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晴旅雨筆(エッセイ)

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これまでの人生で書き散らしてきたノートの切れ端をちぎれ絵のように張り付けたエッセイ。本を読み、山に登り、酒を呑み、街を歩く。
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2023年3月の記事一覧

知らない方が良かった、とは思わない

昨日の記事をアップした後、少々気になりました。 僕たちは確かに、スパコン富岳による《飛沫の飛散状態シミュレーション》結果を、数々の状況パターン、そして配席パターンで見せられ、 「お、この場合はこんな具合に飛んでくるな!」 など、イロイロ、わかってしまいました。 BC(before Corona)時代はまったく気にしていなかったのに、一旦こうした結果を見たら、日常生活の中でも、あたかも空間に《飛沫の経路》が見える、《超能力》の持ち主!になってしまった。 昨日の記事に、

古い映画とフレッシュな映画エッセイをめぐる探検

父は ── きわめて真面目な、というか、固く几帳面な人間で、92歳で亡くなるまで、毎日家計簿を付け、簡単な日記を書いていた。そこには、夜中の何時にトイレに起きた、という記録まであったくらいだ。 「あのヒトの子なのに、なんでアンタはズボラなの?」 耳タコフレーズだが、── 「反面教師」原理が働いたのか、あるいは遺伝子がブロックされたのか、謎に包まれている。 中学・高校の頃、映画を観に行く、と家を出ようとすると、 「帰ってきたら、すぐ感想文を書いておくといいぞ ── 忘れないう