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新宿末廣亭七月下席 (13)

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先日、落語芸術協会の柳亭小痴楽師匠にお声がけ頂いて新宿末廣亭七月下席2日目にゲスト出演させて頂いた。

ご存知の方も多いと思うが我が立川流は協会に属していないため都内4軒の寄席(定席)には基本的に出演できないこととなっている。
内部的には出演しないんだ。と言う人もいるが。

何故かはWikipediaかなんかで調べればすぐに出てくる。

私は志の輔に憧れ、志の輔の弟子になり寄席を知らない落語家である。

つまり、かなり「貴重」な経験をさせてもらった。

はっきり言うと右も左も分からないのだ。

雰囲気しかり、細かいルールしかり。

超ド級の歴史ある末廣亭は至る所まで笑い声が染み付いた建物である。

歴史、歴史、歴史。を感じると同時に幾多の名人がここに上がっていたのだと感じると自ずと深呼吸してその空気を吸いたくなるものだ。

夜の部の前座さんからトリの小痴楽師匠まで全て勉強させてもらったが、やはり今までにない感覚を覚えた。

このような雰囲気って感じた事はあまりないよな。小痴楽兄さんが最後高座に上がる後ろ姿を見て鳥肌がたった。

表現は間違っているかもしれないが、全体で盛り上げる姿勢。にはちょっと羨ましさを感じた。

立川流には立川流の良さがあるし比べるものではない。

これからも私は独立独歩でやっていく中で、12年目にして体験させて頂いた寄席・定席の雰囲気はたぶん私のこれからの落語家人生に大きな経験値をもたらしてくれた。

ただこれからの落語界の事や色々な事を考えて動いてくださった小痴楽兄さんには感謝と尊敬と最大級のありがとうございます。の気持ちで一杯である。

この連載は±3落語会事務局のウェブサイトにて掲載されているものです。 https://pm3rakugo.jimdofree.com