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食品ロスの食材を活用してみたい方に読んで欲しい事

廃棄食材使えば良い事になるし安上りで一石二鳥?

たまーにご相談を受ける事があるのですが「食品ロスの廃棄を救いたいのでメニュー開発に協力してください」というパターン。
本人はとても良い事をする気満々の目を輝かせた状態で来るんですが、
時々そんな希望に満ちたものを打ち砕いてしまいます。
ほんと、すいません。

廃棄を救う!という意気込みは素晴らしいんです。
それが実現するともなれば確かに新聞やテレビの取材受けやすくもなるぐらい「良い事してるね!」って賞賛されるし、それでいて原材料費は安くできて儲かるしってなれば一石二鳥。

食品ロスは予定外と品質のばらつきの嵐という現実

ここで食品ロス最前線にいる側として2つの現実をお伝えします。
まず、食品ロスは予定外、突発的に発生します。
たった今、50個のパンが余剰発生しました!
でも明日はゼロかもしれません!という状態。
だからメニュー提供としての仕入れとなるとそんな予定外の仕入れで
運営出来ますか?という現実が一つ出てきます。
そして農作物などであれば品質のばらつきという要素も出ます。
今日の品質と明日の品質、来週の品質、どれもバラバラで味に違いはきっと出る事でしょう。これが二つ目の現実です。

予定が立たない仕入れで、味にバラつきが出たりする中で、どういうメニューを作るつもりですか?と聞いてみると
「えっ??そうか・・・」と予想外だったという表情になります。
希望を打ち砕いてしまった罪悪感はありますが、でもこれはお伝えせねばなりません。

発注の時点でそれは廃棄品・不用品ではない

例えばリンゴ農家さんで強風で落ちてちょっと傷んだリンゴ。
酸っぱい紅玉等であればお菓子用に使えるのですが
人が食べる物だとアップルパイなどにする時
わざわざレモン果汁を足すなどして酸味追加が必要になったりします。
かといって畑に埋める等すれば熊が接近するのでお金かけて廃棄しなきゃいけない状態・・・

こういうリンゴを使ったメニューやります!と意気込んだ時、
それはもうそういうニーズが生まれたという事で不用品ではないのです。
少量であれば0円で調達は出来ても日常的なメニュー化するとなると
二回目以降はその状態のものを敢えて探して買うという事になります。

もし、この要素の活用を考えるのであれば日常的に確実に生まれ続けるものに注目していくしかありません。
例えば豆腐における「おから」のようなもの。
つまり、食品ロスでメニュー作りという事は目的の食材選びで大体こちらも理解度を察します。
「これを生産する時に日常的にこういった余剰品が出ると思うのですが、それを是非活用したいのです」と事前にリサーチしてくれていると話が早くなるかとは思います。

育ちすぎたほうれん草は日によってはここまで成長した物が・・・

無刀流という手段もあります

逆にこれといったメニューを定めない作戦もあります。
わかりやすく言えば日替わりメニュー。
調理方法を色々と習得していて引き出しが多い人向けの話です。
味のバラつきが出る野菜とかもその時の状態に応じて
味付けや調理方法を最適なもので構成し
「日々味が変わる前提のメニュー」にするという作戦です。
例えば野菜スープとかにしても
今週はアスパラの冷製スープで来週はコーンスープなど。
しかもコーンスープもその時の出来によって日々、味付けを変える等。
お客さんには「お、今日は昨日よりアッサリした出来だね」などと
その変化を楽しんでもらうぐらいのメニュー作り。

これが美味しさというレベルでバラつきがあるとお客さんは
「昨日は美味しかったけど、今日はマズイな」となるので
かなり難しい話でこれを実現できる人は少数になりがちです。

加工品として一時的にストック

農作物の生産量や質のバラつき問題を解決するには一時的に加工するという手段もあります。例えばパウダー等です。
原材料の作物そのものを使うより割高になってしまいますが安定はします。

例えば毎日100キロのとある野菜を使うとした場合は
廃棄になる該当野菜が今日は150キロ、明日は70キロという状態ではいけません。
かといって今日の余った分を明日に穴埋めすると鮮度(美味しさ)が落ちます。
しかし、例えば700キロのパウダーを先に一気に作っておけば、その1週間は毎日一定の量と一定の品質で活用が出来ます。

まとめ

食品ロスの食材を活用してみたい方に知って欲しい事。

【前提】取材されて賞賛されやすいなど取組は良い事だけど、食品ロスならではの課題があるので、そこをまず考えてみてネ!

【課題2つ】食品ロスの発生は事前に予測しづらい事と日々の品質にバラつきが出やすい事が課題になりますヨ!

【解決案3つ】
作戦A、豆腐のおから等、日常的に発生しうる食材を中心にする
作戦B、調理上級者なら日替わり調理で臨機応変の鬼となる
作戦C、パウダーなど事前に加工しておいて量と品質の一定化をする

この辺がまとまってきてから生産者さんや食品ロス削減活動している人に
相談しにいくと協力をえられやすくなるかとは思います。
以上、プラスフードの中の人からでした♪

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