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仔猫の保護と譲渡。そして心の葛藤と。

※今回のnoteはぽちとたまの発信ではなく、代表である梅本の個人的な活動を書いています。

仔猫の鳴き声

2ヶ月前のあるとき、自宅で過ごしていた私のところに、かすかに「ニャーニャー」という仔猫のか弱い声が聞こえてきました。

時間帯は午前中だったので「外猫の仔猫がお母さんを待っているのかな?」という程度で考えていたのですが、夕方になってもずっとその声が続いていました。

これはおかしいな。

そう思い、声のする方へ向かってみると自宅マンション横にある廃墟に、ボロボロになった台所のシンクと壁の間に仔猫2匹が挟まった状態でいました。

挟まった状態を見る限りでは、母猫がいたとしても助けることは不可能だと判断し、そこから出すことに。

しかし、一度人間の臭いが付着した仔猫を母猫は続けて育児してくれるだろうか?そもそも母猫はいるのだろうか?

その場から保護した仔猫達は小さく、か弱い生まれて1ヶ月も経たない子で、1日でも放置してしまうと命の危険性もあり、周囲に相談した結果、自ら保護することに。

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当日は日曜日だった為、かかりつけの動物病院はやっておらず、休日に野良猫を見てくれる動物病院を探し、ダニやノミの駆除などを行いました。

私自身すでに3匹の保護猫を飼ってはいますが、それは自ら保護した猫ではなく、保護された猫を飼っているので、保護すること自体初めての経験です。

ましてや、生まれて1ヶ月も経たない仔猫達。

動物病院で体重を計ったときは、どちらも300g前後。

これだけ小さな命を預かるのは怖い気持ちがある一方で、どこか成長を楽しみにしている自分もいました。

ただ、私自身の家で合計5匹をずっと飼うわけにはいかない為、ある程度成長した時には譲渡先を探すことになります。

その日から、健康に成長させること、そしてこの子達の新しい家族を探す日々が始まりました。

仔猫たちは無事健康に成長

保護した仔猫たちは色々な方からの助言もいただきながら、とても健康に大きく成長していきました。

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※保護した直後の家での写真

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ただ、ウチには先住猫がいる為、ワクチンやエイズの検査をする前に会わせるわけにはいきません。

部屋を分け、先住猫もワクチンを打ち、仔猫もワクチンを打ち、エイズ等の検査を行った結果、陰性だったのでそこからはほんの少しずつですが、先住猫とも警戒しながら会わせるように(シャーシャー言ってましたが・・・汗)。

保護した時には300g程度しかなかった体重も、1ヶ月半後には2kg弱くらいまで大きくなり、「そろそろ里親さんを探そう!」という時期になりました。

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あんなに小さかった仔猫も大きく健康に育ったところで、里親さん探しが始まる時、自分の中で「もし里親さんが見つからなかったらどうしよう・・・。」という不安がよぎります。

それでも「もし見つからなかったら5匹飼うしかない!」という覚悟の元、新しい家族を探し始め、ありがたいことに複数の方から「ぜひ飼いたい。」と連絡をもらうことができました。

譲渡先を決めたあとの心の葛藤と空白

いくつかのご家庭から「ぜひ飼いたい」との連絡を頂き、仔猫のいる自宅へ見に来てもらいつつ、私の方でも「譲渡先としてふさわしいか?幸せに育ててくれるか?」を考えながら、私自身で決めたご家族の元へ、無事本日からトライアルをスタート。

ここまでの話だと順風満帆、あとはトライアル期間に問題がなければ正式譲渡となるので、嬉しいことだらけです。

正式譲渡となり、幸せに長生きしてほしいと願う一方、トライアルの日が近づくと「もうお別れなのか…。」と寂しくなる気持ちが芽生え始めました。

「見つからなかったらどうしよう。」という不安が、いつの間にか「譲渡する日程が決まってしまった・・・。」のツラさに。

あんなに小さかった頃、泥だらけで身動きの取れない状態から仔猫たちと出会い、1日3食食べさせるために仕事中に1度家へ帰り、ご飯をあげ、また出勤する。

低体温にならないように暖かい場所で寝てくれるような形に整えたり、異変はないか頻繁に注意を払ったり。

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こんな事は苦労とは思わず、この保護してからの1ヶ月半には少なからずも思い出があります。

保護活動を行う身として、保護して譲渡は当然です。保護して飼う人も多いでしょう。

私もこのまま飼い続けたい。飼い続けられたらどんなに良いだろう。

しかし、今後の様々なことを考えるとやはり譲渡という選択肢しかありませんでした。譲渡を進めないと、また新たに保護ができないのもあります。

それでも「自分で保護しておいて他人に譲渡するのは飼育放棄と一緒じゃないのか?」とさえ思い詰めることもありました。

保護活動の難しさとはまた別の自身の心の問題にぶち当たり、ずっと「今日が来ないでほしい・・・。」と。

そして今日、譲渡先のお家へ仔猫を連れていきトライアルをスタートさせてきました。

もう明日からはご飯をあげるために一度家に帰らなくても良いんだ。

仔猫用のご飯、ミルクはもう買わなくて良いんだ。

譲渡先から帰宅してきた今、そこにいつもいたはずの仔猫たちの姿はありません。

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先住猫で唯一、このクロネコだけが仔猫たちを親のように可愛がってくれていました。

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そのクロネコは私がトライアル後に持って帰ってきたキャリーバッグの匂いをすぐに嗅ぎにやってきました。誰もいない。おかしい。

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そんな姿に「ごめんな。」としか言えませんでした。

親代わりとして温かく迎えてくれたこのクロネコには本当に感謝です。

トライアルがうまくいき、正式譲渡となればもうここに帰ってくることはありません。

嬉しいことなのに、つらい。

そんな矛盾した想いを持ちながら、これからも個人的に保護活動は続けていくでしょう。

私が保護した仔猫の名前はハチワレの子はヤマト。サバ白の子はタイガ。

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まだ今日からのトライアル。正式譲渡が決まったわけではありませんが、絶対にウチにいたときよりも幸せになってくれよ。

素敵な家族を見つけてくれてありがとう!

そうタイガ、ヤマトに思ってもらえたら何よりも嬉しいことです。

そして新しい飼い主さん、どうかヤマト、タイガを宜しくお願い致します。

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