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40歳を越えて長髪になったこと。

長髪である。
いきなりなんだよ、という感じだが、長髪なのである、オレが。

まぁ、オレが、とか言っても、そんな長年の顔合わせたお付き合いではないので「誰が⁉︎」って感じですよね。そもそもこれnoteだと2本目の記事だし。
そこをグッとこらえて、も少し聞いて欲しい。

社会人、というか組織人の場合、長髪というのはほぼ許されないと思う。
スーツを着る職種なら尚更だろう。後で書くが、スーツに長髪はかなり変だ。


ところで、オレは布袋寅泰氏の長髪にまつわる高校時代のエピソードが好きだ。
通っていたミッション系の私立高校で教師に長髪を咎められ「イエス様だって長髪だ」と返した、というアレである。
『大きなビートの木の下で』に書いてあったもん!だから本当だとオレは信じている。
その後、髪を切ったかどうかまでは書いていなかったが、これで翌日切ってたらそれはそれで面白い。
そもそも、言葉のやり取りとして成立していたとして、髪を切らない理由には全くなっていないところが好き過ぎる。

もちろんコレはミッション系の学校に通っていたから成立するやり取りなわけで、大人の組織人であるオレが
イエス様だって長髪っスよ
とか言ってもなぁ。

一応、オレは社会人であり、組織人であり、スーツを着る職種である。
しかし、長髪。


ところで、人生において長髪は、これで2回目である。
最初は18〜19歳の頃。
肩くらいまでだが、ラーメンを食べるのに邪魔になるくらいには長かった。
ちなみにオレは完全直毛の人なので、それはもうサラッサラで溢れんばかりのキューティクル具合だったことを報告しておく。

その後、かなり長目のマッシュルームカット時代(↓ジョニー・ラモーン的)もあるのだが、オレの中でアレは長髪とはカウントしていない。
よって今、人生2度目の長髪期である。

マジかっけえな、ジョニー・ラモーン。

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ところで、今長髪になったばかり的なノリで書いているが、既に3年目の長髪である。
かと言って、3年間伸ばしっぱなしなわけではなく、数ヶ月に一度カットしてパーマをかけている。

パーマ。

そう、今のオレは『頭くるくる長髪40半ば男』なのだ。
くるくる、と平仮名表記で可愛らしさを創出しようというあたりがいじましい。
正直、傍から見れば単なる黒い焼きそばである。
ちょっと青いイナズマと似てませんか?
ゲッチュ。

どういうわけなのか、職場ではオレのこの黒い焼きそば長髪がまかり通っている。
上司も誰も文句を言ってこない。
基本的には外に出ない仕事なのだが、営業をかける時もある。
いいのか⁉︎
だが、そこでも何の文句もクレームも出ない。

社会人なんだから、そんなの指摘されるまでもなく、自分で気付きなさいよ的なアレなのか?
だがオレはそういう暗黙の了解的なルールは積極的に無視するタイプなので、言われるまで切る気もない。
そういうとこだぞ、きっと。


ところで、髪を伸ばし始めたきっかけは本当に些細なことだ。
ある目標を達成するまで髪は切らない!と勝手に自分で決めた。
特に他人に言った覚えはない。
結果としてそれは達成ならず、あと一歩届かなかった。
そうしたら、なんだか切り時がわからなくなっちゃったんだよね。
邪魔だなー、と思いながら伸ばす……というより切らずにいたら、さすがに見た目がヤバくなってきた。
そこで、パーマでもかけりゃお洒落さんになるかと実行し、今に至る。
肩まで伸びたあたりで、パーマをかけ直して耳の下くらいまで切る。
それを繰り返す3年間だ。

ちなみに前の段落の「勝手に自分で決めた。特に誰にも言った覚えはない。」ってくだり。ちょっと『幽遊白書』魔界編の雷禅の独白のようで格好いい。嬉しい。

まさか自分が40歳を越えて長髪になるとは思いもしなかった。
自分の年表に「長髪期」ってのが記されるとは。
そんなこと若い頃に全く予想できなかった。
本当に人生は未知なる航海だ。

ところで、この黒い焼きそば長髪は決定的にスーツに合わない。
中でもグレーのスーツとか最悪だ。
ジャケパンスタイルで、裾丈短かめにして、何とかギリギリお洒落さん???くらいのもんである。
バブル期のベイフロントで3年くらいで閉店する店のインチキ空間デザイナーにも見える。

どんなに誠実な態度であろうとも、髪からにじみ出るインチキ臭さが全てを塗り潰す。こう書くと臭そうだが、決して臭くはないんだ。
でも、それが40男の長髪だ。
まぁ普通に考えれば、クリエイター職でもないのに40過ぎて長髪の男なんて、全く信用できない。その長髪の意図が見えない。
オレならそんなヤツと仕事しないぞ。

では仕事の場ではなく、休日の長髪40男はいかがなものか。
まぁ、こっちはほぼ快適だ。
今までかぶっていたハンチングなんかが似合わなくなったくらいで、特に服装に縛りもない。
あと、ヒゲが伸びていても、なんだかそれっぽく見える。
「それ」がなんなのかは、オレにも明言できないが、多分皆の頭の中に浮かぶ「それ」だ。それで合ってる。

たかが髪だ。
髪型で人間変わるわけでもないし、できることが増えるわけでもない。
ただ昔読んだみうらじゅん氏の本の中にあった「いい年の取り方・悪い年の取り方」でいうならば、明らかに悪い年の取り方をしている気がして嬉しいのだ。
クラプトンの年の取り方ではなく、ニール・ヤングの方だ。いや、特にクラプトンに対して思うことはないのだが。

実際、いい年の取り方をしているとは言い難いし。
三年に一度のペースで骨は折るし。
救急車にも乗るし。
歯医者には行かないし。

オレにとっての「悪い年の取り方」の証がこの長髪なのだということで、今日の文を締めくくりたいと思う。

お粗末さまでした。

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