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悲哀(115)
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悲しいと哀しいはどちらもかなしい。前者の漢字はヒ、後者の漢字はアイと読む。どちらの意味も”かなしい“なのだから分ける必要はないと思うが、調べてみるとニュアンスに違いがあるようだ。”悲しい”は泣きたくなるような気持ちで、”哀しい”は胸が詰まるような気持ちだそうだ。一瞬なるほどとは感じたが即座に思い直した。胸が詰まって泣いちゃう場合もあるし、泣きたくなるのを抑えて胸が詰まることもあるのではないだろうか。となると言葉の解釈とはその瞬間を表すものなのだろう。つまり状況によっては”悲しい”から”哀しい”に気持ちが動く場合もあるし、逆もまたしかりなのだ。そう思うとほんの一瞬の感情を、音を変えずに字を変えることで表現する日本語というのは、凄く繊細な言語だと感心せざるをえない。
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この連載は±3落語会事務局のウェブサイトにて掲載されているものです。 https://pm3rakugo.jimdofree.com