プロマネ亭コラム#4

見積リが高いと言われないために
 たとえ簡単な仕様であったとしても、議事録などを要求仕様書の代わりにしても不思議に思わない発注担当者や受注側担当者がいます。これらの行為からみえることは、今から作ろうとしている製品やそれに要するコストや時間に関して、全くの他人事的な姿勢です。個人で車や家を購入する場合に、このような雑な行動は決してしないはずです。過不足のない要求仕様書がなければ、発注側・受注側の双方において妥当な金額の見当さえつきません。
 ベンダー側においては正確な要求仕様書を提示する義務があり、受注側においても不十分な要求仕様書に対して不足部分・不明点・疑問点などを見積り回答の前にベンダー側に確認する義務があります。これらの確認を行った後で、必要ならばソースコードの調査による基本構造および影響範囲の特定を行い、過去の類似開発の実績も考慮した上で見積りを行えば妥当な工数および期間を見積ることが可能となるでしょう。
 ベンダー側に対して、これらの調査内容の資料に基づいて説明を行えば、単に高いと言うコメントは出てこないはずです。必要工数について異論が出なければ、後は単価の問題であり、これは会社間での協議事項となります。
 見積りには当然リスク分も含めることになりますが、リスク分については絶対に相手に話をしてはいけません。言えば必ずカットされます。またリスク分の金額が本体分に対して異常に高いことは避けなければいけません。余りにもリスク分が大きい場合は、そのリスクを解消した後に見積るか、見積り条件を限定すべきでしょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?