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《音楽》音楽でさかのぼる古代。

ピアノを弾いていると、本当に素朴なギモンにぶつかります。

私たちは、いつから歌っていたのだろう?
いつから楽器を弾いていたのだろう?

いわゆる西洋音楽史といって、クラシックでは音楽の歴史を習います。
キリスト教の発展とともに神のお言葉を伝えるために聖歌が生まれました。グレゴリオ聖歌が有名ですが教会で歌っていた歌が1本だけだったメロディー(単旋律)が複数のパートを持つようになり(ポリフォニー)、少しずつ生まれた音程の重なりが、和声でいう終始(「アーメン」と歌って終わる終わり方)を生みました。書き残すために楽譜が生まれ(記譜方が誕生し)こんにちの発展へとつながっていくのですと習います。
これはこれで、音楽が発展した歴史であることはまぎれもない事実ですよね。今の私たちの音楽もこのおかげで存在していることには間違いないと思います。

けれど、キリスト様が誕生される前から、歌ぐらい歌っていたはずよね?きっと!

とか

キリスト様がお生まれになられる前から楽器くらい何か弾いたり、たたいたりしていたわよね?きっと!


と、私は思うのです。


ギモン、持ちすぎですよね。


けれどもピアノになんの興味を持ってないのに、習わされて通っている生徒さんにキリスト教の話をして、「よし!明日からピアノを頑張ってみよう」という気持ちにつながるでしょうか?この話をしてみて目がキラキラするお子さんなら大丈夫ですよね。

私が生徒さんの立場なら、答えはNOです。

へー。

で終わります。

じゃあ、なんで楽器って弾いてるの?というギモンにやっぱりぶつかります。
(変人だ。。。)



そこで、まずは、音楽の起源について調べてみました。


音楽の起源


音楽が誕生したきっかけは、
実は現在もまだよくわからないそうなんです。
これまでにも、世の哲学者などがいろいろ説を唱えておりますが、どれも根拠がなく解明には至っていないのが現実だそうです。

学生時代に音楽史を学んだ時の本を引っ張り出してみました。この本によると音楽の起源は、

①言葉を起源とする説
言葉のもつ抑揚、アクセントなどから音程がうまれ音楽に発展したとする説。

②感情の表現説
怒り、恐怖、苦悩、喜びまどを声で表現することから、音楽が発展してきたんだろうという説。

③情報伝達説
ヒトは音によって情報を伝えてたのではないかといわれています。それらの音の響きが耳に快く感じられ、やがて音楽へ発展したのではないかという説。

が有力なのではないかといわれているようなのです。

そんな中、2009年の英科学誌「ネイチャー(Nature)」に古代の楽器が発見されたという記事が発表されます。

最古の楽器とは

もちろん、最古の楽器ではないか?といわれているだけで、はっきりしたことはわからないのですが、
ドイツの洞くつで3万5千年前のフルートが見つかったというものです。
マンモスの牙やハゲワシの骨で作られていたそうです。

筒状のその牙や骨には、おそらく指でふさぐために開けられた穴や、吹き口まであったといいます。

すごいですね。

そんな時代にすでに楽器を鳴らしていたんでしょうね。

その楽器が発見されるより以前の今から6万5千年前の洞くつからは、
壁に絵画が描かれていたり塗装の跡や彫刻が見つかっているそうなんです。
そんなに前からヒトは芸術に関心があったんですよね。
すごいです。

これだけの話しを聞くだけでも、生徒さんはピアノに興味をもってくれそうです。
昔の人々も楽器を使っていたんだ、と思えばなんとなく私もやってみようかな、、とつながってくれたら嬉しいです。

ただ、、、

最古の楽器が見つかった3万5千年前っていつだろう。
と気になるのが私です。

人類の歴史

40億年前
  この地球上に生命が初めて誕生しました。

8500万年前
  霊長類が誕生します。

2800~2400万年前
  霊長類の中の狭鼻猿類がヒト科と…

   ~略~

800~700万年前
  ヒト族というのに分類された生き物がいます。いわゆる猿人で直立はしていたそうです。

そのヒト族が完全に直立二足歩行するようになり両手を使うことで道具を作ったりして脳が発達していったのが300万年~200万年前になります。

ヒトが猿人から原人になっていったといわれる頃です。

ホモ・サピエンス、ネアンデルタール人などのことですね。

5万年前のネアンデルタール人の骨から舌を支える骨が発見され、それを分析してみると今の私たちと似たような使われ方をしていたと推測できるらしいのです。ただ、のどの奥にある上気道が短いので、分節言語をしゃべる能力は低かった可能性があるといいます。

このことから、人とのコミュニケーションはまだ身振り手振りだったのではないかと推測されているようです。

言葉を使うようになったのは、まだだいぶ後のことなんですね。

先に述べた「音楽の起源」でも①言葉が始まりではないか?という説がありましたが、この原人の時代には言葉はなさそうなのでこの時代に音楽が生まれたわけではなさそうですよね。そして②の説も③の説もすでに声や音を利用しています。

ということは、音楽または声よりも先に音があった!ということにならないでしょうか?

あたり前といえばあたり前でしょうか?
私は学者でも音楽史が専門でもないので、ただの一般人としての仮説ですが、

それでも、音は身の回りにたくさんあったはずです。

音の起源


先程のネアンデルタール人の時代の頃、そう、今から約5万年前の時代、舌骨の解析が正しくまだ言葉を使えず「アー」とか「ウー」とか発しながら、身振り手振りで会話をしていたとしても、この頃には、すでに石器を作って狩りをしていたという事実があります。


石器を作るのに


石をたたきますよね!


音、鳴らしてます!!


こんな私みたいな単純な仮説から生まれたとは思いませんが、原人の時代には手を打って踊りを奉納していたのではないかとか、木の棒でたたいて音を鳴らしていたのではないかという説があります。打楽器の起源ともいわれています。
この頃のヒトは、労働の過程で音に出会っていたり、意志を表わす手段として胸や手をたたいていたのではないかと推測されています。


雨だって、降ったことでしょう。
鳥も鳴いていたことでしょう。
他の動物の鳴き声だってあったでしょう。
火山も爆発していたかもしれないですね。


その中で、「音」に対して美しいだとか楽しという感情が、原人の時代からおそらくあったのではないでしょうか?その音に対する感覚が今の私たちへと受け継がれているのかも知れません。(私たちの祖先はホモ・サピエンスでネアンデルタール人の種類とは違います。似たような時代を生きていたとご解釈ください。)


憶測の域を出ませんので、なんともいえないのも事実ですが。


言葉を話す前から音になじみがあり親しんで来たのではないか?そんな古代ロマンに少し思いを巡らせながら、
私たちがなぜ、音楽にひかれるのか考えてみてもおもしろいかも知れません。


あなたの周りには、今、どんな音楽がありますか?


今日もあなたの心に音楽を。

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