Nature誌の論文(リチウム電池)を簡単に解説するよー!!刃牙を引用しながら。

Title: Quantifying inactive lithium in lithium metal batteries 

の論文がProfessor Shirley Meng のグループから発表されました。Prof. Mengは、UC San Diegoで世界で知らない人がいない解析屋さんです!知らない人はモグリだ!!(ちなみにアメリカビザの推薦書をProf. Mengに書いてもらいましたが、ビザは落とされました。このくそ移民局め!)

まずリチウム電池ってなに?

ってことなんですが、バキの言葉を引用すると

男子はね―――誰でも一生のうち一回は地上最強ってのを夢みる 程度の差はあるけどね これは誰でも見る けれど誰もがそれをどこかであきらめてゆく 兄弟喧嘩に敗けたとき、ガキ大将に出逢ったとき、父親の拳骨の痛さを知ったとき… 99.9999999 %…..ぐらいの人達は途中で他の夢にいっちゃうんだ [引用] グラップラー刃牙 何巻か忘れました

電池技術者でいうと、みんなリチウム金属二次電池の実現を夢見るのですが、諦めてリチウムイオン二次電池、Ni水素電池、鉛畜電池、空気電池などにいっちゃうんだ ということです笑

じゃなぜそんなにリチウム金属二次電池の実現を夢見るのか? この電池は現状、理論的に最も長寿命な電池を実現できるポテンシャルがあるからなんです。

じゃなぜその夢を諦めないといけないのか? リチウム金属二次電池を充放電させたとき、電池の中でリチウム金属が析出と溶解します。これを繰り返すとだんだんリチウムが不活性化していき電池として機能しなくなるといった欠点があるのです。その欠点を中々克服することができず、みんな諦めていきます。

リチウム金属二次電池の実現を追い求めた男子たちは、その不活性化を克服するためにはメカニズムを解明しようとしていました。

これまで電子顕微鏡や光学顕微鏡などで、リチウムの不活性化を議論されてきたのですが、まぁ雑なんです。だって目では不活性化を定量できないので。

Prof. Mengのグループではそれじゃいかんということで、様々な電解液を利用して、Li金属を溶解析出させて、その試験後Li金属と水を反応させてそこから出てくる水素ガスをガスクロマトグラフィーで測定し、電極表面上のLi金属の不活性の程度を定量化したことでNature誌に掲載されたと思われます。

結構シンプルなアイデアなのですが、結構それが思いつかない。でも僕らが投稿しても絶対Rejectやろな。


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