今日までそして明日から (35)
珍しく「唄う日々」のタイトル通り、歌、或いは唄。の内容になるが、ご存じの通り吉田拓郎さんが年内で全ての活動を終了するというに衝撃的なニュースが先日発表された。
涙した60代、70代の方々も多いと思う。
私は37歳であるが吉田拓郎さんの歌が好きであった。ファンと言えるほどではない。が好きなので「好き」と表現する。
出会いは中学生の頃。
音楽に夢中だった私に母親が「吉田拓郎さん良いから聞いてみたら??」と勧められたのがきっかけである。
母親がベストアルバムをプレゼントしてくれたのだが、のめり込むように聞いた記憶がある。
落陽、祭りのあと、春だったね、夏休み、旅の宿、制服、おやじの唄、おきざりにした悲しみは、今日までそして明日から、今は人生を語らず
曲をあげたらキリがないし、いつ何時聴いても色褪せない名曲である。
吉田拓郎さんを聴いていくうちに、1人の作詞家の存在も知った。
今はもうこの世にいらっしゃらないが
岡本おさみ(さん)
という作詞家である。
実は吉田拓郎さんの名曲の作詞をかなり手がけている。
ジョンレノンとポールマッカートニーが
レノン=マッカートニーの共同名義があるように
私の中では
拓郎=おさみ
なのである。
優しくも儚い岡本おさみさんの歌詞に
拓郎さんの素晴らしいメロディが乗る
フォークソングと言われる音楽は、かなりシンプルなジャンルである。
バント編成もあるが弾き語りで際立つ事が多い。
シンプルな分、胸に突き刺さるのだ。
それが落語に似ている部分もある。
吉田拓郎さんはこの世からいなくなるわけではないが、吉田拓郎さんはもうステージに立つことはない。
大きく一つの歴史が終わる。
今日までそして明日から。
最後にどのような人生を語ってくれるのか。
吉田拓郎さん。有難うございました。
この連載は±3落語会事務局のウェブサイトにて掲載されているものです。 https://pm3rakugo.jimdofree.com