中年男子 (34)
歳を重ねると食の趣味が変わる。
しかし、歳を重ねる(子供→大人の段階)と食の趣味が変わる。と言うよりかは、昔苦手だったものが食べられるようになったり、食の幅が広がる事によりなんとなくそれが「食の趣味」と錯覚していた。
それはあくまでも「幅」であり「趣味」ではない。
先日、誕生日を迎え37歳になり立派なアラフォー男子となった私である。
が、ここに来て食の趣味が出てきたような気がする。
昔から酒を飲み、良く食べる方であったので
中華、焼肉、ラーメン、米に勝るものはなし、といった気持ちで学生のような食生活を続けていたが、ここに来て内蔵の衰えも影響しているのだろうが
焼き鳥に勝るものはなし。
という、食の趣味になってきた。
それが趣味なのか衰えなのかは分からないが、焼酎をソーダで割ってレモンを一片、焼き鳥を塩で数本と冷奴と小さめのモツ煮、山芋短冊。などがあれば晩飯は充分となってきた。
食の趣味とか言っているが、明らかに衰えの可能性が大きい。
しかし何故だろう、特に理由はないのだが
以前はあまり寄り付かなかった焼き鳥屋に行く事が増えた。
焼き鳥が「まぁまぁ好き」から「主食」になりつつある今日この頃だ。
煙に誘われつつ焼き鳥屋のカウンターで1人、あれこれ考えながら焼き鳥を頬張り、焼酎を呑むのが最大級に楽しく感じている。
これはよく考えると
小さいころ、「おじさん」をイメージしたときのおじさん、
つまり私もTHEおじさん。なのである。
でもそれが楽しい。
職業柄、若いね。と言われるもそもそもあまり嬉しくもない部分もあるが、街を歩いていてキャッチのおねーさんに「おにーさん」と呼ばれるのは嬉しい。
つまり、また今年も一つ歳をとった。
中年男子である。
この連載は±3落語会事務局のウェブサイトにて掲載されているものです。 https://pm3rakugo.jimdofree.com