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ミレニアル世代の「家族」を取り巻く課題に対する政策提言#ミレニアル政策ペーパー 第2弾を公表。「昭和平成の家族モデルを超えた、多様な幸せを支える社会のかたち」

一般社団法人Public Meets Innovation(以下PMI)は、2021年4月7日にリリースした、ミレニアル世代による政策ペーパー「昭和平成の家族モデルを超えた、多様な幸せを支える社会のかたち」から一年、新たな政策提言「家族イノベーション」第二弾を公表いたします。

内閣府の「男女共同参画白書」にて結婚や家族の在り方が多様化しているとして、男女の賃金格差の解消など幅広い分野で制度や政策を点検し、見直していく必要があると指摘していたり、東京都で東京都パートナーシップ条例が成立したり、「こども家庭庁」設置法が成立したりと家族に関わる政策が注目されている中で、PMIとしても、ミレニアル政策ペーパー「家族イノベーション」第一弾をリリースしてから一年、内外問わず、様々な団体と議論を重ねていき、新たな提言も加えて、家族に関する提言をまとめていきました。

1.ミレニアル政策ペーパー概要

PMIは、次の50年の当事者であるミレニアル世代を中心とした国家公務員、弁護士、ロビイストらが、各業界のイノベーターらと協働し、社会のイノベーションを目指していく官民コミュニティです。正解のない時代の道しるべとなる思想・価値観を提示するとともに、ひとりひとりがその実現に向けた主役となれるよう、政策、テクノロジー、文化・社会規範といったルールの在り方を一緒に考え、世の中に発信していくことを通じて、未来へとつながる「今」を変えていくことを目的としています。

こうした目的の達成のため、PMIでは、ミレニアル世代が感じる社会への違和感から未来のあるべき姿を提示し、政策、テクノロジー、文化・社会規範の3つの視点から、現在求められているアクションや視点をまとめた「ミレニアル政策ペーパー」を定期的に発行することとし、第一弾のテーマを「家族」とし、ミレニアル政策ペーパー 第一弾「家族イノベーション」を昨年リリースしました。

2.ミレニアル政策ペーパー「昭和平成の家族モデルを超えた、多様な幸せを支える社会のかたち」政策への提言について

ミレニアル政策ペーパーのリリースから一年が経過した今も、関係者の努力にもかかわらず、大きく社会が変化したようには見えない状況です。いまだに選択的夫婦別姓も同性婚も認められておらず、新型コロナウイルス感染拡大に伴い外出自粛や休業が続くなか、生活不安・ストレスによる配偶者等からのDVも深刻化が続いています。

また、昨年度決定された18歳以下を対象とした現金給付及びクーポン付与等では、家族の状況によって支援の対象となる者が確実に受け取ることができない事態が想定されるなど、家族の多様性・複雑性に十分配慮する仕組みの必要性が指摘されました。

このような家族に対する閉塞感を打ち破るための鍵は何なのか。どのように制度を変えれば、より生きやすい社会に繋がるのだろうか。本ペーパーは、ミレニアル政策ペーパーで示した今後の家族を考えるうえでの二つの方向性である「社会のために存在する家族から、『家族』のために存在する社会へ」「『普通の家族』というスタンダードがない状態をスタンダードに」を軸に、有識者の意見も聞きながら、家族のアップデートのためのポイントをまとめました。

現在「こども家庭庁」の設立について議論されているが、家族は関係する省庁が一体となって議論を進めていく必要がある。家族ペーパー及び本提言は、縦割りにされた機能ではなく、あくまで家族のあるべき姿を統合的に描いたうえで、そこから必要とされるアクションを導いた。本提言が、今後こども家庭庁等での議論の参考にもなることを期待しています。

全文はこちらからダウンロード
https://drive.google.com/file/d/1bUAav9HdAtqR32WHaM2k6IzVtCexyGj9/view?usp=sharing

3.ミレニアル政策ペーパー「昭和平成の家族モデルを超えた、多様な幸せを支える社会のかたち」政策への提言概要

Perspective.1
社会のために存在する家族から、「家族」のために存在する社会へ

これまでの社会では、仕組みの中に家族を否応なく組み込み、家族がある程度役割を果たすことを前提に成り立つ社会システムを構築していた。しかし、社会構造が変化するなか、家族はその負担に耐えられなくなっている。

「社会を支える家族」から「社会が支える家族」へと、家族のあり方をドラスティックに変えていくことは、人びとと家族の関係を新たに作っていくうえで、死活的に重要なことだと思われる。

1.1「ミルフィーユ状の福祉構造」で家族を支える
1.2 「子どもの権利」を最優先に考える
1.3 人と人をつなぐプラットフォームをつく
1.4 多様な選択肢づくりを意識する

Perspective.2
「普通の家族」というスタンダードがない状態をスタンダードに

「普通」というカテゴリーはなかなかにやっかいだ。なぜなら、普通というカテゴリーが存在する限り、理屈上は「普通」ではない人びとが生まれてしまうからである。しかも多くの場合、「普通」ではない人びとは、「普通」の人びとと同じレベルで権利と利益を享受することができない。人びとは、伝統的な家族像でも、これまでにない新たな家族像でも、一人ひとりが自分にとって理想的な家族の形を実現でき、その選択によって批判されたり不利な扱いを受けたりすることがないようにしていく必要がある。

多様な家族の実現を目指していくことができるか否かは、このカテゴライズをどう突破できるか、どうカテゴライズをなくしていくことができるかにかかっている。

1.1 法律上の家族の範囲を拡大する
1.2 家族になることの義務と権利を見直していく

4. 解説動画のご案内

ミレニアル政策ペーパー 第2弾の発表に合わせて、後日、解説動画の配信を行います。
詳細につきましては、改めてお伝えさせていただきます。

5. ミレニアル政策ペーパー 第一弾「家族イノベーション」について

今日、テクノロジー、経済・文化の急速な進化・グローバル化が進む中、個人の働き方やライフスタイルを含む生き方の選択肢は過去になく多様化しています。こうした中、私たちは、特にイノベーションが進んでいない分野として、家族のあり方に注目するようになりました。

家族は、それを取り巻く社会変化の大きさに比べて、テクノロジーやルール、規範のアップデートが十分に進んできたとは言えません。この結果、「戦後の日本が象徴として描いてきた ”家族のかたち”と、個人が求める幸福の形とのズレが生じている」という点に、私たちは問題意識を感じています。

本ペーパーでは、9つの観点からこれまで家族が担ってきた役割を整理し、それらの変化をたどるとともに、戦後から続いてきた昭和平成の家族のモデルを再定義し、一人一人が自分らしい生き方を選択できるためにどういった視点が必要か、政策、テクノロジー、文化・社会規範の3つの切り口から検討しています。

全文はこちら
本文(ホワイトペーパー)
下記よりダウンロード

https://pmi.or.jp/thinktank/millennial_paper/family/white_paper.pdf

本編スライド
下記よりダウンロード

https://pmi.or.jp/thinktank/millennial_paper/family/slide.pdf

PMI Thinktankについて

PMI Thinktankは、未来を生きる世代として、現代社会の現実や本質を見抜き、思想・価値観を提示するとともに、ひとりひとりがその実現に向けた主役となれるよう、政策、テクノロジー、文化・社会規範といったルールの在り方を立場を超えてともに考え、あらゆる境界線を溶かしながら、「今」を変えていくための視点を問いかけていきます。

PMI Thinktank HP:https://pmi.or.jp/thinktank/

PMIについて

未来社会を担うミレニアル世代の国家公務員、弁護士、政策従事者等のパブリック人材が、スタートアップや研究・教育機関と協働し、セクターを超えて社会ビジョンを構想し、世の中に問いかけていくシンクタンク。併せて、新たなルールメイキングの担い手(官僚・弁護士)の育成コミュニティ事業等も実施。

【団体概要】
名称:一般社団法人Public Meets Innovation
代表理事:石山アンジュ
設立日:2018年10月1日
住所:東京都渋谷区

【公式HP】
公式HP:https://pmi.or.jp/

【お問い合わせ先】
メールアドレス:info@pmi.or.jp

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