「クマムシの驚異的な耐久性は何のために進化したのか?」
というタイトルの記事を見つけましたが、「何のために」という理由までは言及されていませんでした。なんなん詐欺タイトルやん。
というわけで、今回はクマムシのお話。
どうも、中の人です。
クマムシは何しても死なないと言われてます。
人間が死ぬ500倍の放射線にさらしても、真空でも死なない。
なんですが、それは「乾眠」と呼ばれる状態にならないと発揮されない能力でして(ただし生きてるクマムシは放射線耐性はハンパないらしいです)
乾眠状態にないクマムシはあっけなく死ぬそうです。
そらそうだ、クマムシが通常状態でもまったく死なない生き物だったら、地球上がクマムシだらけで人間の繁栄など無理だったでしょう。
だから、全世界核戦争が起きたとして、放射線耐性がものすごいクマムシですが、放射線に耐えたとしても熱線浴びたら死にます。
コケとかの中に住んでますから、奇跡的に急激な乾燥から逃れたクマムシはいるでしょう…あ、そうなったらやっぱりクマムシは不死身か。
そう、「乾眠」状態であればクマムシは無敵です。
ただし外的圧力がかかってすり潰されたりしたら死ぬそうです。そこまでして生き返ったら恐ろしいわ。
この乾眠、どういう状況であれば起きるかというと
ゆっくり水分が失われていく場合
に、限定されるそうです。
だからいきなり乾燥状態に置くと、体内水分が85%もあるクマムシは干からびてコロリと死んでしまうそうです。
この乾眠状態、どんな姿なのかと言うと、なんか円柱っぽい縮んだ物体になります。完全に生命活動を停止してしまうんですよ。
人間ならミイラです。
生きながらミイラになる「即身仏」がありますが、あんな状態なんですかね…人間の即身仏を水で戻した話は聞いたことがありませんが。
でもクマムシは生き返っちゃうんですね。
なお、古代エジプトのミイラは脳髄を取り出し、心臓や肝臓などの主要臓器は別途カノポス壺と呼ばれる容器にそれぞれ移されるので、こっちは明らかに、どうやっても生き返らないと思います。ミイラ男、脳も内臓もないのにどうやって動いてるんだろう。
あ、カノポス壺に内臓を分けて丁寧に葬られるのは王侯貴族やお金持ちだけで、庶民は単に乾燥させるだけだったようです。
ミイラ男ってこっちのやつかな。
他に線虫の仲間なども乾眠状態になることが知られてます。
あと、クマムシでも最強の乾眠状態になれるのは一部のようで、クマムシだからといってすべてが死なないわけではないというのもポイントですかね。
また、ゲノム解析されているクマムシは数種類しかおらず、まだまだ研究途中の生き物なんですね。
人間の細胞内にDNA移植したら、乾眠状態ができるクマムシと同等の能力を持っちゃったぞ、という研究もあるにはあるんですが、なんかやだなあ、クマムシのDNAと合体するの。多分ホモサピの身体でなく、クマムシ様の人体になって二本足歩行すらできないんじゃないかなぁ。
で、結局「乾眠状態のクマムシが無敵に進化した理由」という最初の問題に戻るわけなんですが、いろいろ調べたんですが
わからない!!!
というのが結論のようです。なんなんだよあの記事。
最初からわからないって書けばいいのに。
たぶん、たぶんですけど。
乾眠状態で生き延びられるように進化した結果「たまたま」最強になってしまったのではないか…と、個人的には思います。
たまたまってあるよね。めちゃくちゃ足が速いダチョウも、うっかり脳みその進化忘れてるし。あれ、わざとじゃないと思うんだ…
まあ、そのへんの真実はカミサマに聞かないとダメでしょうかねー結局。
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