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事業系のフードロスは本当のところ誰がやっているのか?

この食パンは廃棄だったのか

プラスフードの概念をわかりやすく伝える為に表現すると
「パン工場の売れ残り品も期限が近づいてしまうと、食品ロスになってしまいます。
捨ててしまうぐらいなら、誰か無料で貰ってくれる人がいたらいいと思いませんか?」

という所から興味を持ってもらって、「それだったら自分が食べて社会問題解決の一助になれば!」というユーザーさんに支えられているシステムです。

食パン3~4袋が1回分で貰えるボリューム

こういう写真見ると相当な量だなー!って感じる方は多いかと思います。
そして「もし、これが本当に捨てられる量なら勿体ない」というのもあるかと思います。

そして活動しているとユーザーさんから「こんな量を今まで捨ててたなんて、工場も作り過ぎですよね。もう少し考えて作ればいいのに」っていう声を聞いてしまう事があります。
残念ながら。ええ、この活動している私としては非常に不本意です。

これはスーパーさんやコンビニさんの買い手側が立場強い事に起因するというのを説明とかはするのですが、どこまでご理解いただいているかは・・・。
そして実はプラスフードが始まる前には正確な意味での廃棄処分とはまたちょっと違ったのです。

一般的には食品ロスの廃棄ってゴミ処理場に持っていかれて焼却処分とかそういうイメージですよね。
しかし実際にはこの会社さんでは動物の飼料に回していました。かなりの格安価格で。
でもゴミ処理場での焼却処分ではないのです。
厳密に言うとプラスフードを利用する事でこの分のCO2が減るとかそういう事ではありません。
※家畜飼料のトラック輸送とかのCO2が減る分はあるとは思います。

パン会社さんがプラスフードを使う理由

パン会社さんの従業員さん何人かとお話すると、やはり人が食べて美味しいって言ってもらえるパンを作っているので、動物に食べてもらうよりは人に食べて喜んでもらいたい、という意識が強いなと感じます。
源流となっている所はそこなんだと思います。

受け取ったユーザーさんも「育ち盛りの子ども達が沢山食べれるので嬉しいです」って有り難いお声をいただくのですが、それをパン会社さんに伝えると本当に喜んでくれます。
焼却処分でのCO2を減らしたいとかよりも意識はそちら。そしてプラスフードに参加していただくお店さんは大体こういう意識は同じ方向性だと思います。
フードバンクさんに寄付していたけどそれ以上の余剰があった時や生クリーム系など寄付出来ないジャンルをプラスフードで併用していく店主さんとか、プラスフードをやる前は色々な手段を使っていた方が多いです。

でも事業系食品ロスは多いですよね?

令和3年度(2021年)は年間で522万トンという発表があります。
約半分が事業者系とされるので260万トンぐらいはお店等からの発生。
ですが、今回の食パン会社さんのようにプラスフード使う前は動物飼料に回していた、となると誰が何を260万トンも捨てているの??ってなりませんか?

自分なりにフードバンクさんや事業系処分場などにヒアリングしに行ってみたり聞いたりした中で、とある業者さんの食品が持ち込まれていた事を目にした事があります。
「当社では嘘偽りのない原料を使い、真摯にお客様へ本物を提供します」的な感じでPRしている会社さんで、以前プラスフードに参加しませんか?と打診してみたところ「うちは一切廃棄しない仕組みでやってるから!」と断られた事があります。
原料が嘘偽りなくとか、お客さんへ本物を、と謳ってる割にその裏ではこういう実態なんだなぁと感じた事があります。

逆にそういう処分場に流す事なく、元々動物の飼料に有効活用しようとしていたパン工場さんの方がプラスフードに共感してくださって今ご利用いただいてるわけですが・・・
なんか誠実なパン工場さんが「もっと考えて生産すればいいのに」と言われてしまうとなんだかなぁって悲しくもあります。
動物の飼料に回るといえば豆腐工場でのおからも良く聞きます。
このように食品工場では動物飼料や畑の肥料に回すというのを聞くんですが、そうすると一層、誰が260万トンの廃棄しているの?って感じます。

食品事業者じゃない立場からも

時々、鉄道会社さんが運休で困ったお客さんに賞味期限が過ぎたものを配布してニュースとなっていますが、あれもきちんと期限管理されていると廃棄に回っている可能性はありますよね。
「弊社ではそういった物をフードバンクに寄付するようにします」という宣言が最近になってわざわざ出てくるとなると、じゃあそれまでは廃棄していたんですね、という事になります。
他に印象強いのが東京オリンピックでの約30万食の弁当廃棄です。
直接の担当は違うとはいえ、あの件も元を辿っていけば、「東京都」という行政が関与していますよね。
行政が一方では「食品ロス無くしましょう!」って声を出して、
その一方では30万食の弁当廃棄に加担
もしている事にもなります。

案外、こういった食品事業者じゃない立場の方が簡単に廃棄している可能性
あるのではないでしょうか?
他にも懸念しているのはある程度の規模のイベントです。
3000人や1万人、それ以上の規模のイベントとなるとお店側もそれなりのボリュームを仕込んで臨みます。
そのイベント主催者側はスポーツにしても音楽などにしてもそちらメインで集中してしまいがちで、サブ的要素のフードはその裏で食品廃棄がどのぐらいあるか気にしているケースがどこまであるでしょうか。

音楽のイベントがあったとして、運営主催側はまず何枚のチケットが売れるかどうか。次に何人の来場者があってそのイベントにどれだけ満足してくれるか。音響や演出などをしっかり考えるでしょう。
更にグッズ系などのチケット以外の売上や、フード等の関連売上がどうなるか。そういった売上という数字で物事を考えていくと、フード売上500万の裏で食材廃棄が30万円分あったな、とかまで考えが及ぶものなのか・・・
食材廃棄の事を音響や演出と同じ熱意で考える人は少数派と予想しています。

そんな時にふと思い出して欲しいのが「プラスフード」等のフードシェアリング。
音響等と同じ熱意で考える専門家たちにその分野をお任せしてみると良いのではないかな、と考えています。
そうすればきっと、東京オリンピックの30万食廃棄も防げた筈。

人は歴史から学んで未来を改善できる、というならまさに今です。

プラスフードの活動にご協賛お願いします。食品ロス削減活動に使わせていただきます。