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私たちプラス ロジスティクスが“物流設計企業”と名乗るワケ

こんにちは。プラス ロジスティクス株式会社 広報の森野です。
 
前回、初めてのnoteではごあいさつかたがた私たちのことを簡単にご紹介させていただきました。私たちの強みを一言で表すと“物流設計企業”であるとお伝えしましたが、その理由について。

また“ノンアセット型”といわれる、私たちが自社で倉庫や物流施設、配送用の車両をほとんど保有せずに事業を展開する方針なのか、物流業界歴28年、私たちが誇る物流プロの一人である営業担当・圷(あくつ)さんにお話を伺いながら、お伝えしたいと思います。




1973年生まれ。93年、プラス ロジスティクス入社。
アスクル向けの物流センターの構築・運営を皮切りに、
今日まで一貫して物流センター構築・運営に携わる。
現在は通販物流・家具物流を中心に新規顧客開拓・新規メニュー開発を担当している。

Illustration: naohiga    Insta @naohigaillustrator



“持たない”ことが強み?ノンアセットとは


アセット〔asset〕は資産、(個人・会社の)財産を表す英語からきており、「アセットビジネス」などビジネス用語として使われているケースもあります。
物流業界で“アセット”といえば、物流施設や倉庫、車両などの「資産(アセット)」を自社保有の上で事業展開している企業のことを指し“アセット型”と呼びます。私たちはその逆、物流施設や倉庫、車両をほぼ持たないので“ノンアセット型”と言われる形態です。
 
私は「“持たない”ことが強みになる」というイメージがどうしても湧かず、まずはそこから疑問をぶつけてみました。


物流施設や倉庫を“持たない”のはなぜか?


__私たちプラス ロジスティクスは“ノンアセット型”。まず、物流拠点はどのような運営になっているのでしょうか。
 
圷さん:私たちは2022年8月現在、全国に22拠点の物流センターを運営しています。埼玉県所沢にある、親会社・プラス株式会社向けの物流センターは自社保有ですが、他はすべて物流不動産や倉庫会社から賃貸していることになります。

賃貸している理由は、荷主さまのビジネス形態によってベストな場所はそれぞれ違うから。「海外から船を使って製品が運ばれてくることが多いから港が近くにあることが最優先」とか、「工場が全国に5箇所あるからそれぞれ近くに5箇所の拠点を設けたい」とか、「現在利用している埼玉県の物流施設がキャパオーバーのため、その近くに新しい倉庫が欲しい」とか…ご要望もまったく異なります。なので、まずは最も効率の良い場所がどこなのか?を検討・ピックアップして、その場所にある施設や倉庫を探すところからスタートさせます。だから元々保有していないんですよ。
 
__なるほど!でも、物流用の施設や倉庫って、そんな思った通りの場所に簡単に見つかるものですか?自社で保有しているほうが有利な気がするのですが…。「ここ空いていますよ!」ってお客さまにもすぐにご提案できますし。
 
圷さん:おっしゃる通りで、自社で物流拠点を保有している場合サービスをフォーマット化することもできるので、より多くのお客さまへスピーディーなご提案ができます。その内容がニーズにぴったり合えば、お客さまもすぐに物流業務の委託をスタートできますね。
これは「自社保有しているから良い/良くない」のではなく、各物流関連企業の経営方針や考え方の違いによるもの。ただ、私たちの場合は敢えて“持たない”方針を選択していて、どちらが有利・不利ということではないのです。
 
あと、いま物流施設の開発がものすごく増えていて。10年くらい前からでしょうか、今まで繁華街のオフィスビルなどに不動産投資を行っていたような企業までが積極的に物流施設の開発に取り組んでいるんです。ほら、ついこの前も日経新聞に出ていたでしょう。私たちも東北センターが入居しているプロロジスパーク岩沼がある仙台空港周辺で、大型物流施設の開発が進んでいるって記事。


__確かに拝見しました。私が毎日チェックしている物流業界ニュースでも、都心型、郊外型、大型~小型、規模に関わらず色んな会社から新しい物流施設の着工や竣工のニュースが、毎日のようにリリースされています。

 
圷さん:そう。だから、最適な場所で、ちょうどよい規模感で、荷主企業さまの要望にぴったりフィットする物流施設や倉庫が見つかりやすい状況なんです。
あと、“持たない”一番大きい理由。自社保有施設を持っていると、どうしてもそこを活用するってことが前提になってしまいがちなのですよね…。
 
__自社の施設活用が前提になる…?
 
圷さん:仮に、森野さんが営業だったとするでしょう。もし、なかなか借り手が決まらなくて空き物件になっている自社のP倉庫がAエリアにあったとします。お客さまに物流拠点を提案するとき、ご要望や条件を伺って導き出した結果、本来はBエリアが最も効率良い物流ネットワークを構築できる場所であることが分かった。でも、あいにくBエリアには自社倉庫が無い…。どうします?
 
__うーん、心苦しいですけど…そもそもBエリアには自社倉庫が無いから、仕方がない。P倉庫をご提案します。自社倉庫を埋めて稼働率をアップさせることも、仕事のうちですよね。
 
圷さん:それがまさに「自社の施設活用が前提」という発想です。稼働率を高める…会社のためを思うと、正しい判断。でも、お客さまのことを考えたら、本当はBエリアにある倉庫を探してご提案できるのが最も良いことですよね。
実際に私たちの仕事は「物流拠点の場所を提案したらはい終わり」じゃなくて、センターが稼働してからが勝負。効率よいスムーズな物流サービスをご提供できればお客さまにも喜んでいただけるし、私たちも一番嬉しい。
そもそもこの場合、P倉庫が埋まらないことは私たちだけの都合であってお客さまの事情ではないですよね…。だから、森野さんがおっしゃったように、こちらから提案したのはいいけど「心苦しい」って気持ちが生まれてしまうのではないでしょうか。
 

自社保有の倉庫があっても、お客さまの要望にそぐわない場合にはご提案しづらい…
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__すごい。良く分かりました。私はとても大きな勘違いをしていたのですね…。

圷さん:とはいえ、私たちが物流センターや倉庫を借りるときは、倉庫を管理している会社と賃貸借契約を結んでいます。基本的にはお客さまとの契約期間を鑑みて賃貸借しているわけですが、契約期間中であってもお客さまのご都合でスペースが空いてしまう、といった事態が発生することもあります。ちなみに、私たちの拠点のひとつである「柏物流センター(SGリアリティ柏 B棟)」では空きスペースが発生し、入居企業を募集していた時期もございました。とはいえ、この場所や施設設備だと非効率であるとか、不都合が生じるお客さまに対して倉庫ありきでのご提案は一切していません。

私たちの物流拠点のひとつ、「柏物流センター(SGリアルティ柏 B棟)」


__いま、倉庫の空きスペースがある企業と、保管先を探している企業とのマッチングをする「倉庫マッチング」や「倉庫シェアリング」サービスも増えていますよね。私たちもいくつか利用させてもらい、空いたスペースはすでに有効活用していると聞いています。

圷さん:そうですね。こういった仕組みはサステナビリティの観点からも非常に良いですよね。元からある物流センター拠点だけでは足りないとか、逆に空いてしまうとか、一時的な在庫の増減によって倉庫の保管スペースにも変動が発生します。これまで倉庫は長期的な利用を見据えた契約形態が主流となっており、コストの無駄が発生するケースが往々にしてありました。ですが、テクノロジーの進化によって生まれたサービス等により、柔軟に対応しやすくなってきているなと感じます。私たちは元々「ノンアセット」であるため倉庫情報は常に様々なネットワークを駆使して入手していますし、私たちが現在運営している拠点であればすぐにご案内できる可能性もございます。ですから、「柏物流センター」をはじめ少しでもご興味あるかたは、まずはお気軽に問い合わせいただけると嬉しいです。


自分たちでトラックやドライバーさんを”持たない”のに荷物がお届けできる?


物流施設を自由に選べる状態=効率の良い物流拠点を開設できる、のはよく理解できました。ですが、お届け先まで配達する輸配送はどうなのでしょう?インターネットで買い物する人が増えていて、宅配の個数も年々右肩上がり。ドライバーさんや車両が不足していて大変というニュースが飛び交っている中で、自社確保していないって不利なイメージを受けます…


__自社で専用の車両やドライバーさんを抱えていないと「うちでは荷物が届けられない!」なんてことにならないのでしょうか?

 
圷さん:はい、それもご安心を。配送に関しても、自分たちで車両を保有しドライバーさんを直雇用しないと安定したサービスが提供できない、ということはありません。大手の物流関連企業でもすべて自社で車両やドライバーさんをまかなっている訳ではなく、別の配送会社に委託している部分もたくさんあるのが現状で、実際のところモノを運んでいるのは全国に6万社以上あるといわれている各地の配送会社の皆さんなのです。
 
私たちの場合は、子会社である「プラス カーゴサービス」「タウンサービス」にて、全国各地、それぞれの地場に強い配送会社とのネットワークがあり、配送パートナーとしてお届けをお願いしています。会社によって、「大型商品を運ぶ高いノウハウがある」「アウトレットやショッピングモールなど店舗配送に長けている」「高度なオペレーションが必要な医療系サービスを請け負える」…など、お届けを得意とする荷物も異なっているため、それぞれの配送会社の特長を把握し生かすことで、お客さまの荷物特性に合わせた配送パートナーを選択することが可能なのです。


「プラス カーゴサービス」Webサイト


「タウンサービス」Webサイト


 圷さん:なお、プラス カーゴサービスでは一部自社保有している車両(環境に配慮したEVトラックなど)もあるのですが、パートナーである配送会社の特長を生かすことで高品質な配送サービスを保ちながら、荷物量の多い・少ないといったお客さまの季節波動にも柔軟に対応できます。これにより、配送コストの無駄を省けるメリットがあるんですよ。自社保有でトラックをすべてまかなうとなると、荷物が少ない時期にはトラックが余ってしまう…採算が取れず余計なコストとなって、最終的にはどうしたって荷主であるお客さまに降りかかってしまいますからね…。

 __配送についてもノンアセットで自由に選択できるからこそ、お客さまのメリットにつながるのですね。 

圷さん:はい。お届け方法についても、お客さまのご要望に合った配送会社とパートナーシップを結ぶことにより最適化することができます。…配送ネットワークの詳細については語りだすと長くなるので、また別の機会にしましょうか。

 __今度はプラス カーゴサービスやタウンサービスのかたにも詳しくお話聞きたいです。ありがとうございました!



“ノンアセット”だからこそ自由な“設計”ができる


圷さんに色々とお話を伺ったことで、私が思い浮かべていた勝手なイメージはすべて間違っており、一歩また理解が深まった気がいたしました。何事にも言えることかもしれませんが、情報量がとにかく多い世の中、きちんと調べず表層部分だけを切り取って、勝手に膨らませてしまいがちだな…と反省。特に印象に残ったのが以下のようなお話でした。

圷さん:まず、お客さまの「こうしたい」って要望や課題解決があって、それを実現するために、具体化していく。決まった型を無理矢理はめ込むと、お客さまによっては合わないケースが往々にしてあるので、私たちはそれをしないようにしています。これまで培ってきたノウハウやネットワークを自由に組み合わせて、お客さまに最も適した物流戦略をデザインする。私たちの考える“設計”ってそういうことだと考えています。だから“物流設計企業”と名乗らせていただいています。


私たちが大切にしているのは、ただ“設計”するだけでない、真の意味でお客さまの本当の目的を、それぞれ最適な形に具体化するからなのだということ。そして、具体化した後もさらに完璧な設計図を目指して、お客さまと一緒に並走しながら改善を重ね、包括的に物流サービスをご提案しているところにあることが、よく分かりました。
 
私たちが「物流をデザインする、物流設計企業」である所以が、少しでもお伝えできていたら幸いです。

物流に関するお困りごと・お悩み・課題があるかたは、私たちまでお気軽にご相談ください。


この記事の執筆者:


2022年1月入社。大学卒業後、社会人3年目くらいから
PRやセールスプロモーションに長年携わってきたものの、
ファッション→ドクターズコスメ→物流という異業種を飛び越えてきたため
物流業界に関しては初心者。プラス ロジスティクスおよびグループ会社のことを
より多くの皆さんに知ってもらうべく、日々精進をモットーに奮闘中。

Illustration: naohiga  Insta @naohigaillustrator


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