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北京人おっさんと行くタイ珍道中 3

北京人おっさんはタイ側に置いてきたのでタイトル詐欺甚だしいが、そのまま金三角経済特区の話を続けさせてもらおう。

我々はラオス側の出入国管理施設へと向かったのだが、職員にワクチン接種証明を見せる際に中国語で「迎えに来る人はいるか?」と訊かれたのである。質問の真意を図りかねていたのだが、これはおそらくラオス政府側が詐欺タコ部屋求職詐欺対策として質問を行っているのではないだろうかという推測が立てられる。何故なら、出入国管理施設だけは金三角特区の中で(おそらく)唯一のラオス政府直轄の管理施設であるからだ。雑に入国手続きを済ませてスタンプを貰うと、首都ヴィエンチャンの経済特区に関する中国語の広告が書かれた紙切れをもらった。なんとこれが出国カードである。出入国管理施設の出口には高級な謎の中国の酒を売っている店があった。もうすでに雲行きが怪しい。

植民地?
中国語は英語やラーオ語よりもデカい

出入国管理施設を出ると、トゥクトゥクの待機場所があり、中国語でドライバーに例のカジノまで連れて行ってもらうように交渉する。カジノの写真を見せ、「到这里要多少钱?」と訊いても通じない模様だ。仕方なく、カタコトのタイ語「เท่าไร?(タオライ)」(注:ここは語尾にครับカップ/ค่ะカーをつけるべきである。)と訊くと一百五(150バーツ)と中国語で答えてくれた。数字はわかるんかい。

ラオスのトゥクトゥクはピンクと青で、タイのものと違ってなんか遊園地の乗り物みたいだ。ものの数分でカジノに到着。カジノ、そしてマカオのグランドリスボアを模した趣味の悪いクソデカ建築、関帝廟(商売繁盛の神様)がお出迎え。ギラギラ度Lv. 100だ。


ギラギラカジノ
ギラギラ関帝廟
グランドリスボアのパクリ


我々はまず、カジノには入らずに中華街(唐人街)を見に行くことにした。喉が渇いたのでミルクティー屋さんでドラゴンフルーツジュースを注文した。店員は明らかに漢族ではない高校生くらいの少年。値段は全て人民元表記だったので、タイバーツで支払えるか中国語で聞いてみるとOKとのこと。ここはラオスなのに人民元経済圏かつバーツ経済圏という場所なのだ。ラオスキープの出る幕はない。ちなみにドラゴンフルーツジュースは18人民元=90バーツ換算だったので1人民元=5バーツのレートがスタンダードのようだ。

唐人街の入り口
孔子像がお出迎え。本物の孔子はこんな欲望に塗れた街見たら絶対キレると思う
ミルクティー屋さん
ドラゴンフルーツジュース(18元)
店内は完全に大陸の奶茶店と同じだった

トコトコと中華街を歩いて抜けると、例の「タコ部屋」が見えてきた。ぱっと見普通のコンドミニアムみたいな外見をしている。出入り口は一箇所のみで、守衛がいる。他は高い柵と鉄条網で囲われている。見てわかることはこれくらいしかない。しかし、この中でも暴行に怯えながら恐怖の中で詐欺をさせられている人がいると思うと胸が痛くなる。私には何もできないが、タコ部屋に関連したニュースを積極的に発信していこうとは思う。


タコ部屋群
出入り口
タコ部屋の内部は見えない

さて、タコ部屋の前を通り過ぎると中国南方の鎮のようなところに出る。街は全体的にタイと違って埃っぽいく、タイがとてつもない先進国のように見えてくる。タイはAISの電波が国中をカバーしているし、どんな辺鄙なところにもセブンイレブンがある。野犬こそいるものの治安は良く、基本的に安全だ。警察組織は腐敗しているが、末端の警官はそう酷くはない。そして私は、カンボジアでもう一度タイの素晴らしさを実感することとなる。

中国南方の鎮みたいだ。ちなみに向こうのデカい建物もタコ部屋らしい
空気が完全に中国大陸
パチモンアップルストア
舗装されていれば完全に中国南方の鎮だと思う。ちなみにこれもタコ部屋

AISの電波が入らないエリアまで来てしまったので、カジノ方面に戻ることにした。友人が腹を空かせていたので、カジノ内で飯を食う流れとなった。


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