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猫カビ奮闘記(1)

こんにちは。突然ですが、

奥さん、カビです。

2月末に我が家にやって来た子猫のきーちゃん(出会いの記録はこちら)ですが、わずか2週間足らずで真菌(通称:猫カビ)による脱毛が始まってしまいました。

1日も早い完治を願って、経過を記してみたいと思います。

脱毛に気付くまで

我が家にやって来た初日から、怯えることも隠れることもなく、ごはんも何でも食べてトイレもして、元気いっぱいだったきーちゃん。

ワクチンは購入元のかかりつけで2回接種済みだったものの、3回接種が必要と考える獣医さんもいるとのことで、1週間ほど経ってお互いに慣れたところで近所の動物病院に連れて行った。

ここは先代猫のるーこもお世話になった病院で、獣医さんにお会いするのは一年半ぶり。

まずはワクチンの件を確認したら2回でOKと言われ、ひとまず安心。体重は1.1kgで、全身チェックも特に問題なしだった。

一応、まぶたが欠けていることも説明したのだが、購入元で言われたとおり、特に問題はないとのことだった。でも、その時に、なんとなく左のまぶたが黒っぽいような気がしたのだけど、獣医さんは特に何も言わなかったので、その日はそのまま帰って来た。

それからの1週間、きーちゃんの運動量は飛躍的に増えた。

朝からリビングを全力疾走したかと思えば、椅子を踏み台にしてキッチンカウンターによじ登ったり、子供机に飛び乗って息子の休校中の算数プリントを落として破いたり、窓枠にジャンプしてずり落ちたり、わたしのズボンに勝負を挑んで穴だらけにしたりしていた。

ごはんは一粒も残したことはなく、うんちもしっかりしていて、すこぶる元気だった。

でも、早食いのせいか、時々ゲップが出るのと、お腹がぽっこり膨らんでいるのが気になった。

まさか猫伝染性腹膜炎?(※とても怖い病気です)なんて思って、夜な夜なネットを徘徊しながら、仰向けでゴロゴロするきーちゃんのお腹を撫で回していたら、顎の下に傷のようなものがあるのを見つけた。

心がザワッとして、顔じゅうをチェックした。他に傷はなかったが、やっぱり左まぶたが少しだけ変色しているような気がした。先週よりもさらに範囲も広がっているように思える。

さらに、ついでに…と耳をめくったら、ボロッと大きな耳垢がこぼれてきた。

これは病院に行った方がいいんじゃないか?と思った。そして購入時に言われたことを思い出した。「体調に異変があったら病院にかかる前に連絡を下さい」。口頭ではそうとしか言われなかったが、契約書には「ただし緊急の場合は先に病院に行ってからの事後報告でも良い」と書かれていることをわたしは見逃していなかった。

夜のうちにまず購入元にきーちゃんの写真を送った。そして翌朝一番に動物病院に駆け込んだ。

獣医さんはまず顎を診た。

「これはいわゆる猫ニキビってやつです。猫ちゃんによって分泌液が多かったり少なかったりするので、繰り返す子もいれば全くならない子もいます。消毒すれば落ち着きますよ」

なんだ、これ傷じゃないのか。よかった。

次に耳。

「あーこれは耳のダニかなあ。お薬入れますね。1ヶ月くらいで虫は完全にいなくなりますから、顎と同じ消毒液でいいので、綿棒とかで毎日、中を拭ってあげて下さい」

やっぱり虫かあ…いくら垂れ耳とはいえ耳垢が大きすぎると思ったんだよね。はああ。

で、目の上は…

「うーん…これはねえ…まだ子猫なので。強い薬は使わない方がいいでしょう。とりあえず様子見で。もっと範囲が広がって酷くなるようならまた診せて下さい」

獣医さんは"これ"が何であるのかを明言しなかった。

でも、様子見で良いと言うし「子猫に強い薬は使えない」と言われたら、それはどうしようもない。

耳ダニ用のレボリューションを挿してもらい、消毒液(AP水:次亜塩素酸液を薄めたもの)をもらって帰宅すると、購入元から連絡があった。

「目の上の脱毛はカビです。子猫には薬を出したがらない獣医さんが多いですが、塗り薬を使った方が早く治ります。そんなに強い薬ではないので安心して下さい。すぐ送ります」

えっ、これカビなの?!

びっくりしたが、この時は「写真を見ただけでカビと断定できるのすごいなー。しかもすぐ薬を送ってくれるなんて親切!」としか思わなかった。

猫カビ(皮膚糸状菌症)とは

で、猫のカビって?

ざっくり言うと、人間の水虫のようなものらしい。

「猫カビ(皮膚糸状菌症)」を発症したらどうすればいい? 獣医師が解説します!-ねこのきもちWeb Magazine

猫カビ(皮膚糸状菌症)は、真菌というカビが、猫の毛や皮膚に付着し、増殖することで脱毛などの皮膚病を引き起こします。真菌(下写真参照)が付着すると栄養体である菌糸が増殖して被毛や角質に侵入することで感染が成立します。おもな症状は、脱毛。発症すると、顔周りの毛が円形に抜け、かゆがるような様子を見せることもあります。子猫や猫エイズキャリアの猫など、免疫力が弱い猫や、糖尿病や腎臓病などの基礎疾患があり抵抗力が落ちている猫がかかりやすい傾向に。ほかに長毛猫も発症しやすいよう。また、この病気は人にうつることもあります。人に感染すると腕の内側などに紅斑などができ、強いかゆみを生じます。

↑の記事では長毛種がかかりやすいと書かれているが、るーこは罹ったことはなかったと思う。きーちゃんは子猫で、おそらく免疫力が弱いから発症してしまったのだろう。

耳掃除や顎の消毒は全く嫌がらなかったきーちゃんだったが、購入元から送られてきた薬を塗る時だけは、しみるのかそもそも触られたくないのか、とにかく全力で嫌がった。

その日わたしは深夜まで猫カビについてネットを検索しまくった。

わかったことは大きく分けて以下の3点。

1. 命にかかわることはまずない。だが、とにかく長期戦。毛が生え始めるまで最低1ヶ月はかかる。長いと半年以上かかる場合もある。
2. 小さな子供や免疫の落ちている人にはうつる可能性がある。すごく痒い。肌が弱い人にうつると悪化しやすい。
3. 症状のある猫は可能ならば隔離が望ましい。隔離出来ない場合は、猫が触れたもの全て徹底的に消毒をした方が良い。布類は煮沸または次亜塩素酸液で浸け置き、もしくは廃棄。床やケージなどは毎日拭き取りを行う。

1はまあ仕方がない。2は自分以外の家族は全員アトピーなので大変に危険。そして3、隔離は無理。

まず自分がやれることは消毒だ。

戦いの始まり

わたしは早速ミルトン液(※これも次亜塩素酸液です)を作って、きーちゃんのケージからトイレと水入れを取り出し、ペットシートを捨てて全体を拭いた。そして猫砂を捨ててトイレを拭いて乾かし、水入れはミルトン液に漬けた。

綺麗になったトイレに新しい猫砂を入れ、濯いだ水入れに水を注いで、ケージに毛布はかけずにきーちゃんを中に入れて、自分の寝間着は新しいものに着替えて、寝た。

翌朝、またミルトン液を大量に作り、きーちゃんのキャリーバッグに敷いていたタオル、夜間や留守の時にケージに被せていた毛布、きーちゃんお気に入りのクッションとぬいぐるみ類、昨夜着替えた自分の服をまとめて洗濯機にぶち込んだ。

幸いにもお天気が良く、みんなすぐに乾いてくれた。

しばらくは毛布もぬいぐるみもタオルもクッションも何も使わない方が良いだろう。

「きーちゃんカビの病気になっちゃったみたいだから、抱っこはやめてね。あと、きーちゃんと遊ぶ時は使い捨て出来る紐とかを使って、遊んだ後はきーちゃんが触れないように玄関のゴミ箱に捨てること。そしてみんなは必ず手を洗ってね」と子供達にも話をした。

夜は子供達が寝てから床を消毒液で拭いた。

耳垢の方は、拭き取りを始めて数日でだいぶ少なくなってきた。

しかし、目の上は、良くなるどころか悪化しているように見えた。

わたしは不安になり始めていた。なかなか治らないこともそうだったが、また別の不安もあった。

獣医さんは薬を出さなかったのに、写真を見ただけの購入元が送ってきた薬を塗っていることだ。これは本当に大丈夫なのだろうか?と。

今後きーちゃんに何かあった時に頼れるのは獣医さんだ。購入元はずっと面倒を見てくれるわけではない。それに、獣医さんはとりあえず様子見で良いと言ったのに、やたらとスピーディな対応をしてきたことも引っかかっていた。

連日猫カビのことを検索しまくっていたわたしは、飼い猫が同じ症状になってしまった人達のブログを片っ端から読み漁った。

その中に「うちに連れてきて数日でこうなるなんて、あっちにいた時から発症していたとしか思えない。同じところにいた他の猫は無事だろうか?自分は徹底抗戦するつもりだ」という内容のものがあって衝撃を受けた。

他にも「ブリーダーから譲り受けたその日に脱毛を見つけて連絡したら、返金するから猫を返して下さいと言われ唖然とした。動物の命でお金を得ているのに酷い」みたいなものもあった。

なるほど、はじめからカビだと知っていながら譲渡するところもあるのか。

購入元がすぐにカビと断定して薬を送ってきたのも、もともとわかっていたのだとすれば合点が行く。

でも。

本当にただの親切心だったのかもしれない。人を疑うのは簡単だ。

自分がやるべきことはクレームをつけることではない。きーちゃんを治すためにやれることをやるしかない。

わたしは再び動物病院にきーちゃんを連れて行った。

きーちゃんの脱毛がまた明らかに広がっていたからだ。

投薬開始

わたしは獣医さんに正直に事情を話した。

きーちゃんの症状はやはり悪化しており、しっかり治療した方が良いので内服を始めましょうとのことだった。

購入元から送られてきた塗り薬は中止することになった。

きーちゃんは1.5kgに成長していた。

内服薬は、錠剤を割ったもので、1日2回、フードに混ぜて与えて下さいとのことだった。

きーちゃんのごはんはドライフードをメインにしていたが、ウェットフードに混ぜた方が食べさせやすいと言われた。

その晩、SNSにウダウダと愚痴を投稿したら「薬はすりつぶしてちゅーるに混ぜると良いよ!」とコメントをもらった。なるほど。

翌日、子猫用のちゅーるを買って帰り、早速きーちゃんにあげてみた。

きーちゃんは食べるのがとにかく早い。

あっという間に食べ終えた皿を見てみると、ちゅーるに混ぜた粉状の薬の塊が、端っこに追いやられて残っていた。

だめだこりゃ。

翌朝は、いつものドライフードの上に猫缶を1/2缶分のせて、その中に錠剤を1/4に割ったものをそのまま混ぜ込んでみた。

猫缶は若干こびりついて残っていたが、薬は綺麗になくなっていた。

よし、これでいこう。

猫缶はドライフードの何倍もの費用がかかるのが非常に痛いが、そんなことは言っていられない。

とりあえず、まずは1ヶ月。

頑張ろうね、きーちゃん。

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(痛々しいので小さい画像で…)

もしも万が一サポートを頂けたら、猫のごはんやおもちゃを買います!そしてレビューを書きます!もしくは、生活が元に戻ったら双子と女子旅をしたいので、旅先でへんなものを買ってその記事を書きま(文字数)