見出し画像

《音楽》子どもに大人気ピタゴラスイッチ。

子育てを始めるようになってからNHKのEテレをよくみるようになりました。
なかでも衝撃だった番組のひとつに「ピタゴラスイッチ」という番組があります。番組の最初と最後に流れる「ピタゴラ装置」と呼ばれる仕掛けがおもしろくて、子どもも大人の私もテレビにくぎ付けになって見ていました。

ピタゴラ装置というのは、定規や本など身近にある物で作られたレールの上をボールが転がっていくのですが、はじめに与えられたきっかけでボールが転がり出し、途中に設定された障害物にぶつかっては転がりぶつかっては転がりそれを繰り返しながらゴールまでたどり着く装置のことです。

栗コーダーカルテットの演奏するテーマ曲が流れた瞬間、我が家の子ども達は走ってテレビの前までやって来ていました。

ピタゴラスイッチ

何か聞き覚えのある言葉ですね。

そうなんです。ピタゴラスイッチとは、あの数学者、哲学者であるピタゴラスが提唱した「ピタゴラスの定理」を子ども向けにやさしく伝える番組なのです。

そのピタゴラス。
実は、音楽を語るうえでとても重要な人物だったのです。

ドレミファソラシド〜


音楽を演奏する際に使われている音には名前がついています。

ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド

「ドはドーナツのド〜」の歌でもおなじみですよね。


このドレミの呼び方は中世イタリアの音楽教師だったグイード・ダレッツォが考え出しました。
グレゴリオ聖歌は口伝えで広められていましたが、覚えにくいという難点がありました。そこに着目し「音」に名前を付けたのがグイード・ダレッツォです。

なぜ「ドレミファソラシド」と呼ばれるようになったかその理由はまた改めてお話しさせていただきます。

音に名前がつく前に、音の高さに気づきある決まりを定めた人がいました。
それが数学者のピタゴラスです。

時代はやはり古代へとさかのぼります。

古代ギリシア


前回、音の起源や音楽の起源をもとめて、200〜300万年前のヒト族の時代までさかのぼりました。
今回もその続きです。
(まだ続いてたんかーいと聞こえてきそうです。)

20万年から40万年前、ギリシャ地方においては最古の人類が生息していたと言われています。
ホモ・エレクトゥスとネアンデルタール人の性質を持つペトラロナ人です。生活の場をもとめて大陸を移動して、この地にたどり着いたのでしょう。

ペトラロナ人はギリシアにおける前期旧石器時代に活躍した人種とされています。そんなペトラロナ人から始まったとされるギリシャは古代ローマに征服されるまで、さまざまな文化、文字、文学、宗教、競技の祭典(古代オリンピア)、建築、彫刻などを発展させてきました。

その発展をとげてきた文化のひとつに音楽もありました。

ピタゴラス音律


紀元前6世紀ころ、古代ギリシャ文化圏だった現在のトルコ沿岸にあるイオニア地方のサモス島でピタゴラスは生まれました。近くには、数学者で有名な「タレス」も住んでいたというので驚きです。

数学者だったピタゴラスは、ある日、鍛冶屋の前を通りかかった際に作業員が打つハンマーの音が同時になる時に美しく響くことがあるということに気づきます。

この2音の美しい響きを聞き、音に対して何か法則があるのではないだろうかとひらめいたといいます。

弦を2本以上張った楽器を使い検証を始めます。

1本のとある長さの弦を基準にし、その半分の長さの弦は似たような音がするけれども高い音がする。つまり、1オクターブ高い音がすることを発見するのです。

さらに、基準の弦より2/3の長さのところで鳴らした音と基準の音がとても心地よく響き合うことに気づきます。

今で言う「ド」と「ソ」の音の響きを発見するのです。(以下、便宜上、現在のドレミの音名で説明します。)
この「ド」と「ソ」の音はにごらずにきれいに響き合いました。
さらに今度は、「ソ」の音を基準にして2/3の長さを探します。すると今度は「レ」にあたる音を見つけます。

「レ」は短くなりすぎて2/3の音が探せなかったので、
「レ」の弦は2倍にしてからそれを基準にして、2/3の音を探します。
今で言う「ラ」のことです。

これを繰り返していくと

ド→ソ→レ→ラ→ミ→シ→ファ♯→レ♭→ラ♭→ミ♭→シ♭→ファ→ド

という12種類の音があることに気づきます。

最後もう1度「ド」にたどり着いたところで音の発見は終わりです。この時、今もピアノやその他の楽器で使われている12音が誕生したということです。

ピタゴラス音律といわれています。

ただし、弦を2倍にしたり2/3にしたりを繰り返しましたので、はじめの「ド」と最後にたどり着いた「ド」にズレが生じて響き合わなかったそうですが、この時代はまだグレゴリオ聖歌も単旋律だったので問題もなく使われていたそうです。

ただ、「ド」と「ミ」などにうなりが生じがきれいに響き合わないことから、純正律が生まれ転調できない不便さから平均律が生まれていきました。

っていうか、ピアノの和音って波打ってますよね?

うい〜〜〜んて。

気のせいかな…。

調律くるってるし…。

違うか、平均律のせいかな?

分かりません!!!

それはさておき、

今回のこのピタゴラスのお話しもピタゴラスイッチが大好きな生徒さんにいつかお話ししてみて、ピアノに興味を示してくれたら嬉しいなと思います。

響きを感じる心


ピタゴラスのこの話の中で、鍛冶屋から聞こえてきた2つのある音が美しく響き合うことに気づき、音を見つけていく過程にとても共感します。し、「そんなことで発見につながるなんて」と、とても驚きました。

音がきれいだな、よく混じりあっているなと感じる心は今も忘れてはいけないですよね。
子どものたたく机の音や大声で話す声が雑音にしか聞こえないのは私だけでしょうか?

すみません、グチりました。


毎日、ステキな音との出会いがあると嬉しいですね。


あなたの周りには、今、どんな音楽がありますか?


今日もあなたの心に音楽を。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?