メンバーの個人活動紹介 Vol.3 〜ひと粒で何度もオイシイ「ソーシャルPM手法」

初めまして。ソーシャルPM研究会のK.Oと申します。
この記事では、私個人の活動をご紹介します。
ソーシャル PM 研究会の活動が個人の活動に役に立ったことなども、ご紹介できればと思います。

【目次】
1.始まりはボランティア活動
2.ソーシャル PM 研究会との出会い
3.プロボノ活動
4.新規事業
5.さいごに

1.始まりはボランティア活動

私は、2012年から、「すみだストリートジャズフェスティバル」というイベントのボランティアを始めました。
毎年8月の土日に墨田区の錦糸公園で開催するイベントで、出演バンド約300、参加ボランティアのべ500人、来場者は約10万人という、けっこう大規模なお祭りです。実行委員会はその2日間のために1年かけて準備をします。
別に「地域に貢献しよう」とか高尚なことを考えたわけではないのですが、活動のあとにボランティア仲間と飲みにいくのが楽しいとか、募金あつめで大声を出すのがキモチイイとか、そんな理由でも、なんだかんだ続いてしまうものです。
いいオトナになって、地元に友達ができるって、すごく貴重な機会です。いわゆる「サードプレイス」。その頃はそんな言葉は知らなかったのですが。

何年か続けるうちに、楽しいばかりでもなく、悩みももつようになりました。
運営委員会、もっと効率よく進められないかなぁ。
運営資金もっと集められないかなぁ。
そうだ、うちの会社、協賛金だしてくれないかしら。
そのためには、すみジャズの素晴らしさをアピールする資料つくらなきゃ。
でも、うまく説明できないなぁ。パワーポイントで資料つくるの苦手だなぁ。
・・・など。
そんなことを考えて、調べ物をしていたときに、ソーシャルPM実践ワークショップのことを知りました。

2.ソーシャル PM 研究会との出会い

そんなきっかけで、ソーシャル PM 実践ワークショップに参加しました。
6回シリーズのワークショップで、
・ソーシャルデザイン思考
・ソーシャルベネフィットマネジメント
・ソーシャルステークホルダーマネジメント
・ソーシャルポートフォリオマネジメント
・ソーシャルアジャイルマネジメント
・ソーシャルビジネスモデルデザイン
を学ぶワークショップ。そのうち3回くらいしか参加はしていないのですが、教わったことをもとに「会社からすみジャズに協賛金を出してもらうための提案書」を作成し、CSR担当の人に送ってみました。
面識もない社員からいきなり提案書を送りつけられたCSR担当者さんはビックリしたと思うのですが、時間をつくって話をきいてくれました。
残念ながら、協賛金についてはオトナの事情(?)で却下されてしまったのですが、資料の内容については、お褒めの言葉をいただきました。ここで、ソーシャルPM研究会で学んだことは、企業のCSR担当者を唸らせるほど、充実した確かな内容なんだと確信することができました。

そして、ワークショップに参加するだけでなく、自分も入会することを決めました。なぜなら、入会すれば、自分が参加していない回の資料もみられるから!・・・そんな不純(?)な動機でした。
最初のころは会員が少なかったので、ワークショップ講師を担当したり、PMIJフェスタのワークショップ講師も経験することができました。
・・・すっごく大変だったんですけど、ワークショップ講師の経験は、仕事にもすごーく役に立っています。

3.プロボノ活動

私が入会した後も、研究会には次々に新しい人が入会してきて、活動内容も増えていきました。
皆さん、さすがにプロジェクトマネジメントの専門家だけあって、バイタリティあふれる、活動範囲や人脈の広い人が多いなぁ、という印象です。それぞれの個人活動についてお話をきく機会も増えました。

そんな中で、紹介してもらったのがきっかけで、「プロボノ活動」に出会いました。
サービスグラントという団体の「東京ホームタウンプロジェクト」に応募し、「東中野キングスガーデン(オレンジカフェとんぼ)」のプロジェクトに参加することになりました。
このときのプロジェクトは、「オレンジカフェとんぼ」のユーザーにとってのあり方や地域との関係といった課題に対する今後の方針を決めるための「マーケティング基礎調査」。
システム開発ばっかりでマーケティングなんてやったことがない私に、そんなプロジェクトのPMがつとまるんだろうか、と思っていましたが、マーケター、アナリストといった役割の人はちゃんといたので、その人たちが動きやすいようにするのが私の役割なんだ、と思って、プロジェクトマネジメントでいつもやっていること、スケジュール調整やファシリテーションといったところでお役に立てるように、と思って参加しました。
「猫の手」としての「ボランティア活動」ではなく、専門スキルを活かしたボランティア活動といったらよいのでしょうか。仕事で身に着けたスキルが活かせて、他業界の人からも学ぶことができる「プロボノ活動」は、とても刺激が多く、やりがいがあるものでした。
一方で、仕事をしながらのプロボノ活動は、時間を確保するのが難しく、また急な残業があるとミーティングに参加できなくてメンバーに迷惑をかけてしまったこともあり、その後まだチャレンジできずにいます。
せめて、と思って、ご縁のあった「オレンジカフェとんぼ」で、ボランティア活動をすることにしました。
東中野キングスガーデンは、とても居心地がよくて、大好きな場所です。
ボランティアといっても、毎月2回、「東中野キングスガーデン」で開催されるオレンジカフェにお邪魔して、いっしょにイベントを楽しんだり、お茶を飲みながらおしゃべりをしたり、その様子をFacebookに投稿したり、といった感じで、お役に立てているのかどうかは疑問なのですが。。。
「ともに過ごしてくださることがボランティアです」とありがたいお言葉をいただいて、せめてSNS担当として広報がんばるぞ!と思っていました。
ところが、昨年からのコロナ禍で、オレンジカフェも中断したまま。今いちばん再開したい活動です。早くワクチンが行きわたって、小規模にでもまた再開できますように。

4.新規事業

さて、ソーシャルPM研究会の活動は、研究から普及へと軸足を移しつつあります(と私にはみえます)。私たちの研究テーマの一つだった「CSV」も、「SDGs」の普及とともに、「ああ、カンマ区切りの・・・」なんて言われない、一般的な言葉になりました。
普及の方法も、ワークショップだけでなく、内閣府「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」 の「SDGsスタートアップ研究分科会」の活動として、企業に対してワークショップを提供したり、実際の事業に適用したり、といったところまで発展しています。

私の会社でも、「社会課題解決」「SDGs」の考え方が浸透してきています。
数年前から、新規事業コンテストのようなものを社内で開催するようになりました。募集は年1回、書類審査とピッチ審査を通過すると、半年の期間と500万円の予算が与えられ、事業化に向けた活動に専任できる、という制度です。
せっかく「社会課題を解決するプロジェクトの立ち上げ方、運営の仕方」を学んだのだから、チャレンジしてみよう!と思い、応募してみた結果、書類審査とピッチ審査を通過することができました。
ここでも、ソーシャルPM研究会で学んだことが役に立ちました。

1つは、アイデア創出やリーンキャンバス作成。
社内の研修は受けられなかったのですが、ソーシャルPM研究会で学習&経験していたので、問題なくエントリーできました。

もう1つは、ピッチ本番。直前まで緊張して、控室とトイレをウロウロ往復していたのですが、そういえばワークショップ講師やフォーラム発表などでさんざん人前で話す経験はしてきたんだっけ、と我に返り(?)、少し自信を取り戻して、落ち着いて話すことができました。
(後で録画を見直したら、むしろ態度デカかったんじゃないかと思ったくらい)

また、以下の手法は事業を企画するときに使うことができました。
・リーンキャンバス~コンセプト~
・バリュープロポジションキャンバス~リーンキャンバスの補助資料~
・カスタマージャーニーマップ~ユーザーのペインポイントの抽出~
・ロジックモデル~組織の目標やミッションとのすりあわせ~
・欲求連鎖分析~ステークホルダーの探索~

一方で、合わなかった手法もあります。
・ビジネスモデルデザインの手法は企業内起業でが求められるもの(財務)をカバーしきれていない
・ポートフォリオマネジメントはまだ必要なかった/レイヤーが違った
もっとも、これは私がうまく使いこなせなかっただけなのかもしれません。

さらに、「ソーシャルPM手法に含まれていないけど有益だったもの」をいくつか発見しました。
1つは、ストーリーボード。
製品・サービスを通してユーザーがどのような体験をするのかを、ユーザー視点のストーリーとして描写したものです。
企画の初期に、ユーザーインタビューのインプット/アウトプットとして作成し、UXイメージをつくりあげるのに有効でした。
参考:https://esaura.jp/ux-blog/what-is-storyboarding

そしてもう1つは、ピクト図解。
誰が(Who)誰に(Whom)何を(What)いくらで(How much)の「3W1H」に着目し、経営者の視点でビジネスモデルをデザイン(設計・創造)する方法論です。
リーンキャンバスの「収益の流れ」「コスト構造」のインプットとして作成しました。
絵ゴコロ不要で描きやすく、共通理解をつくりやすいと感じました。
参考:http://pictozukai.jp/

これらをソーシャルPMに取り入れられないか、考えてみたいと(個人的に)思っています。

5.さいごに

このように、ソーシャルPM研究会の活動は、楽しく学べて、仕事や個人の活動などいろいろな場面で役に立つ、ひと粒で何度もオイシイ活動です。
NPOなどの運営に役立てたい方、また新規事業企画に役立てたい方、ぜひワークショップにご参加ください。
そして、研究会への参加に興味をもっていただけましたら幸いです。


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