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変なおじさん (48)

コンディション、その時の調子。
コンディショナー、リンスと同様に髪の表面に油分を与えてコーティングすることや、髪の毛の潤いを保つもの。
リンス、洗髪後のすすぎ洗いに用いる液または、その液をすすぐこと。
チャンリンシャン、ちゃんとリンスしてくれるシャンプーまたはソフトインワン。
どうだろう。冒頭から思い付きで言葉を並べて、意味を書いただけであるにも関わらず、何となく筆者の調子の悪さが伝わったのではあるまいか。大体が″チャンリンシャン″など今の10代20代にはわからない言葉である。では何故こんな言葉をわざわざ使ったのか。それは自らのおじさん化をしっかりと自覚しているかどうかの確認である。というのは後付けで本当はなんとなく書き始めたのだが、せっかくだから題目はおじさん(おばさんも可)化にしてみよう。

 昨今テレビがおじさん(おばさんも可)化している気がする。それは仕方がないのかもしれない。何故なら観る側がおじさん(おばさんも可)が多い訳だし、作る側もそうなのだ。そのことの良し悪しついてはどうだこうだと書くつもりはない、一番大事なのは自分の感覚である。画面の中のおじさん(おばさんも可)達が、おじさん(おばさんも可)達の好きな話題(筆者もそんなに嫌いではない)をもとに、笑いながらお喋りをする。それを観てどう思うか。普通に面白いと思うならとても幸せで、悪い意味ではなく順調におじさん(おばさんも可)している証拠である。しかし、と同時に、若い人にはわからないよと思う感覚が必要なのではないだろうか。小林旭のモノマネ(面白いが)をいつまでやるのか。懐かしのアニメ100選一位は、いつまでフランダースの犬(名作であるのは置いて)なのか。そういったところに疑問を持つかどうかではないだろうか。

 談吉さんは誰も思いつかないだろう新作落語を作る自らの感覚を信じてはいる。さらに言うと好きだからわざとおじさん(おばさんも可)が楽しいようなくすぐりも入れる。しかし当人の知らぬ間におじさん化している部分もあるだろうと思っている。それを自覚している分マシだとは思うが、自覚したところで止められるものでもないのかもしれない。

 ニュースも見るし野球も観る。20代の頃の自分では考えられないくらいNHK三昧だ。アイドルや役者さんの名前も流行りの曲も知らないが、これもおじさん化の一種なのだろうか。それらは知識だから勉強すれば良いということではなく、それを興味の範疇に置いてないという時点でおじさん化しているのかもしれない。とはいえ最新のアニメは観るしゲームもする、何よりたまに落語をする。なんだか変なおじさんになっていくなぁ。

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この連載は±3落語会事務局のウェブサイトにて掲載されているものです。 https://pm3rakugo.jimdofree.com