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子どもだけにわかるもの。


ねぇおかあさん
いいにおいする。

これ なんのにおいなの?

やっぱり おようふくかな?

ぼくの ふくは におわないよ?

おふとんの においかなあ?

ううん、ちがうってば!

じゃあ、
なんのにおい?

やっぱり、おかあさん
おかあさんいいにおい!


☆次男は夜寝る時に
必ずお布団の中に入ると私の匂いをクンクンとしてから
寝るくせがありました。
私の匂いをクンクンとしているのに、
これなんのにおい?
と聞くので、わざとトボけて
からかってしまうのでした。


子どもの頃だけ感じていたものってありましたよね。


そんなことを思い出させもらった朝に聴きたくなりました。


グリーグ作曲の「ペール・ギュント 第1組曲」より朝


グリーグは大変情緒的な曲を書く人でした。北欧、ノルウェーを代表する作曲家です。あの有名なピアノコンチェルトを作曲した際に「北欧らしい曲だ」と絶賛して「あなたはあなたの曲を書きなさい」と応援してくれたのがリストでした。

そして、この「ペールギュント」は同じくノルウェー出身の劇作家「イプセン」によって書かれた戯曲でした。まだ若手で先程のピアノコンチェルトで一躍有名になったグリーグに対し曲をつけて欲しいとイプセンの方からグリーグへ依頼があったといいます。しかし、もともと音楽と共に上演するために書かれた戯曲ではなかったため、グリーグは作曲に苦労したようです。イプセンから「あなたの思うように曲を付けていいですよ」という内容の手紙をもらうとノルウェーの民族音楽からヒントを得てこの「ペール・ギュント」を書き上げ、「国民楽派」の作曲家としての地位を確立していきます。

冒頭の「朝」もノルウェーの民族音楽が色濃く反映されていますが、戯曲では第4幕の前奏曲として作られ幕間に演奏されます。場面はモロッコ海岸のサハラ砂漠。
日の出を思わせる朝の清々しいイメージを描くよう依頼されています。サハラ砂漠だったとは驚きですよね。「ペール・ギュント」は主人公の名前で、自由奔放なペール・ギュントが旅に出て年老いて帰ってくるまでの物語です。

グリーグはのちにこの時作曲した曲を第1組曲、第2組曲として編成しました。第2組曲1番最後の、ソルヴェイグの歌も有名ですよね。


個人的には第1組曲の3曲目のアニトラの踊り(08:47)と
4曲目山の魔王の宮殿(12:33)も大好きです。


清々しい朝のイメージは今も変わらず日本人に愛される一曲ですね。コーヒーでも片手に日曜日の「朝の気分」(原題)を味わうのはいかがでしょうか?


あなたの周りにはどんな音楽がありますか?


今日もあなたの心に音楽を。


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