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「恥ずっ」考察

うっひゃーすぽぽぽぎゃらりんうちゃんがずっとんさ〜け〜は〜ちゃぴんちょちゃっぴんちょのぉ〜めぇ〜のぉ〜めぇ〜ずっどんずどんどなんどなーなんどなーの〜む〜な〜らば〜、などの奇声を空の2リットルのペットボトル底部に穴を開け紐を通し頭頂部に載せブリーフ一丁で、三宮センター街のタイル歩道のラインからずれずに黒田節を唄いながら歩きたい。こんな願望がある男である、ということを告白したうえで「恥ずっ」について考えを述べさせていただく。

まず、最初に「恥ずっ」と言っているが、「恥ずっ」とはどのような事柄を指すのか解説しよう。

よくあるパターンは読み間違い/言い間違いなどのイキって言ったはいいが、全くもって見当違いなケース。「早急(そうきゅう)」を「さっきゅう」や「雰囲気(ふんいき)」を「ふいんき」などの比較的、どうでもええやん系な間違いは「恥ずっ」までに至らず、指摘した場合「恥ずっ」返しをこちらが食らう場合もあるので注意が必要だ。

他にも服装が、なんもいえねぇ系からの派生で「オシャレ系恥ずっ」など数限りなく「恥ずっ」の概念は派生している現状である。

では何故、人は「恥ずっ」と感じるのか?それは自身の常識と世間の常識との差異が原因と思われる。または、本音と建前という各々が持つ、心のダブルスタンダードが産み出す現象とも言える。

例としては「ごっつ豆腐すっきゃねん」「よろしいな」「白い豆腐にやね、ニョクマムかけてマヨネーズと背脂のせて、キューッとオゴゴロを冷でいってもたら日本人に生まれてよかったなーっておもいまんねん」「その酒、原産どこなん!普通は醤油におろし生姜で日本酒でんがな」「実家がこれやってん。。。」「なーんそれ!何人?恥ずっ!」 これなどは常識という不確定なものを拠りどころとして「わしはなんもまちがってへんもん」と断定したうえで他者を判断するパターンである。

または「最近オナニーの回数減ったわー」「さいでっか」「寄る年波にはロンリーボーイも勝てまへん」「そうですのん?ほたら一番最近はいつやりましてん?オナニー?」「昨日ですわ。5回ぐらいで打ち止めですわ わっはは」「チェリーボーイか!」「いえいえ女性経験は人並みにおます」「ほう。何人ぐらい経験おますのん」「自慢やおまへんけど。。。3人ですわ。人には言わんとってくんなはれや」「誰が言うか!50代にもなって一日に5回もオナニーしくさってそのうえ3人て。恥ずっ」これなどはまさに大きなお世話の典型である。何回オナニーしようが経験人数が何人であろうがどうでもええやん。しかし前段の豆腐の例と同じように、各年代ごとのオナニーの適正回数データーがあるわけでもなく、ましてや経験人数など、何一つ答えがないものに対して、さも自分が正しいような物言いで判断を行う。

さらにはこれから例としてイキって英語使ってますが composite systemな場合、思想や概念だけでなく宗教観などが混在し何が正解で何が間違いかなどわからぬ状況であるにもかかわらず人は「恥ずっ」を定義づける生き物の証明ではないだろうか。「あーパンツ履きたないわ」「なんでや?」「なんでやって履きたないからやんけ」「パンツ履かなウンコしたらズボンに筋が残るでシャイニーオン」「残らへん。ズボンも履かんから」「ほたら下半身スッポンポンやんけ」「それがどないかしたんかい」「ほんなん外歩かれへんやんけ」「歩こおもたら歩けるやん」「捕まんであんた」「捕まったってええやんけ」「けったいな人やなー。頭大丈夫でっか?」「なんやおどれ!わしが気狂ってるいうんかいわれ!」「いやいやいや。そんなんおかしいに決まってまんがな」「誰がおかしいって決めたんや!」「そんなん常識ですやん。世間の」「ほたらわしは世間やないっちゅうんかい」「誰もそんなこと言ってまへんがな」「ほたらええやんけ」「ほやけど昔からパンツは履くってきまってますやん」「勝新は履いてなかったやんけ!昔ていうけどほたらキリストさんとかお釈迦さんはパンツ履いてたって証拠でもあるんかい!」「勝新は履いてないんやのうて、もうパンツは履かないって言ったんや。しかしそないに言うんやったら外歩いたらよろしいやん」「いや、それはちょっと恥ずかしい」「あんた偉そうに言うとったくせに。。。なんか。。。恥ずっ」どうだろうか?無意味な言語のエンドゲームにおもうだろうか?お釈迦さんはパンツを履いていたのであろうか?履いていないのだ。履いてはいないがおちんちんが見えないように薄い衣を1枚纏っているのだ。うっすらと目を凝らすと衣の奥の羅睺羅が見えるような気がするがそんなことはどうでもよい。

このように、「恥ずっ」は常識の非整合性だけではなく、自身の非整合性をも浮かび上がらせ、倫理や自身の精神にまで影響を与えるものであることをご理解いただけたであろうか。

さてここからが本題であるが、下記の「恥ずっ」に該当する複数のパターンについて説明をしていきたい。

①自分は全く気づいていないが他人が薄々気づいてるパターン
②その場ですぐ自分も気づき、他人も気づくパターン
③敢えて「恥ずっ」を実践し他人も気づくパターン
④敢えて「恥ずっ」を実践するも他人は気づいてくれないパターン
⑤自分も他人も気づかないまま「恥ずっ」だけが残り、結果「寒っ」から「怖っ」へ変格するパターン

①自分は全く気づいていないが他人が薄々気づいてるパターン
この①については比較的頻繁に見られる事柄である。例にもあるように、読み間違い/言い間違いなどの他者とのコミュニケーションの中で発生することが多い。いわゆるアホ系の「恥ずっ」に該当する。「会議中にね。オレ言ったのよ。部長の意見にアングリーですって」「???」「そしたら会議のメンバーみんなシーンとしちゃってさ」「。。。。」「ビジネス用語ぐらい知っとけっちゅうねん くははははははは」「(小声で)アグリーやっちゅうねん。つーかアグリーなんて会議で言ってるやつ見たことないし、鈴木以外で言うやつなんかおらんちゅうねん」

仕事の話など喋らなければいいのに、イキって訳分からん単語使うから陥るパターンである。恥ずっ。

②その場ですぐ自分も気づき、他人も気づくパターン
②についても比較的頻繁に見られる事柄であるが、①とは違い自身でとっさに気づき訂正するも逆効果でセカンド「恥ずっ」を呼び込んでしまうパターンである。こちらはいわゆる焦り系「恥ずっ」に該当する。「本当においしいね、焼肉」「焼肉?」「あ?あちゃちゃちゃちゃサムゲタンだったわ」「サムゲタン?」「あ?あちゃちゃちゃちゃちゃサムギョプサルだったわ」「サムギョプサル?」「あ?あちゃちゃちゃちゃ牛肉だからやっぱ焼肉?」「牛肉?」「あ?あちゃちゃちゃちゃ鶏肉だからサムゲタン?」「鶏肉?」「あ?あちゃちゃちゃちゃ豚肉だからやっぱサムギョプサルだわ」「豚肉?」「あーーーもう!TRFのサムで良くね?寒いー夜ですねー なんつって、なはなはなは」どうでもええわー、な事柄にもかかわらず、スルーをせずにレバーブローのような返答に追い込まれ、挙げ句TRFのサムで落とせばいいものを歌詞を自虐ネタに変えて、大いなる「恥ずっ」を生み出すという典型である。

③敢えて「恥ずっ」を実践し他人も気づくパターン
①や②と違い、③は年配によく見られる事が多い。酸いも甘いも解ってるしおもろいこともいえまっせーわし、というある種、幸せでもあるボケカスな方が陥りやすいニッチ系「恥ずっ」に該当する。「おう、今日は寿司でも手繰ったろか」「はぁ」「心配すなすなスナフキンってな」「は、はぁ」「よっしゃこの店入んど」「はい」「よっこらセットリストにあの曲ないんかい!ってな ぐははははは」「へ、へぇ。。。」「さてと、注文しよかな」「お先にどうぞ」「若いのに気が利くヤンバルクイナの恋煩いってな うほほほほほ」「ははは。。。」「よっしゃ、注文すんで。ヘイマスター。わし中トロ」「。。。。」「突っ込まんかい突っ込まんかいなー。見逃し三振はノンノンのんめちゃ可愛いやでー けけけけけけ」醜悪の極みである。あえて「恥ずっ」を実践するも、これみよがしに、わしメッサいけてるやんー、とユーモアに対する自己への過大評価が結果、周りの人間の誰1人をも幸せにしないという害悪な「恥ずっ」である。

④敢えて「恥ずっ」を実践するも他人は気づいてくれないパターン
④は③と同系列ではあるが、イケイケな③と違いどこか物悲しさが漂う刹那系「恥ずっ」に該当する。「サウナは気持ちがいいねー、君」「そうですね、課長」「営業サボってサウナなんて最&高やなー わっはっは」「最&高です!課長」「ちなみに言っとくけど君、ノンケだよね?」「ノンケ?」「いやいやいやノンケの意味を知らないのならそれでよいよ。それが答えだ!なんてな。きゃははは」「はい!知らないです」「しかし君は可愛いねー」「か、課長?」「いやいやいやそんな意味ではないよ」「そそ、そんな意味って、どどどんな意味ですか」「うふふふ。ドキドキしとるんかな?」「か、課長〜。からかわないでくださいよー」「んふん。からかってなんかないよ。可愛いから可愛いていってるだけさ。なんてな ココココココ」「課長。。。ぼく少しのぼせてきました」「じゃあ、水風呂行って休憩室で少し寝るか」「え?。。は、はい」水風呂ザバーーーン そして休憩室へ移動「はぁー気持ちよかったね」「課長。さっきぼくのこと可愛いって言ってましたよね」「あぁ、言ったよ。可愛いからね」「実は僕、課長のことお父さんみたいに思ってて」「え?」「幼い頃に父をなくし母1人子1人で育てられたので。。。」「苦労したんやね」「課長。。。初めてなので優しくしてくださいね。。。」「ふぁ?」「僕も課長のこと。。。」「ちょ、ちょまて。ノンケやないのん?」「ノンケってなんなんですか!課長。僕、興奮してきました!」「いやいやいやいや、わしチンポ小さいし!」「ちっさいんですか?」「うん、ちっさい」「見せてください」「ふぁ?」「みたいから見せてください!」「ちょちょちょちょちょまてまてまてまて!」「あ!。。。。」「おふっ。。。」「ギンギンやないですか」「。。。恥ずっ」性的指向に関するセンティブなネタをデリカシーもなくブチこんだ結果、違うものをブチこまれるハメになる典型である。ギャグをギャグと認識されないまま新しい扉が開けることもあるという事は記憶にとどめておかなければならないだろう。

⑤自分も他人も気づかないまま「恥ずっ」だけが残り、結果「寒っ」から「怖っ」へ変格するパターン
⑤は記憶や認識の澱みが生み出す「恥ずっ」である。自問自答を行わない人々への警告系「恥ずっ」である。「東京ってめっちゃ人多いな」「せやなー」「あ!あの看板、OIOIってかいてるー」「あーあれな。あれオイオイって読むんやで」「へーそうなんやー」「オレも最初なんて読むんかわからんで、バイトの先輩に教えてもらってん」「へー優しい人やね」「うん。優しい先輩や」それから5年の月日が経過した。「おー久しぶりやなー」「久しぶりやな」「東京に遊びに行ってからもう5年が経ったんかー。時間が経つのは早いな」「せやなー」「お前まだ大阪に戻ってこえへんのか?」「せやなー」「あ、そう言えば、OIOIって大阪にはないねんな。みんなに言っても誰も知らんかったわー」「あーそれな。。。」「どいたん?」「あれ、オイオイやなかってん」「えーーー」「OIOIって書いて丸井って読むらしいねん」「なんやねんそれー。めっさみんなに言ってもうたわー。恥ずっ。」「しらんがな!オレもあん時はオイオイって思ってたんや!」「もー、めっさ寒いわ。おれ。」「でもしゃあないねん」「なんでな」「おれにオイオイって教えてくれた先輩もずっとオイオイって思ってたんや」「なんでや?」「その人も先輩にそう教えてもらったんやて」「ちゅうかそのオイオイって教えてくれた先輩。何年東京住んでんねん」「10年ぐらいって言ってたな」「。。。。」「。。。。」『。。。。怖っーーー』

田舎から出てきて早10年、バイトとアパートの往復が日常であり、夢と呼んでいたものも、いつしか東京の空にのみ込まれた先輩が悪いわけではない。そう、誰が悪いでもない。もはや生きとし生けるものとして、人はどんなもんなんでっしゃろか?という問いにまで至るような「恥ずっ」である。

このように「恥ずっ」を分類して書いてはみたが、「恥ずっ」は体細胞における細胞分裂のように「恥ずっ」の持つすべての可能性を含め増殖し続けているのである。

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