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劇団きのこ牛乳『鬼跡-キセキ-』稽古場日誌⑯

劇団きのこ牛乳 第13本目公演
『鬼跡-キセキ-』稽古場日誌
「You can't ruin a stew」
16皿目 駄目だしと褒めだし

最近「褒めだし」と言う言葉が演劇界隈では良く聞く。

「駄目出し」には、「仕事をやり直しさせること」、「他人を批判したり、悪い点を指摘すること」という意味があります。 演劇界で演出家が役者の演技などに改善を促す時に使われていた「駄目を出す」が元になっている言葉といわれています。ネットより引用

世間的にはこのように使われているらしい。
批判は確かにある。昔気質の演出家さんは役者の全否定から始める人もいた。現に私も何回か「お前はダメだ!」的な全否定から新たなプランニングを要求されるコトもあった。
私の若い頃は、まだ修行的な役割を稽古で課す所が多く、劇団に所属しても数年雑用配役もセリフなしのアンサンブル、などをこなさなければならないコトも多かった。
それぐらい厳しい世界なのだと教え込むコトもその時代には必要だったのだろう。

そう、時代。
時代なのだ。

今の若い人たちは、そのダメだしが嫌で役者を辞める人も多いと聞く。
否定される、認めて貰えない。悪く言われる、訂正させられる。
ダメだしをマイナスに捉えたらキリがない。
でもそれはダメだしの根本が分かっていないい。
ダメだしは、その演技がダメだから変えなさい、なのだ。ダメと言う言葉が悪いのか?違うと捉えたらいいだけだ。言葉の揚げ足をとる必要はない。
違うから、変えろ。それだけなのだ。
そりゃ、ダメだしされたら違うんだから凹むし、ダメを返す(要求に応える)のも大変だけど、そうやってひとつひとつ丁寧にやっていくコトで、芝居は作られる。
それの繰り返し。
全てを自由に好きなように演じてください!
なんて芝居は恐らくはないだろう。全てのお芝居作りにはダメだしがある。

そして最近は「褒めだし」と言う演出?がある。
簡単だ。とにかく褒める。
コレはただ褒めてるだけではなく、いいプランや演技には素直に褒めてあげるコトで役者のモチベーションやリズム、テンションを上げてあげるだけでなく、しいては稽古をしやすくすると言った効果もある。
褒められて嫌な気分になる役者はいない。
褒めて伸ばす、なんて言葉もあるが、まさにそうだろう。

この前参加させて貰ったオーディションでも、代表が1組1組オーディション発表が終わる度に褒めまくってた。
当然、そのオーディションの会場の雰囲気はすこぶるよかった。
雰囲気が良ければやりやすいし、緊張もほぐれやすい。素直に演じられればその人なりが見えやすくもなるだろう。
オーディションでは褒めだしは凄く有効のような気がした。

今回の演出家根間健太郎さんも褒めだし上手。ダメを返して上手くいくと「そちらでお願いします」と変化に対して答えてくれる。
役者はダメだしには敏感だ。ダメが返ったか気になる。それをしっかり伝えてくれる演出家さんは嬉しい。
根間さんももちろん、いい演技やプランには褒めだしをしてくれる。気遣い的な面もあるだろうが、素直に褒めてくれるコトが多い。
役者と演出家がWinWinな関係で稽古が進む。快適です。

役者と演出家の関係性を作る意味でも重要な「ダメだし」と「褒めだし」
私は褒めても貰いたいし、ダメも貰いたい、でもダメ貰いすぎるとアワアワしてしまう、面倒くさい役者です(笑)欲しがりすぎ。

今回のご紹介は制作・演出助手 真柄茂和さん!

今作品への意気込みを。
「入団して初めての本公演になります。自分のユニットで脚本と演出の経験はありますが、今回は根間さんの作品や稽古場での演出を見ながら日々色々な刺激をもらいながら勉強しております。それぞれ個性・タイプの違う俳優の皆さんからも得るものが多いです。公演において見えないところでの仕事を担っており、そこもかなり重要なのですが、いい形で幕を開けて閉じられるように気を配っておりますので、多くの方に観に来ていただいて、劇団きのこ牛乳と千草、根間さん、キャストの皆さんを知ってもらえたらいいなと考えております。」

キノコと牛乳でキノコのクリームシチュー、追加するならするならどの具材?

・鶏肉

理由:シチューの核となる具材だから。多くが好んでいる、かつ求めるもの。さらに鶏肉はカロリーが少なくてかつ筋肉になりやすいので。劇団に例えるなら劇作家や演出家。

・人参

理由:彩りと栄養を兼ね備えた具材。身体と見た目に良いもので、劇団に例えるなら看板俳優。

真面目で熱心な裏方さんがいると、これ程心強いとは。
丁寧に、慎重にお仕事してくれるので安心して預けられます。裏方の大黒柱。当日も宜しくお願い致します!

劇団きのこ牛乳 第13本目公演『鬼跡-キセキ-』
@東中野RAFT

【日程】
2019年7月25日(木)~28日(日)

25日(木)19:00
26日(金)14:00/18:30
27日(土)14:00/18:30
28日(日)15:00
全席自由

チケット料金:2500円(前売り/当日共)

梅﨑信一専用チケットフォーム
https://www.quartet-online.net/ticket/kinokomilk13kiseki?m=0mfcjei

【作・演出】
根間健太郎(演劇集団Rubbish)

【キャスト】
千草(劇団きのこ牛乳)

梅崎信一
加藤優季
こまつざきさちこ
知久貴大(劇団AIR)
シゲキマナミ

ケンタウロス骨(劇団ジェット花子)

お問い合わせ 劇団きのこ牛乳
kinoko.milk@gmail.com

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