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我が家のラン活 -息子の時を振り返る-
こんにちは。もう3月も終わりですね。
ラン活、してますか。
対象年齢のお子さんがいない人にとっては耳慣れない言葉かと思いますが、ラン活とは、ランドセル(を買う為の下調べ等の)活動(というと大袈裟ですが)のことです。
ラン活とは小学校入学を控えたお子さまのママなどが、ランドセルを購入するために行う活動のことです。「ラン活って、お店に行ってランドセルを買うだけでしょ?」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかしラン活は事前準備が必須!ランドセル選びに失敗しても買いなおしが難しいので、事前準備はしっかりなさってください。最近ではランドセルの種類も豊富でたくさん選択肢があり、たくさんの中からお子さまに合ったランドセルを選ぶこともたいへんです。正しいラン活を行うことで、満足のいくランドセル選びが実現できるのです!
わたしは約4年前までこの言葉を知らず、聞いた時の第一声は、うわあなんかめんどくさそう、でした。
ランドセルごときに気合い入りすぎ。ランドセルメーカーに踊らされすぎ。シューカツとかホカツみたいに略せばいいってもんじゃない。流行りに乗せられてるみたいでバカらしい。ランドセルなんてその辺でテキトーに買えばいいやん(超早口)
正直、そんな印象でした。
しかしながら、上記にもある通り(転校などの特別な事情を除き)ランドセルを買い直す子供ってほぼ居ない。
つまり、その子にとっては一生に一度の買い物であり、近年はランドセルの種類もめちゃくちゃ多いことから、納得のいくものを選べるように少しは下調べしておいた方が多分後悔しないゼ!という、ただソレダケの話だったのです。
大丈夫、こわくない。
というわけで、これから本番を迎える双子のラン活の前に、息子のラン活(4年前)を振り返ってみたいと思います。
(長いです)
”ランドセル”を知らなかった母と子
わたしがラン活という言葉を知ったきっかけは、息子がもうすぐ年長さんになろうという4年前の2月下旬、保育園のお手紙入れの中に折り込まれていた「ランドセル展示会のご案内」という一冊のカタログだった。
まだ年長さんにもなっていないのにランドセル?!
びっくりしたわたしは、頼れる先輩ママ友(上にお子さんが2人いる)に探りを入れた。
「ラン活って知らない?最近はランドセルをゴールデンウィーク前に買っちゃう人も多いんだよ。人気ある店だと5月とかで売り切れちゃうし。うちは土屋で買う予定だよ」
えええ5月ってもうすぐじゃないか。そしてラン活とは…土屋とは…
実は、わたしはランドセルを使ったことがなかった。
ずっと学校指定のカバンが配布されるのが普通だと思っていた。でも、テレビで見るのは”ランドセル”という硬そうな箱型のものばかり…。わたしは子供の頃、あれが国内標準の小学生の通学カバンだとは知らなかったのだ。
いま住んでいるところは、もちろん、ランドセルが標準の地域である。
しかし、入学までに間に合えば良いんだし、きっとみんな秋頃に買うのだろう…とわたしは勝手に思い込んでいた。だから、5月と言われてかなり面食らった。
いや、まず、ランドセルってどこで買うの?わたしは俄かに焦った。
息子に「ランドセルどれにする?とか、どこに買いに行く?とか、お友達と話したりしてる?」と訊いてみた。
「ランロセルってなに」
ですよね…教えたことないもんね。
これは夫の力を借りるしかない。でも、夫は絶対に焦らない男なので、急いで決めないと!みたいな雰囲気だとめんどくさがって何でも良いとか言うしれない。
まずは自分で調べてみるか…
なかなかに深い沼だとはその時は知る由もなかった。
ラン活という沼
子供の頃にテレビで見た男の子のランドセルは、黒いシンプルなものだった。しかし”ランドセル 男の子"のネット検索結果に表示された画像たちは、黒、青、紺、茶色、銀色、と色とりどりで、ロゴが大きく入ったもの等もあり、実にバラエティに富んでいた。
そういえば…と思い出し、保育園でもらったカタログを開く。
そこには"オーダーメイド"のランドセルが載っており、ふたやサイドに刺繍を入れたり、内布が選べたり、本体とフチや背中部分の色を変えたコンビネーションカラーなど、大量のバリエーションがあった。
たった一社だけでもこんなに種類があるのか!
これは大変なことになりそうだと思った。
こんなに時間も手間もかかりそうなことの大まかな締切すら把握せずにいたなんて。
どれを買うかも大事だが、いつまで買えるのかを把握しないといけない。買いたくても買えなくなってしまう。
わたしは各社の販売時期を調べることにした。
まず”土屋 ランドセル”で検索をかけた。
すると、見覚えのあるテキスタイルが目に飛び込んで来た。以前から生地を集めていたお気にりのデザイナーさんが土屋鞄とコラボしていたのだ。
おおお!これは!!!
テンションの上がったわたしは、早速、商品紹介ページへのリンクをクリックした。
工房系とかいう括り
最初にググった検索結果の中に、いわゆるランドセル情報のまとめ記事のようなものが幾つかあった。
それらを読んで知ったのは、ランドセルには工房系と呼ばれる派閥のようなものが存在するということだった。
派閥というと語弊があるかもしれない。端的に言えば、職人が手作りする少数生産のランドセルのことを指す言葉なのだが、この「工房系」をゴリ押しするまとめ記事がある一方で、「工房系」のデメリット情報やアンチ的な意見を連ねた記事も存在し、両者を同等に紹介するものはあまり見つけられなかった。
”早くに売り切れる人気のランドセル”というのは「工房系」のことだろう。まとめ記事にも”販売開始が早く(※当時は概ね4月)早々に売り切れる可能性がある”と書かれていた。
対義語は「量販系」とでもいうのだろうか。テレビCMでよく耳にする、馴染みのブランドたちだ。
ママ友が言っていた”土屋”は、「工房系」の代名詞と言われる土屋鞄のことだった。
唐突だが、わたしは、いわゆる意識の低い人間である。日頃から冷凍食品にもスーパーのお惣菜にもガンガン頼っているし、かつて双子の離乳食に米粉をお湯でといたおかゆを常用していた、そんなダメ母なのである。
土屋鞄のサイトを初めて訪れたわたしは、大きなため息をついた。
打ちっ放しの壁にぬくもりのある木の床、そこに曖昧に並べられたランドセル、朴訥なフォントで綴られるポエムのような商品紹介。着用イメージ画像には、めっちゃ意識高そうで丁寧な暮らしをしていそうな、家具や子供服をDIYしてナチュラルな雰囲気の写真スタジオで毎年記念撮影していそうな、そんな親子ばかりが映っていた(ド偏見)
軽快なテーマソングに親しみやすいタレントさんを起用した賑やかなCMとは真逆の、”選ばれし者だけが敷居を跨げる”感の強さ…
こ、怖い…
それにどうせお高いんでしょう?
CMでおなじみの某男の子向けモデルは当時で6万円前後だった。が、ランドセルの平均価格を知らなかったわたしは、土屋鞄は絶対もっと高いんだろうな〜と思った。
しかし、怖いもの見たさで調べてみると、価格帯はほぼほぼ同じだった。
他の「工房系」と言われるブランドも調べてみたが、土屋が若干高めではあるものの、概ね同じような値段設定で、CMで聞くブランドたちとほとんど差はなかった。
一方、有名スポーツブランドや所謂”デパート系”のアパレルブランドのものは価格帯が少し上で、伊勢丹オンライン等に並ぶ華やかなランドセルたちは「工房系」ともまた一線を画す世界観があった。
しかし、伊勢丹には「工房系」とされる大峡製鞄や五十嵐製作所のランドセルも並んでおり、さらにCMでおなじみのブランドの展示会もやっているらしい。
もしかして、デパートに行けば全てのジャンル(?)のランドセルが見られるのでは?
そうだ、デパートに行こう!
ランドセル巡り計画
すっかりランドセルに興味津々となったわたしだったが、各社の展示会はまだ始まっていなかった。
まずは片っ端からカタログ請求をした。
大量のカタログを見比べてわかったことは、やはり、一部の商品を除いて、価格帯にはそれほど差がないということだった。
「工房系」には大抵コードバンという馬のお尻の革を使った高額商品のラインナップがあり、他にもヌメ革や限定生産の特殊な生地を使ったものもあって、それらは確かに目玉が飛び出そうなお値段だった。「工房系」がお高いイメージで見られているのは、こういった一部の商品のせいなのかもしれない。
夫にもカタログを見せて意見をきいた。持ち物にこだわりのある夫は「工房系」が気に入った様子だった。
夫は、真剣な顔つきで土屋鞄のカタログをめくりながら
「これめっちゃ良い紙使ってんね?表紙の印刷も特殊インクじゃない?」
などと斜め上のことを言っていたが…。
夫婦で色々話した結果、見に行くブランドをある程度絞り込むことにした。
多数のランドセルが展示される伊勢丹は、新宿や銀座や日本橋に店舗がある。銀座には、鞄工房山本、池田屋、黒川鞄工房などが集っているので、行くなら銀座店が良いのではないかということになった。
そして、土屋鞄は舎人ライナーの沿線に工房があり、同じ沿線に中村鞄があるので、2パターンを別日程で回ろうと決めた。
よし、ランドセルツアーだ。
息子の希望
親が勝手にあれこれ計画しているとは露知らず、息子は、お友達と近所のランドセル展示会に一緒に行く約束をしていた。
正直その展示会にはあまり興味はなかったが、息子の希望なので行ってみることにした。
場内は、お互いに顔を見知った近所の親子たちで溢れ返っていた。
この頃のランドセル選びのポイントとして「A4フラットファイル」対応の有無というのがあった。今では対応しているのが当たり前となっているが、当時は、土屋鞄をはじめ非対応のブランドも多かった。
その日の展示会に出ていたランドセルは、いずれも「A4フラットファイル」対応のものだった。
そういえばうちの小学校って「A4フラットファイル」は使うのだろうか…
そんなことを考えながらぼーっと展示を眺めていたら、例のママ友に遭遇した。これ幸いと「A4フラットファイル」の件を確認したら、ママ友曰く息子の通う予定の小学校では「A4フラットファイル」は使わないとのことだった。
ママ友に、土屋に決めた理由をたずねてみた。
「うちは上の子が土屋で、お揃いが良いって言うから、それだけだよ。ハルカんちの息子君はどれが良いって言ってるの?」
…そうだ、肝心なことを忘れていた。息子はどんなランドセルが欲しいんだろう。
改めて息子と一緒に展示会場を回りながら、どれが気に入った?と訊いてみた。
「ぼくは黒がいい。でも、黒にちょっとだけ青が入ってるともっといいかな。でも(ここには)ないんだよね」
黒に青か…
息子にそんなにハッキリしたイメージがあるとは思っていなかったのでちょっと驚いた。と同時に、まず最初に息子の意思を確認しなかったことを心の中で詫びた。
ランドセル決定…そして今
結論から言うと、息子のランドセルは、土屋鞄にあった、わたしが好きなテキスタイルデザイナーさんとのコラボのものに決めた。
親としては、通学路が比較的長いことを踏まえ軽量のクラリーノが第一希望だった。そして、息子の希望である”黒にちょっと青”というデザインのランドセルは、ありそうでなかなか無かった。
土屋のものはクラリーノだがA4フラットファイル非対応で小さめ、他社のものはA4フラットファイル対応かつ本革ゆえに500g以上も重く、しかも、我が家が決めきれずに迷っているうちに、あっという間に売り切れてしまった。
息子の希望と親の希望の両方をなるべく満たし、且つまだ売り切れていないランドセルとなると、選択肢はひとつしか残らなかった。
決定した時も届いた時も息子は喜んでくれたし、入学式で同じランドセルを背負っている子もいなかったので親としても子供を見つけやすく、いやあラン活頑張って良かったなーと思った。
A4フラットファイル非対応で小さめの作りであることは引っかかっていたが、どうにかなるだろうと思っていたし、実際、どうにかなっていた。
…2年生になるまでは。
2年生の春を過ぎた頃から、学校に持っていく荷物が飛躍的に増え、「僕のランドセル小さいよ!他の子のランドセルはあれもこれも入るのに僕のには入らない!」とたびたび息子がキレるようになった。
今でこそ彼も諦めて手提げ等でやりくりしてくれているが、「ランドセル選び、失敗したなー」という気持ちがお互いにあるのは否めない。
めちゃくちゃ体力のある息子には通学路どうのなんて結局あんまり関係なかったし、多少重くてもA4フラットファイル対応のやつにしていた方が良かったんだろうなあと今では思っている。
とはいえ、買い直すことが出来ないのはお互いにわかっているので…
息子には適度に愚痴をこぼしてもらいつつ、でっかい手提げカバンやランドセルの上から背負える体操服袋などを手作りして、出来る限り負担を小さくしてあげられれば…と。
もう小学生も半分折り返しだし。頑張れ息子!
双子の時は絶対失敗しないぞ…(ごめん息子…)
もしも万が一サポートを頂けたら、猫のごはんやおもちゃを買います!そしてレビューを書きます!もしくは、生活が元に戻ったら双子と女子旅をしたいので、旅先でへんなものを買ってその記事を書きま(文字数)