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私がこの世で一番好きな協力ゲームの話

この記事は、ボドゲ紹介02 Advent Calendar 2020の8日目の記事です。

昨日はかーんさんによるフードチェーンマグネイト 拡張ケチャップの紹介でした。私も大好きなゲームなのですがまだまだ遊び尽くしてはいないので、あと108回は遊びたいです。

ボードゲームには色んな遊び方があるけど、多分世界で一番多い遊び方は個人戦だと思う。実際に数えたわけじゃないから真偽は不明だけど。個人戦の他にはチーム戦のゲームもあるし、中にはプレイヤー同士は戦わないゲームも存在する。それが協力ゲームって言われているやつ。

今日は『私がこの世で一番好きな協力ゲーム:ベルラッティ』の話。

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協力ゲームって何するの?

そもそも協力ゲームっていうのはプレーヤー同士は基本的に味方で、一つの大きな同じ目標を目指したり、みんなでどこまで得点を伸ばせるのか(スコアアタック)に挑戦したりするゲームのことだと思っている。

そんな協力ゲームが、私はずっと苦手だった。

どうして苦手だったの?

協力ゲームが得意ではない人の多くは大きく2つぐらい理由があると思っていて、これは実際に私が苦手に思っていた理由。

1つ目は奉行が現れてしまうこと。個人戦のゲームでも奉行問題はある話だけど、特に協力ゲームだとどうしても勝ちたいって思うプレイヤーが強く他人に指示してしまうっていう現象が起こりやすいと思う。当該プレイヤー本人の意思はどこへ…?ってなっちゃう。アドバイスとかはめちゃくちゃありがたいけど、個人の気持ちは尊重して遊びたいよね。

2つ目はミスが明らかに自分だってわかってしまうこと。自分がこのカードを出したから、自分がこんなプレイをしたから…って思ってしまうし、周りから「おいおい、どうしてそんなことしたんだよ」って言われたら怖くなって漏らしてしまうかもしれない。だから、ミスをしても笑い合える友人と遊べるのは最高のことなんだよな。

私はあまり協調性がなかったし、なんなら身体が闘争を求めているタイプの人間だったので当時は上手に遊べていなかったんだと思う。ただ最近は、敬遠していただけで遊んでみると楽しいゲームもたくさん見つけたし、協力ゲームに好きなゲームもたくさん増えた。

その中でもこの世で今一番好きな協力ゲーム、それがベルラッティ。もうみんな忘れてしまったかもしれないこの協力パーティゲームを、私は一生大事にしたいしいつだって遊びたいんだ。

ベルラッティのこと覚えてる?てか知ってる?

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こいつはすごいゲームで、かつて2018年のスカウトアクションっていうやつで1位だったの、シティオブローマとタイで。スカウトアクションって、エッセンで行われているシュピールっていう日本でいうところのゲームマーケットみたいな感じのもっとでっかいイベントで、会場の人たちが一番投票して帰ったゲームってことだからね、すごいことだと思うの。ちなみに2020年の1位はミクロマクロクライムシティ。

spiel’18 スカウトアクション
1位:ベルラッティ/Belratti
1位:シティ・オブ・ローマ/City of Rome
3位:リフトオフ/Lift Off
4位:コインブラ/ Coimbra
4位:ネオム/NEOM
4位:ミープルサーカス/Meeple Circus
7位:カルペ・ディエム/Carpe Diem
7位:チューダー/Tudor
9位:アズール:シントラーのステンドグラス/Azul: Stained Glass of Sintra
9位:スプリングメドウ・春の草原/Spring Meadow
11位:ザ・リバー/The River

その後、アラカルトカードゲーム賞では3位ジャストワン、2位ラマを抑えて1位だったし、ドイツ年間ゲーム大賞では推薦止まりだったけど、それでもめちゃくちゃすごい賞をとってるゲーム、ベルラッティ。

でも日本語版は出ていないし、今はあんまり見かけない気がする。

どんなゲームなの?

たくさんの紹介記事が出ているから今回は詳しく説明しないけど、チーム型の協力ゲームっていうのが特徴のカードゲーム。

美術館員からこんな絵描いてくれ〜って絵画の依頼が来るので、画家はお題に見合った絵画を頼まれた枚数納品する。でも『ベルラッティ』っていう贋作画家が偽物の絵を来る日も来る日も4枚ずつ納品してこようとするので、美術館員はそれを見抜いて納品された本物の絵画を当てる。絵画カードはオールユニークで、168枚も入ってて最高だ。

私が紹介するより、先人の紹介記事の方がきっとよく伝わると思う。

ベルラッティの好きなところ

まず、チーム型の協力ゲームっていうところ。大体の協力ゲームってプレイヤーの立場は全員同じ(花火、ヒトトイロなど)か、むしろ全員違う能力を持っている(パンデミック、イーオンズエンドなど)かのどちらかが多いと思う。でもベルラッティは画家チームと美術館員チームに分かれて協力するシステム。これが珍しいからっていうのもあるけど、私はこの協力する上でチームに分かれるっていうシステムが大好きだ。自分が一人で頑張りきれないときも仲間に託せるし、逆に仲間を助けてあげることもできる。いやいや協力ゲームって大体そうじゃないの?って言われたらそうなんだけど、例えばジャストワンみたいに親が答えを当てるゲームって親一人で当てなきゃいけないから結構緊張しない?でも二人で親ができたらちょっと安心しない?そういう感覚がベルラッティのチーム分けにはあると思う。それにチームごとにやることが完全に違うから全員の行動をコントロールするのは難しいので、前述した奉行みたいな行為が起こりにくいシステムに思う。

2つ目が、一人間の感性が、ベルラッティのランダム性によって呆気なく死ぬところ。これは何かって言うと、今回の絵画の依頼に対して自信ある絵画カードを出せるとき「この絵は力作です、かなり自信あります!」って言うと思うんだけど、贋作画家のベルラッティってやつはプレイヤーの依頼数に関係なく一生4枚の絵をランダムに投入してくるし、その中にめちゃくちゃそれっぽい絵が混ざってくることがまぁ少なくない。そのとき、プレイヤーが出した自信のある絵画カードっていうのはひとつも機能しなくなるし、美術館員だって間違えるだろう。自信があったプレイヤーの感性は一瞬で死んでしまうんだ。この、絶対成功するだろっていう瞬間をハチャメチャにぶち壊してくるベルラッティのランダム性が、私は狂おしいほどに愛おしく思う。この愛おしいランダム投入システムのすごいところは、美術館員が本物を当てられなくて失敗したとしても、誰も「自分が悪かったかも…」って思わなくていいところ。だってそれは贋作画家のベルラッティがたまたま素晴らしい絵を描いてきただけだからね。

そして3つ目が、『人間が何かと何かの関連性を考えるとき、何を見てどこが関連付いているとするのか』を肌で感じられるところ。このお題に対してこの人はどの絵画カードを出したのだろう、何が関連していると思っているんだろうって考える時間が最高の時間だし、逆に画家チームだったとき、こんな感性でこのカードを出したよって美術館員チームに当ててもらえたら、それは本当に快感なのだ。これの他にも関連性を紐付けるゲームに『適当なカンケイ』があるけど、このゲームも私は大好きだ。私は人が何を考えているのかを想像するのが好きだから、ベルラッティを遊ぶのがより一層楽しいのかもしれない。

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最後に

最後にとか言って特に何をまとめるとかはないんだけど、とにかくこんなにベルラッティっていうゲームが好きな人間がいるってことが誰かに伝わってたらいいなって思う。

ベルラッティは小箱で持ち運びやすいから、みんな私と遊んでくれよな!


明日はにゃーまるさんによる9日目の記事です。胸を打つボードゲームのお話か、はたまたリモートアナログゲームのお話か、どちらにしても楽しみです。

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