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犬猫等の里親募集サイトにおける今後の課題・里親詐欺問題への解決策への提言

先日も含め、昨今大きくニュースで取り上げられるようになってきた動物虐待のニュース。

ニュースが大きく取り上げられることにより、虐待が増えているという印象を受けますが、実際にはごくごくわずかの事件であり、ほとんどは幸せに犬猫等と一緒に暮らしているのも事実です。

ただ、里親さん探しのマッチングサービス、掲示板を運営している弊社としても、可能な限り監視しておりますが、最終的な譲渡者は団体様、保護活動者様になる為、譲渡後など最後まで見届けることはできません。

ただし、昨今あるニュースについて、弊社のぽちとたまのようなサービスが悪用されるのは非常に遺憾です。

もちろん、一番の悪は虐待を行う加害者であって、決して譲渡した人が悪いわけではありません。

「幸せになってほしい」

そう想いながら、譲渡した人の気持ちを踏みにじる行為は決して許されるものではありません。

ネット経由であろうと、譲渡会経由であろうと、シェルター経由であろうと関係なく、弊社としても例外ではありません。

これについては、同事業社様も同じであると考えております。

そこで弊社を含め、虐待目的であらゆるマッチングサイトへ登録している人を『登録させない』ことは非常に大事だと思っております。

そのため、弊社が運営するぽちとたまを含めて、業界内で何かできないかと思案しているところで、今回は広く意見を募りたく、こうしてnoteにまとめさせていただきました。

・ぽちとたまの公式twitter:@pochi_tama123
・ぽちとたまの公式Instagram:@pochi10tama

記事の最後の方に、ご意見についての募集概要がございますので、ぜひ皆様のご意見を頂戴できれば幸いです。

ネットで里親さん探しをする際の注意事項等は、下記のnoteに以前記載していますので、ぜひこちらも参考にしてください。

今できる実施策

現状、弊社のぽちとたまで実施している実施策としては下記の通りです(里親詐欺目的以外の実施策も含む)。

・やり取りを複数無差別に行っていないか等の監視
・保護猫、保護犬以外の理由で譲渡金を求めていないか(売買にあたる為)
・明らかに目的外でサイトを利用しているアカウントの利用停止措置等
※避妊・去勢していない純血種ばかり手当り次第連絡等
・その他規約違反に該当することを行っていないか

おそらくではありますが、現在里親さん探しのマッチングサービス単体で可能なことはこの程度かと思われます。

あとは弊社も含め、事業主単位でどういったルールの元でアカウント停止措置を行うのかは、内規もあるかと思いますし、理由について公開することはない場合もあります。

ぽちとたまでは、登録時に身分証を不要としているのは、最終的な譲渡が各保護活動者様、団体様で行われるため、その際に、身分証の提示、そして、ぽちとたまで用意している誓約書(誓約書内にもお互いの身分証の提示の記載をしています)の締結をお願いしているからです。

納品データ(トライアル)

※譲渡誓約書はマイページから誰でもダウンロードできるようになっており、そこにはお互いの身分証の提示も記載しております。

先日ニュースにもなった、里親さん探し掲示板を利用した里親詐欺では、掲示板を利用する際に里親さん募集、応募にあたっては必ず身分証の登録を実施しており、弊社より厳格に運用されています。

現状の問題点

現状だと、一つのマッチングサイトで利用停止措置を受けた場合でも、他のサービスを利用できることが可能となります。

これはお互いのマッチングサービスを不幸にしている事にも繋がります。

弊社のぽちとたまで利用停止を受けた人が、他社様のサービスを利用する。もしくは他社様のサービスの利用停止を受けた人がぽちとたまを利用する。

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悲しい話ではありますが、現状はこういった事が可能となります。

弊社は不幸を生み出すサービスではなく、幸せを繋ぐサービスでありたいと強く思っています。

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そこで、マッチングサイトの事業者様同士で、次にお話する案を実現することはできないかと考えています。

業界内でまとまれば実現できそうな実施策

これからお話する内容は、個人情報保護の観点から実現の可能性は不透明です。

まだ、弁護士等の専門家にご意見を伺う前に考えた案なので、実施できるのか不透明ということは先にお伝えしておきたいと思います。

ただ、もしかしたら里親さんを募集できるマッチングサイト、アプリ等の企業様等で話し合う場を持ち、適切に運営することが可能であれば実現できるのではないかという案です。

また、ぽちとたまのような事業を行っている企業様が賛同しない限り、実現はできないという意味でもあります。

例えば、クレジットカードやローンを契約する際には、信用情報機関というところへ必ず個人の情報が登録されます。

クレジットカード等であれば、以下の信用情報機関です。

・CIC
・JICC
・全国銀行個人信用情報センター

これらの機関は、申込者の信用情報を照会することで、クレジットカードやローンの審査に通しても問題ないかなどをチェックしています。

申込者は、各クレジットカードやローンの契約時の規約にて、必ず信用情報機関への登録、チェックについて同意をしていることになっています(規約はあまり読まない人もいるかと思いますが…)。

また、こういった機関は携帯電話事業者にもあります。

・電気通信事業者協会(TCA)

上記の機関のサイト内に、こういった内容も記載されています。

契約解除後においても、料金不払いのあるお客様の情報を事業者間で交換し、その情報を契約申し込み受付時の加入審査に活用することにより、料金不払いの再発を防止し、利用者全体の公平性と利益を守ることを目的としています(料金不払いの状況によってはお申し込みをお受けできない事があります)。
引用元:TCA

このような情報交換の場を、業界団体を立ち上げることで、一つのウェブサイトでアカウントの利用停止を受けた場合、他のマッチングサイトにも登録することができないような仕組みを作れるのではないかと考えています。

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※もちろん、各事業者が情報を受けて登録の可否を判断するのがベースにはなります。

おそらく、マッチングサービスを登録する際に、規約をどの事業者も提供しているはずなので、この規約で個人情報を「信用機関(あくまで仮称)に登録する旨」を記載していれば、実現できなくないはずです。

これが業界をより健全化することに繋がるのではないか、という案になります。

情報交換・共有する場合の懸念点

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この個人情報を業界内で共有するというのは、お互いの事業者にとっても安心して利用してもらいやすくなる案だと思っています。

ただ、この施策が満点というわけではなく、もちろん懸念点もあります。

・業界団体の立ち上げにかかるコストは誰が負担するのか(管理・運営まで含め)
・マッチングサービス事業者は大きい企業から小さな企業まであり、全ての事業者が賛同するかどうか
⇒賛同されず個々でサービスを提供することで、里親詐欺目的の人はそちらのサービスを利用することに繋がりかねない
・各マッチングサイト毎に一定のシステム改修等が必要になる
・これらの業界団体を立ち上げた場合、事業者のみで情報交換を行う前提の為、マッチングサイトを介さない場合は情報提供ができない
※情報提供ができないという表現よりも、過去にどこかのサービスにてアカウント停止を受けている人なのかわからないと言った方が正しいかも知れません
・アカウント停止を受けた人への情報開示の有無

上記1つ1つを簡単に説明していきます。

業界団体を立ち上げた場合のコストや弊社を含むマッチングサービス事業者様については、記載の通りです。

ただ、どこまでをマッチングサービス事業者として定義するのかが1つの懸念点です。

また、個人情報はとても秘匿性の高いものである為、どこまで情報を共有するかの問題もあります。

つまり、最後の「アカウント停止を受けた人」についての定義です。

犬猫等の里親募集サイトにおける今後の課題・里親詐欺問題への解決策の案_2

現在は各事業者毎に、利用停止措置を行っていますが、決して里親詐欺目的のみの理由でアカウント停止になっているわけではないこと。

その場合には、里親詐欺を行った人物のみを対象に情報交換をするのか、それともアカウント停止の理由を含めた情報を交換するのか、ということ。

この辺りは、実際に専門家を交えながら、事業者間で話し合う必要があるかと思います。

次に、今回お伝えしている案はあくまでも事業者間での業界団体のお話です。

将来的には情報を開示していく方向ではあるべきだとは思いますが、現時点では「里親さん探し掲示板・マッチングサービス等」の事業者として健全なサービスを提供する目的、そして、里親詐欺等を未然に防ぐ(2度と掲示板を介して里親詐欺が起きないように)ためのものです。

その為、もしこういった業界団体が実現できた場合でも、各保護団体様、活動者様などに情報提供ができるかと言うと、すぐには実現できる可能性は高くないと言えます。

そこは、業界団体に加盟や会員という形を取るのか、また違った形で情報提供ができる仕組みを作るのか、など考えなければなりません。

これは、個人情報を自由に提供することは非常に難しい為です。

最後に、「アカウント停止を受けた人への情報開示の有無」です。

初めの方でお伝えしたように、各金融機関や携帯事業者間にも情報機関があります。

ただし、例えばクレジットカードの滞納をし、完済から5年間経てば(CICの場合)、信用情報から消えるようになっています(社内ブラックというものはあるかと思いますが)。

また、本人は信用情報機関へ「今、自分の信用情報はどういう状況なのかの開示」を行うことができるようになっています。

要するに、里親詐欺を行い、アカウント停止措置を受けた人の個人情報を、いつまで業界団体として掲載し、本人へ情報開示を行うべきか否か、そして、その本人に情報提供をするべきか否か等の議論も出てきます。

もちろん、ペットショップ様やブリーダー様経由等で購入することは可能ですが、虐待目的で犬猫を飼うには、金額が高いために現実的ではありません。

最後に|ご意見募集

犬猫等の里親募集サイトにおける今後の課題・里親詐欺問題への解決策の案_3

弊社以外の里親さん募集のマッチングサイト事業者様が、この記事をご覧いただけるかはわかりません。

しかし、可能な限り多くのところへ届いてほしいと願っています。

もちろん、案がまとまれば、弊社から各社へご相談のご連絡をさせていただきたいと思っています。(全ての事業者を把握できている訳ではありませんが…)

また、事業者様を含め、保護活動をされている方、団体様など、個人から法人様まで広くご意見も募集しております。

下記リンクのグーグルフォームから、ご意見を送付いただけます。

お手数おかけいたしますが、今回の内容についてご意見をお伺いできれば幸いです。

ご意見フォーム » https://forms.gle/87giK4VCxMmLi5DT6

1から100まで一気に達成することはできないかもしれません。

しかし、今より少しでも業界内が良いものになるのであれば進めていくべきだと考えております。

弊社のみ突っ走っても何も変わりません。

ぜひ各事業者様にご賛同、そして業界団体の立ち上げへ向けての場を設けられることを切に願っております。

一般社団法人 和
代表理事 梅本健一

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