OL(おっさんずラブ)とCN(君の名前で僕を呼んで)

私が先に落ちたのはCNであった。
「久々の感動。」私が見に行く前に勧めた友は既に6回劇場に足を運んでいる。私は2回止まりである。
何故、2回で終わったか、それはOLのせいである。
CNは素晴らしい作品でアカデミー賞にもノミネートされた。
イントロが始まった瞬間から、私はイタリアに瞬間移動する。
そして、イタリアの青い、空高くから、エリオとオリヴァーの
人生で1度の、光輝く恋にウットリし、感動し、最後は涙する。
心が綺麗な水で洗い流され「清々しく」、そして、しっとりと「痛む」映画である。
音楽がまた素晴らしい。今でもイントロを聞いただけで涙が流れる。
かたや、その私の「美しい感動」を瞬く間に奪い去ったOLはどうか?
久々にテレビの前で正座し、阪神戦を見るかのようにハチマキをし(しませんが)春田と牧の隣に座っている勢いで、
「おい、春田!何考えてんねん!ふざけんなよ!ちゃうやろ!」と突っ込み
「牧く~~ん。良い子よね~でも、もっと素直にね~」と肩を叩く。
完璧に世話好きの近所のうざいオバハン状態である。
春田と牧は、遠い存在では無く、息子や職場の同僚のような存在である。
確かに二人の様なルックスの男子は現実には居なくても、私にとって彼らは身近な存在なのである。
イタリアで無く、自然あふれる美しい風景が無くても、お洒落な別荘で無くても、全く、全く(2度言います)知的で無くても、
「共感」程、日本人が惹かれる物は無いのです。
CNは、真逆で、2時間、イタリア旅行している感じですか?ある意味お得。
このOLとCNを同時期に体験できた事は、神様が私に今まで頑張って来た事のご褒美を下さったと思う程、この2カ月間、心が震えた。
この2作品で共通する点は「恋する事の尊さ」かと思う。
結末は真逆だが、どちらも「恋する事は素晴らしい。たとえそれが短い間であったとしても、一生それを心の大事な場所にしまい。時々そっと出して”ズキッ”とし、それがあるから生きていける」
図らずとも、牧が部長に凄んで言った「長さより、深さだと思いますけど~~~?」
が共通する点である。

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