記憶と音楽。

ようやく、首都圏や北海道の緊急事態宣言が解除される方向に向かいそうですね。
はっきりと宣言されるまではまだなんとも言いがたいところですが。

無事、明日、解除の発表があればいいなと思います。

ところで、
最近、長男が「ミッションインポッシブルのテーマ」を急に口ずさむようになりまして、

「掃除の時間にでも流れるの?」

と聴いてみると、

「ううん、おばあちゃんの車で聴いた!」

というのです。

なるほど。

私の母は学生時代、社交ダンスをしていたとかなんとかで、古い映画音楽が今でも大好きです。
「ムーン・リバー」とか「追憶」とか「愛と青春の旅立ち」とか。シブい曲ばかりですが、やはり、どれも名曲ですよね。
家になぜかそういう王道の映画音楽のピアノソロの楽譜がたくさんあり、私は中学の頃、ピアノの先生から出された宿題の曲をそっちのけで、そんな曲ばかり毎日弾いていました。
弾けると家族が喜んでくれるので、調子に乗って弾いてました(笑)

そんな中学生の頃、朝といえば決まってNHK-FMで目を覚ましていました。
当時、午前6時〜「あさのバロック」という番組がありまして、母は毎朝それを聴きながら朝食の準備をしておりました。
多分バロック時代の曲が中心にかかっている番組だったんだろうと思うんですが、TVを見ながら準備をするよりFMを聴いている方がはかどる!とかなんとか言うことで、毎朝、NHKがかかっておりました。そして、私が起きる午前6時になるとちょうど「あさのバロック」が始まるのです。

今でもその番組のオープニングに流れていた

ヨハン・セバスチャン・バッハ作曲の
狩のカンタータ「楽しき狩こそ我が悦び」の中のアリア「羊は安らかに草を食み」

(アリアとは情緒的な旋律をもち伴奏の付いている独唱曲のことで、そのアリアが数曲、組み合わさってできているものをこのバッハの時代にはカンタータといいます。のちの時代にオペラが発達します。狩カンタータは全部で15曲からなり、羊は安らかに〜の曲が第9曲目です。)

を聴くと、未だにあの中学生だった頃の朝を懐かしく思い出します。




当時住んでいた家のキッチンやテーブル、朝ごはんの匂い、朝の日差しの色などが今でも瞬時によみがえります。今日も1日頑張らなくっちゃって思いながら朝ごはん食べてたな〜とか、よく朝は髪型が決まらなくて怒られたっけ?とか、オープニング曲はリコーダーの音だったような気がしますがそのほんわりとした音色を聴いただけであの頃の朝のイメージがそのまま出て来ます。

音楽は、その時のエピソードも一緒によみがえるからすごいですよね。

失恋した時に良く聴いた曲とか、勉強しながら聴いていたラジオとか(それって勉強していないよね)、試験やコンクールの時に弾いた曲など、やっぱり聴くと懐かしく思い出してしまいます。



あなたにも忘れられない一曲、ありますか?


今日もあなたの心に音楽を。

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