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《音楽》アンドラーシュ・シフ。



夏休みになると息子達の塾は夏期講習が始まりました。
毎回午前中のみ授業がありまして、送って行く私も2時間どこかで暇をつぶさねばなりませんでした。

そこで、日ごろはなかなか行かないですので、この機会に!と図書館へ足を運んでみました。

穏やかなバッハの演奏が印象的だったピアニスト アンドラーシュ・シフの本がありました。

アンドラーシュ・シフ
1953年生まれハンガリー出身のピアニストです。

確か、バッハやモーツァルト、ベートーベンなど古典に定評のあるピアニストだったと記憶しております。

そのシフの穏やかな演奏とはまるで違い
本にはピアニストらしい重厚な言葉が並んでおりました。

ーあなたにとって音楽とは、音楽の本質とは何ですか。
はじめに静寂があり、静寂から音楽が生まれます。そして、音響と構造からなる実にさまざまな現在進行形の奇跡が起こります。その後、ふたたび静寂が戻ってきます。

「静寂から音楽が生まれる」 春秋社 アンドラーシュ・シフ著


静寂から音楽が生まれる。

この一文で鳥肌が立ちました。

この感覚は、音楽と魂が繋がってこそ生まれるものではないでしょうか?まさに、芸術を生み出そうとしている人の言葉だなあと思いました。

そして、音楽とは精神そのものであると続きます。

シフは、鳥もとても素晴らしい音楽を奏でますが、これと人間が作る音楽の違いを「意志的な思考」、「精神的労働」であるといいます。ここにうぐいすの泣き声と(バッハの)「フーガの技法」の違いがあると明言しておりました。

なるほど!ですよね。

この重みのある言葉を胸に受け止めながら読み進める私に苦難が訪れます。

必ず、この類いの本を読むと突きつけられる苦難です。

ーあなたにとって音楽はどれくらい神のようなものに触れることなのでしょうか。
かなりです。私はバッハの作品やベートーヴェン の弦楽四重奏曲に常日頃から取り組むことで、単純かつ合理的には説明できない何かを聴き取り、感じ取っています。

「静寂から音楽が生まれる」 春秋社 アンドラーシュ・シフ著

そうなのです。西洋音楽が発展したバッハの時代、神は切っても切れない存在でした。あの宗教改革を起こしたマルティン・ルターのルター派に属していたバッハ一族は、キリスト教改革後ルターが亡くなったあともルター派はバッハの音楽とともに発展を遂げたと言っても過言ではありませんでした。

賛美歌が、コラールになり対位法が生まれ、西洋音楽が発展する基盤となった影にはキリスト教の存在があったのです。

バッハの祖先もみな音楽を通して福音(聖書の教え)を歌い奏でることが神の御心に沿うものと考えていました。


私は日本人です。
仏教徒であり、
農耕民族です。


この難問にどう向き合えというのでしょうか。


西洋人がキリストを崇めるように音楽も大切なものであるならば、私は三味線か尺八か笙を演奏するべきではないでしょうか?

けれども、シフは寛大でした。

ーでは、日本や中国が西洋音楽に夢中になっていることについてはどうですか。
それも答えるのが難しい質問ですが、中国の民謡はとても興味深いものですし、日本にも独特の音楽文化があります。しかしこれらは、もっぱら宮中の音楽として儀式に用いられるものです。他方で、日本では一二月にベートーヴェン の《第九》が数え切れないほど演奏されています。

「静寂から音楽が生まれる」 春秋社 アンドラーシュ・シフ著

や、優しい。
この本を閉じなくて済みました😂

そしてSNSは教えてくれました。

私の心の支えにもなりました。
キリストの教えがこちらへ見えてくるまで弾こうと思います🙈

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