褒められないとダメな気がする

昔から褒められることが多かった。これは自慢話のように聴こえるかもしれないが、自分にとって致命的な心の弱さを生み出すきっかけにもなったように思う。

傲慢なことかもしれないが、自分は「褒められていないとダメ」だと思いがちな節がある。

人から褒められると、嬉しいというのもあるが、どちらかといえば、「安心」という感情の方が大きい。褒められてようやく、人からの評価の最低ラインを超えたような感覚だ。

何かを成し遂げる度に、「すごい」とか「よくできた」とか言ってもらわないと不安になる。

一言でも何かを指摘されると、「自分はできないやつだ」と思ってしまったり、「次この人の前にどんな顔をして出れば良いのか」とかまで考えてしまうことがある。また、可もなく不可もなくみたいな反応でも、無性に自分の無力さを感じてしまう。

我ながらプライドが高い。

働き始めてから自分のこういう部分が足を引っ張っている気がする。ほんのちょっとのミスほど引きずってしまうし、「皆の前に顔向けできない」と思ってしまってつらくなる。

こういう性格だと、相手に自分を褒めさせるよう誘導するような接し方をしていないか不安になる。自分の良いところばかりを見せようとしてしまうし、もっと言えば相手を支配するようなことを知らず知らずのうちにしているかもしれない。

なぜこうなったのかは分からない。
ただ、なんとなく、褒められることで人との繋がりを得てきた、という実感をどこかで身につけてしまったように思う。

これ、何が危険かと言うと、下手をすると、自分を褒めてくれる人としか繋がろうとしなくなる。もっと言うと、ちょっとでも自分の気に障ることを言う人がいたら、その人のことをすぐに恐れてしまう。でも、この世の中、自分を褒めない人なんて山ほどいるし、そういう人との付き合いも大切だと思う。

何より自分にも負担がかかる。褒められるような生き方や振る舞いをしなければならない、という強迫観念に縛られることにもなる。

昔と比べたら、少しはその執着が薄れてきたようにも思う。特段褒められなくても、自分に誇りを持って人と向き合えるようになりたい。

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