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第5部 メタバース時代の存在論:「実存」から「複存」へ(5)

5.VR(XR)からメタバースへ(5):分人から複人へ、あるいは複人としての分人へ

そしてここに来て話は再び、前章でも検討した「分人」、「複人」という考え方へとつながっていく。筆者は「分人」という言葉と概念よりも「複人」という言葉と概念の使用のほうを推していたが、「分人」はやはりメタ的であり、「複人」はよりパタ的であるからである。あるいはこういう言い方もできるだろうか。「分人」にとって「個人」とはあくまでその「メタ」であり(=「分人」は「個人」の違う側面だが結局はその「個人」に含まれる)、一方「複人」にとっての「個人」とは「複人」というカテゴリーにおけるプロトタイプ(典型例)である、と。よってそのカテゴリー内での複人の数や種類、さらには「複人」というカテゴリー自体も常に変化するものである、と。

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