見出し画像

食品ロスを全く出さないような生活行動

 プラスフードで活動していて時々中学生や高校生、大学生等から「食品ロスについて取材したい」とお話が来る事があります。
 私どもとしてはこのようなお話は全て受ける方針にしています。
何しろ関心を持っていただけただけで有り難いですから。

 その中で逆に質問する事があります。
「今の札幌の食品ロスの状況とかは調べてます?」
「本当の意味ではどこに原因があると思います?」

 そうすると「日本全体で年間600万トンの食品ロスがある」
「好き嫌いがあるから、作り過ぎてしまうから」
といった回答になる事が多いですがそこから更に踏み込んで考えるまでは
流石に至ってはいない状況だなと感じます。

 年間600万トンって途方もないなぁ、自分自身は「なんか気を付ける」ぐらいしか出来なさそうだな・・・
多分それぐらいの情報しか世の中に出回ってないからかもしれません。

 取材時間が限られてるからこそあまりそこまで話し込みが出来ないのですが余裕がある時はそこから「じゃあ、食品ロスを起こさない生活はどういうふうにすれば良いかな?」と問いかけてみる事があります。

 少し別件ですが高校の学校祭でプラスフードの加盟店さん達がキッチンカーで集合して食品ロスも出さない学校祭というのをやりました。
このテレビ番組の中ではあまり触れられてないのですが、実は事前に食券販売をしているのでお店さんが当日の注文数を把握したうえで食材準備をします。更には当日生徒さんが欠席などして急遽やむを得ず発生した余剰食材もプラスフードでユーザーさんの誰かに行き渡る事で廃棄が無いイベント開催となるのです。

 社会的には食品ロスも相当減る形で実施できるし、お店さんも当日どれぐらいか予想して外すより確実に注文数がわかっている案件は相当珍しいのでかなり喜んでいる話ではありました。
 ではもう一方の当事者の高校生にとってはどうだったか。
勿論この番組で笑顔が多かったように喜んでくれていたのは多くの生徒にとって良かったんだとは思います。
が、その一方で少なからず不便さも受容してもらった事になっています。

 それは事前食券販売という事で「当日の気分で買えない」という点。
二週間前にラーメン食べたい!と思ってラーメンの食券を買ったものの、当日猛暑になったら「二週間前の自分はなんでラーメンを選んだんだろう!」と思ったところでもう変更は効きません。
 あとはザンギやカレーを食べたけど、他の人の食べてる焼き鳥も実はまだ食べれたのになぁ、と思ってもその時の空腹状況で追加購入が出来ません。

 でも食品ロスが無い事なんだからこの学校祭は今後もこういった方式でいいんじゃないか?と考えた貴方。

 そんな他人事思考からちょっと自分事で考えてみませんか?

一般の大人達にもこの論理を当てはめていくと普段のスーパーとかで買う食糧も二週間前に食券販売(予約販売)を推し進めてもいい筈ですよね?
さぁ受容できますか?

「いやいや、学校祭はそれでもいいけど、自分は生活上どうしても急に必要な物があって買う事もあるからその方式じゃ困るよ。」

こういった思考は「総論賛成、各論反対」の代表例でもあると思います。
自分だけには特別な事情があるから例外と考えがちなんですよね。

でも食品ロスを本当に徹底的に無くそうとするならそういった不便は受容してもらわないといけません。本当に必要で困る事があったとしてもそれはどうにか工夫で乗り切れる筈なんです。

今まであちこちで災害発生はして大変な非常事態に見舞われてスーパーが営業できない、道路が塞がって買い物にも行けないなどはありましたがみんなどうにかこうにか助け合いで食べて生きてこれたから今いらっしゃいますよね。

こんな感じで考えていくと、実は大幅なルール変更も検討の余地はあると思いませんか?

 スーパーやコンビニなどは2週間前までの予約でその日の販売分を仕入れすればよいので棚いっぱいを常に埋めなくたっていいんです。
そうすると物流倉庫や生産者側も必要な分しか在庫をおかなくていいんです。
大手のパン工場など生産時間が長い物は今まで前日に発注が来たりするから酵母発酵の時間などを考えて予測である程度先に作ってしまって余剰廃棄が出る可能性ありましたが、この方式ならそれも出ません。物を多めに運ぶとかも無いという事は二酸化炭素の排出軽減にも繋がります。

 そういったメリットの半面、やはり不自由さがあるが為に反対意見は出るかとは思います。
もし反対意見の方が自分の中でウェイトが強いなと思う場合は是非この課題をクリアする方法を考えてみて下さい。

今まで通りじゃ食品ロスを減らす気がありませんって言ってるようなものですよ?

・・・あぁ、だからプラスフードの趣旨はそこに行きつくのか、とお感じになられた方は鋭い。

プラスフードの仕組みはこういった自由度も維持しつつ生産者さんやお店さんが努力していく中で発生したものをどうにか無駄なく活用するための手段の一つであろうとしています。

この記事が参加している募集

#SDGsへの向き合い方

14,583件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?