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Creepy Nuts 武道館 11/11感想

武道館1日目、11月11日に行ってきました。
ちなみに約3年半前からクリーピーのファンで、初めて見たライブは梅田noonアマチュアナイトでした。徐々にチケットが取りづらくなりつつも、大阪のライブは大体行ってました。ついに武道館まで連れてきてくれて本当に感慨深い……。

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というわけで、わたしも初武道館です。
14時くらいに現着。グッズまだ全部あった上にガチャもできた! ガチャは15時くらいに本日分終了してたのでセーフ。予想してたより平和だった。
周りに、グッズ身につけて記念撮影しているファンの人たちがいっぱいいる。
そういえば、メジャーデビュー頃のライブはヘッズっぽい男子が多かった印象だけど、今は男女比同じくらい(TV出るようになってから女性ファンの方が増えた?)で年齢層も若者から中年までいるし、服装もニュートラルな感じ。そもそもファンの分母が大きいのか。

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聖徳太子フリースタイルのお題箱コーナー。コロナ前は、お題集めのときに観客とお二人が連れみたいな距離感でわやわやするのが面白かったんだけど(エピソード記憶のために話を引き出してるんかな)、今は観客と会話はできないらしい。
自分はライブ会場で元気に挙手して喋れないタイプなのでこのシステムちょっと助かる……って、結局読まれなかったけど。けっこう大勢の人が書いてたしなあ。そんな中のプリンタルト何?(後述)

日が暮れて入場時間。光る玉ねぎ。
写真撮り忘れたけど、入口にスタンド花がいっぱい届いてた。ヒップホップレジェンドや芸能人や出演番組やファン有志、豪華! ファン有志からのミラーボールのやつ、かわいかったです。

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武道館、広い!
入ったとき、般若さんの『あの頃じゃねえ』が流れてて既にグッとくる。客入れの選曲がとにかくエモい。RHYMESTER、Zeebra、BADHOP、RIPSLYME、KREVA etc…今までに武道館ライブをしたヒップホップアーティストってことですかね。熱い。

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席はアリーナ4列目!近い!
隣と一席間隔で空いてました。コロナ前のライブハウスだと、密集して背高い男の人の肘がガンガン頭に当たってたけど、その心配はなさそう。
マスク着用、声出し禁止。2月の梅田サイファー以来の生ライブなので、どんな感じになるのかまだ勝手がわからなくてソワソワする。

19時!
RHYMESTER『Future Is Born』がひときわ大きな音量で流れる。「俺たちに向けた曲だと思ってる」と紹介していたANN0第一回を思い出して色々込み上げる。

まさかの、花道から登場で『スポットライト』! 今までのセトリだと終盤に持ってきてたのに。「もう胸張ろうや」の状態からスタートってことですか。配信のお知らせ動画で言ってた「まさかこれから始まるとは~」って、このことですか。武道館アーティストの風格。初っ端から格好良い。

続く『生業』も、今までは終盤にやってた曲。もう初っ端から集大成を見せつけられ格好良いのインフレ。青い照明の中、Rさんの大きな影が客席を覆い、リリックが数千の観客を呑み込むような光景が印象的だった。畳みかけるところが終わると拍手が起きて、声出せなくても確かに反応がわかる。

『耳無し芳一Style』、生で聴くの初めて! 赤とか緑とか不気味な照明を浴びてるRさんが怪談師っぽい。繰り返しになるリリックをハモリボーカルだけにしたり、余白で見せて詰め詰めにしない余裕みたいなものを感じる。ここまで、いわゆるアッパーチューンしてないのが既に渋すぎるんですが!
 
『ヘルレイザー』8月の配信ライブではこれが一曲目でしたよね。解き放たれる快楽?みたいなメッセージ含め、めちゃ好きです。
「お久しぶり皆さん」って客席見て言ってくれるし、「この箱の名は武道館」「もうイッてる生きてる生かされてるお前らー!」とか木村しまくってる。観客に向かって呼びかけてくれるの最高ですね。「やっぱ生が一番やろ?」には声にならないYES一択なのよ。手上げて応えるしかないけど。

『助演男優賞』
「ここに来てくれたお客さんが主役で、それを盛り上げる俺らはやっぱり助演」って、紛うことなき主演なのに上手いこと辻褄合わせたもんやで……。「武道館でのCreepy Nuts!」めちゃ熱いですね。主演の観客を存分に喰ってくれよ。それにしても、コール&レスポンスできないのがもどかしい……のに、「歌え!」って煽られてもですよRさん。言った後に気づいて「心の中で歌ってるの届いてるから!」ってフォローしてたけど。煽られちゃってる人いるしな。こっちも歌いたいのは山々なんですよ!

『よふかしのうた』このへんでちょっと肌寒かった会場も大分あったまってきた。
ちなみに、後ろにいたラジオリスナーっぽい人(ずっとオードリーの話してた)が「もれなく社会不適合者」のところでアガってたのが面白かった。

『紙様』一気に大阪感が漂うので府民的に嬉しいです。Rさんは前からライムダンスというかマイムが多かったけど、武道館の広さに合わせてか、なんか磨きがかかってるような気が。落語っぽいオチ含め、ラッパーだけど役者とか噺家を見てる気持ちになる瞬間がある。

MC
花道から登場したから前方の観客に後ろ半身晒してて、見られ慣れてなくて恥ずかしい件。
コール&レスポンスできない件について。Rさん「いつもの癖で煽ってしまった」松永さん「ルール破れるか試してんの?」
画面に松永さんの顔がアップで映って、皆クスクス笑ってる理由がすぐわからなかったけど、泣きそうなの堪えてたんですね……。

色んな人に助けられて武道館に立てている話、からの「ずっと惚れて追い求めているあいつに、ここまで引きずり出されたのかもしれない」
はい、この前振りは『阿婆擦れ』ですね。「阿婆擦れー!」って広い箱で叫ぶと「海のバカヤロー!」みたい。
『オトナ』も超個人的な日々の生きづらさを語ってる分、本当に芝居というか独白というか、とある男の悲喜劇を見てるみたい。やっぱ武道館用に身振り手振りを大きくしてるのかな。

暗転中。
コロナ前なら、Rさんや松永さんを呼ぶ声が飛んで、「私語は謹んでください」とかツッコんだりしてたけど、マジサイレントです。サイマジョ。

そんな張り詰めた沈黙からの『日曜日よりの使者』。冒頭アカペラ部分、菅田ピよりキー下げてて音程取りにくそうだった? 「視界も曇った木曜日」のとき目塞ぐのが可愛い。シャララ~ラはシンガロングできたら楽しいんだろうけどな!
すかさず『サントラ』。本当この曲、入りからフックまで難しそう。手拍子してたけど邪魔にならないかハラハラしてしまった。イヤモニとかあるか。間奏の松永さんのスクラッチは、もう鳥肌もん。実際に武道館で聴くと、このスケールの箱に映えるように作った曲なんだ……!大箱映え曲!

MC
話振られても「そうだね……」と涙を堪えて口数少ない松永さん。あったかい笑いと拍手。「明日は喋ってくれよ」とRさんに念を押される。(結果、0勝2敗)
「俺たちは最初から武道館立とうとか目標にしてたわけじゃなくて、ただラップとDJ好きなだけでやってきた」と初心を振り返り、tellaさんの家で宅録したCreepy Nuts初めての曲。多分このへんで「昔の俺、けっこうラップ上手いな」って言ってた?

『シラフで酔狂』まさか武道館でこれが聴けるとは……! 確かにインディーズっぽさがあって、さっきの『サントラ』とのスケール対比が効いてる! 間奏で使われてるRさんの声ネタが若い。あと、未だに2番のリリックから変わってないらしい松永さんすごいな。

『たりないふたり』『たりないふたり さよならver.』
これも「たりない!」をコール&レスポンスできたらなぁ~。さよならver.は「いい恋した」が「見えない嫁が見えてきた」になってたり、「シェアハウス」が「ママタレ」になってたり、一年の激動が反映されてる。山ちゃんパートの「番組出てるじゃない」の言い方がちょっと似てて不毛リスナー的に嬉しい。

『合法的トビ方ノススメ』セトリ合ってる?
1日目「飛び跳ねろ!」で飛び跳ねちゃってすみませんでした! 京セラでは確かジャンピング行為禁止されてるのに、武道館は大丈夫なんか?と思ってはいた。しかし、声出せなくてもめちゃくちゃ盛り上がる。一瞬、武道館なこと忘れるくらいライブハウスの熱気を思い出した。

『トレンチコートマフィア』は原点回帰としてよくやる曲だけど、まさか『使えない奴ら』が来るとは……! 梅田の仲間たちへの曲なら、月に遠吠えとか来るかな?と思ったけど、ここでソロ曲をやるあたり、人間としての根っこを大事にしているんだなぁ……。胸に刻み続けてるルサンチマンがあるからこそ、サントラやかつ天みたいにあらゆる人を応援するリリックが書けるんだろうなって……ただの感想だった。

MC
ダンジョンの話。当初は、自分たちの好きなヒップホップとちょっと違う感じで伝わってしまうかもしれないと懐疑的だった。でも、モンスターのメンツを見て、この人たちとなら心中してもいいと思えた、と語るRさん。あの頃に予想していた未来とは違うけど、どうなっても続ける覚悟で書いた曲。「俺の相方、良い歌詞書くなぁ」とずっと泣きそうなの堪えてる松永さん、このへんでした?

『未来予想図』
いつからか「Bad Day いやGood Day」に。「韻律と親密で緻密な独り言」といい、続く『朝焼け』も、こんなに大きな箱なのに、暗い部屋での独白みたいな曲に確かな体温が感じられる。朝焼け色に染まる客席をしみじみ眺めているRさん……。(角膜は終わっているらしいけど)

『Dr.フランケンシュタイン』
こちらも独白系だけど演出有り。砂嵐に波形が浮かぶのが、エコー写真のようで歪な胎動を思わせる。「歪な自らを誇れない」からの、かつ天につながるわけですね。

MC
ヒップホップの捉え方は人によって様々。思想、音楽の一ジャンル、金の稼ぎ方etc…、でも俺にとってヒップホップはセラピー、とRさん。なんだかこのへんで感無量すぎてもう「ここに来れて良かった。クリーピーに出会えて良かった」という思いでいっぱいだった。

『かつて天才だった俺たちへ』
ああ~~、どうしてこうも自分は捨てたもんじゃないと思わせてくれる曲ができるんでしょうか。逃避のための娯楽じゃなくて、自分の現実を頑張ってみようと思わせてくれる力があるんでしょうか。この箱に響かせる威力と、この人数の一人一人に届く浸透力。広さと深さが半端じゃない。もう配信か円盤を見てください。つまりこういう状態になってしまうというレポです。

曲を終え、ステージを後にするお二人。
堂々とではなく、どこか心ここにあらずの様子で退く松永さん。なんて人間臭いんだ……。アーティストとしてめちゃ格好良いけど、あくまで一人の人間、という純粋さが不意にモロに出るのがね、見ている人を惹きつけてやまないんだろうなと……。もちろん、Rさんが堂々とパフォーマンスしきったからこそ際立つ愛おしき綻びではあるんだけど。
手拍子+スマホのライトが徐々に増えて幻想的な光景に。

アンコール
ヘラヘラしながら再登場。このいつも通り感もたまんないですね。
恒例の聖徳太子フリースタイル。
お題箱から松永さんが引く。お題と理由。
「離婚」(某有名ラッパーがしたから)
「プリンタルト」(どうせ読まれないから)←!? 松永さんの引きがすごい。
「星野源」(昨日のラジオに来てくれたから)
「イグナッツ」(面白いから、あと番組で取り上げられそう)打算!
「伯郎」(危険なビーナス)
「パンツください」(Rさんのが欲しい)
Rさん「立派なセクハラですよ!」 ほんまにな!良識あるオタクであれよ!
お題5つの予定だったけど、パンツくださいで終わりだと験が悪いのでもう一個。
「太った野良猫」(近所にいるから)
いや、太った野良猫はどこにでもいるだろ……まぁ聖徳太子のお題ってこんな感じやったな!と久しぶりのくだらなさを笑うお二人。
何てワードで踏んでたかあんまり覚えてない~~けど、お題全部出すのに前よりちょっと時間かかってた。いやしかし、この光景がまた拝めることがありがたいんですわ……。

DJ松fxxkin’永ルーティン
松永さんの乗ってた台がせり上がってターンテーブルごと高みへ──。曰く「俺の等身大」。
斜め後ろから見れるの貴重! ルーティン終わると台が下がってびびってたの可愛……格好良い!

新曲『Bad Orangez』(YouTubeの表記)
ある対象に向けてとは……? もう考察されてます? 爽やかでクラップハンズできて楽しい。西中島南方!

『グレートジャーニー』
客席の照明が点いて入場時と同じ明るさに。改めて、沢山のファンが集まってるんだなあと実感。12日は配信のためか照明そのままでしたね。
「またライブでお会いしましょう!」の言葉が嬉しかったです。その後、準ワンマンと全国ツアーの発表もあったし。

12日の配信で「なるべくいつも通りのライブの形にこだわった」と言ってたお二人。
ゲストもいないし特殊な演出もほとんどなかったことに、そのとき初めて気づいてハッとした。
ありがたいことにライブハウスとそう変わらない距離で見れたファンの感覚としても、一瞬、武道館に来ていることを忘れるくらい、あのCreepy Nutsのライブの空気だった。
もちろん、今までの集大成のような意気込みは感じたし、すごい広さと人数だなあとは思った。しかも生で見るのは約1年振り。でも、わたしの大好きなCreepy Nutsのライブの空気が、彼らの生々しい人間としての格好良さがそのまま武道館にあったんですよ……!

売れたら嬉しいけど売れすぎたら寂しいという気持ちもある。でも、心配ないというか。そういうことじゃないというか。
売れきったら売れきったで、そのときの曲を聴かせてほしいし、そのときの姿を見せてほしい。
他の人にとっての定義は知らないけど、彼らの現在と自分の現在との間で鳴る音楽、生まれる感情がわたしにとってのCreepy Nutsですから。
改めて、彼らの音楽と存在が自分の人生の中にあって幸せ、ということです。
レポとは…………?

以上、Creepy Nuts武道館についてでした。

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