#再勉

《洗脳》された? 知らず口ずさむ「ごめんね素直じゃなくて~♪♪」(エッセイ*再勉生活)

会社勤めをしていた30代後半の頃、オフィスから実験室への廊下を歩いていて、ふと気付き、愕然としたことがありました。 ごめんね 素直じゃなくて~♪♪ 夢の中なら 言える~♪♪ 思考回路は ショート寸前~♪♪ 今すぐ 会いたいよ~♪♪ なんと! 歩きながら、知らないうちにTVアニメ「美少女戦士セーラームーン」のテーマ「ムーンライト伝説」を口ずさんでいたのです! 「……おっとっと」 幸い辺りに怪しい人影はなく、私を追い落とそうとする社内敵対勢力に《傍受》されてはいないようでし

原稿用紙を買わなくなってから (エッセイ×再勉生活)

今日は、日本語原稿を書くツールの個人史と、《進化》の功罪について書きます。 「原稿用紙を買う男」(↓)で書いたように、学生時代は原稿用紙に鉛筆で文字を書いていました。新人賞などに応募する時は、鉛筆の上からボールペンや万年筆で字をなぞり、消しゴムで鉛筆書きを消し、投稿原稿としていたのです。 懸賞論文の副賞として、「初めてのポータブル日本語ワープロ」と銘打った富士通OASIS Liteをいただいた後も、「液晶画面が1行8文字」という使い勝手の超・悪さから、原稿用紙を手放すこと

遺伝子の要求と、どこで折り合いをつけるのか? (エッセイ)

《再勉生活》中に、 ➀ 少ないサンプル数で集団特性を判断しない。 ➁ 集団主義的な考え方をしない。 という姿勢を持とうと決めた話(↓)を書きました。 そのように意識していないと、「〇〇人は信用できない」というような、少ないサンプル数で集団特性を判断する《偏見》が忍び寄って来ます。 また、上の記事にNoterさんからコメントをいただいたように、大谷翔平選手の活躍をわがことのように喜んだり、日本製品がほめられると誇りに感じる気持ちが、《自然》に湧いてきます。 どうしてだろう?

続「本社・工場」ってどこ?──ついに本郷通りへ (エッセイ)

かなり個人的なエピソードを読んでいただき、ありがとうございます。 前回からの続きになります。 「大きく見せた」自己の実現に向けて八面六臂状態で働く社長、経理担当に巻き込まれた家主夫人Mさん、いつ去るかわからない営業マンS氏、そして、電話番はじめ雑用全般をこなす僕の妻。 ── 4人しかいない会社から、半年働き仕事を覚えた妻が抜けるのは、大きな打撃であるのは間違いなかった。 しかし、産休代替とはいえ、教職の仕事は給料面でも福利厚生面でも、バイトとは比べ物にならないほど魅力的で

誰かの「あったらいいな!」「こんなの欲しい!」は、誰かが実現する (エッセイ)

「再勉生活」中に研究室の同僚だった友人が、日本で工業高専の先生に就任し、この先生から2時間×2日がかりの「特別講義」を頼まれました。 これも、かなり前のことです。 学校で講義をするのは初めての経験だったので、なかなかうまく行かず、一方的な知識の伝達は、学生たちを退屈させただけでした。 翌年も頼まれたので、内容を見直し、知識の伝達に使う時間を半減させて、以下ふたつの「KAIZEN」を加えました。 ➀ 講義内容の材料を使った電子部品やデバイスを回覧して実演する、という《大道

Missionary Positionで愛を交わすSiberian Husky犬に、隣家の弁護士は何て声をかけたのか ──《can》と《can’t》の発音聞き分けは難しい!

米国イリノイ州の大学町で、英語学科の教授がsabbatical(長期休暇)で1年間不在の家を、格安で借りて住んでいたことがある。 垣根を隔てた隣家には、米国人弁護士Mと日本人の奥さんが住んでおり、庭で大きなSiberian Husky犬を《つがい》で飼っていた。1頭の体重はおそらく、60キロぐらいはあっただろう。 裏庭から外に出る時に、この《コワモテ》カップルが隣家の庭を縦横無尽に走り回ったり、じゃれあっている姿をよく見かけた。 ある日、僕が仕事(研究室)から戻ると、妻が