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【目指せソムリエ#14】ワインラヴァー垂涎の的!ブルゴーニュ

はじめに

皆さん、こんばんは。学習は進んでいますか?4月に入り、試験まであと4ヶ月となりました。覚える事はまだまだたくさんあるのに、時間の流れがあまりにも早いですね・・・。でも、今から本気を出せばまだ間に合います!!

今回はボルドー地方に次いで覚えることの多い、フランスのブルゴーニュ地方です。ブルゴーニュ地方は、誰もが1度は憧れる、魅惑的なワイン産地です。

私の好きなワインの言葉に「神様がカベルネ・ソーヴィニョンを造り、悪魔がピノ・ノワールを造った」というものがあります。

比較的栽培しやすく、世界中で成功を収めているカベルネ・ソーヴィニョンは神様に愛されていると言えます。対してピノ・ノワールは気まぐれで病気にもかかりやすく、とても手間のかかる、栽培の難しい品種です。しかし上手く造れると本当に華やかで官能的で美しいワインができます。産地の差や天候の差が出やすく、評判の造り手にもボトル差があり、必ずしも品質の高いワインが約束されているとは限りません。しかし、人々はピノ・ノワールに恋焦がれてピノ・ノワールを求めて止まない事から、ピノ・ノワールは悪魔が造った、と比喩されるのです。

ブルゴーニュ地方はそんなピノ・ノワールの聖地です。

ブルゴーニュの概要

フランス中東部に位置するブルゴーニュは、世界的に有名なワイン産地の一つです。
ブルゴーニュは、ボルドーと並んで数多くの銘酒を生み出すことで知られています。

中世以降、キリスト教の修道会がブルゴーニュのワイン造りを洗練させ、その後、ブルゴーニュのワインは世界中で愛されるようになりました。現在では、ブルゴーニュワインの売上は年々増加しており、2015年から2019年までの5年間で、ボージョレを除いたブルゴーニュワインの総売上は20億ユーロに達しました。そのうち、約55%が輸出で稼ぎだされており、日本は金額ベースで米国、英国に次ぐ第3位の輸出先になっています。

ブルゴーニュ地方は南北に約280kmの広大な範囲をカバーしており、半大陸性から大陸性気候が一般的です。夏は暑くて太陽に恵まれ、冬は寒いのが特徴です。

ブルゴーニュの歴史

ブルゴーニュのブドウ栽培の歴史は古く、ローマ人がガリアを支配した後にブドウ栽培が始まったと考えられています。910年には、ベネディクト派のクリュニィ会が設立され、1098年にはシトー会が設立されました。両修道院は、現在の銘醸畑の一部を築いたと言われています。

1363年には、フィリップ・ル・アルディ豪胆公ごうたんこうがブルゴーニュ公爵に就任し、4代にわたる最盛期の礎を築きました。

1477年には、ブルゴーニュ公国がフランス王国に敗れ併合されました。17世紀には、宮廷でブルゴーニュ・ワインが流行し、修道院が衰退し、貴族の畑取得が進みました。1789年には、フランス革命が勃発し、以降も相続や売却により畑が細分化されました。しかし、今でもブルゴーニュのブドウ畑は非常に高い評価を受けており、2015年には、「ブルゴーニュのブドウ畑のクリマ」ユネスコ世界遺産に登録されました。


ブルゴーニュのブドウ品種

ブルゴーニュは一般的に単一品種によるワイン造りが一般的に行われています。例えば、シャルドネ100%、ピノノワール100%といったように、多品種をブレンドしない造りです。

ブルゴーニュの最も重要な白ブドウはシャルドネです。アリゴテは酸が高く避けられてきましたが、温暖化が進む近年ではその品質が見直されつつあります。10年ほど前に私がワインショップで働いていた頃アリゴテを「酸っぱすぎる」という理由で返品にいらしたお客さまがいたのを思い出します・・。最近のアリゴテは本当にクオリティが高くなっていように感じます。

コート・ドールで最も重要な黒ブドウは皆さんご存知の通り、ピノ・ノワールです。ブルゴーニュのピノ・ノワールは世界中のワインラヴァーが憧れる、高品質なワインです。あの高級ワイン「ロマネ・コンティ」もピノ・ノワール100%で造られたワインです!

また、ボージョレ・ヌーヴォーで有名なボージョレ地区では、栽培面積の98%がガメイです。コート・ドールでももともとはガメイの樹が多くありましたが、1395年に、フィリップ豪胆公ごうたんこうがコート・ドールでガメイの植え付けを禁止し、ピノ・ノワールを奨励しました。その時、今のボージョレはブルゴーニュ公国の支配下になかったので、ボージョレではガメイが生き延びる事が出来ました。

ブルゴーニュの郷土料理

ブルゴーニュの郷土料理は、その土地特有の素材を使ったシンプルで素朴な味わいが特徴です。

ブルゴーニュの郷土料理としては、エスカルゴ・ア・ラ・ブルギニョンヌジャンボン・ペルシエなどがあります。で、バターとニンニクの香りがたまらないブルゴーニュ風のエスカルゴ(カタツムリ)の殻焼き。フランス料理だけでなくイタリア料理でも提供される事があり、日本だとサイゼリヤの人気メニューにもなっていますね!

また、ブルゴーニュの代表的な肉料理として、雄鶏を赤ワインで煮込んだコッコ・ヴァンと牛肉を赤ワインで煮込んだブフ・ブルギニョンがあります。日本のワインバーやビストロでもよく見かけます。

ブルゴーニュのA.O.C

ブルゴーニュのA.O.C.は階層構造になっており、限定された範囲のA.O.C.ほど規定が厳しく、格上となります。

A.O.C.の底辺は地方名A.O.C.で、その上に村名A.O.C.があります。村名A.O.C.のワインは、単一区画で造られたものはラベルにその区画名を名乗ることができます。

1級畑に格付けされた区画はプルミエ・クリュと呼ばれ、区画名とともに表記することができます。特級畑はそれだけで独自のA.O.C.になっています。ただし、シャブリの特級畑のみは例外で、シャブリ・グラン・クリュという1つのA.O.C.の中に、7つの特級の区画が存在します。

2011年には「ブルゴーニュ・ガメイ」が設立され、ボージョレ地区全体を含む地方名A.O.C.も現存します。広域のA.O.C.ブルゴーニュは4県の314の市町村に与えられ、遠く離れた地区のブドウもブレンド可能です。主要品種はシャルドネとピノ・ノワールですが、他品種のブレンドも認められています。


シャブリ地区

ヨンヌ県に位置するシャブリは、ブルゴーニュ地方の北西部にあるワイン産地で、冷涼な気候が特徴です。春先にはしばしば遅霜に見舞われることがあります。
SNSでは遅霜対策のためにキャンドルを灯して対策をしている風景が見られることもありとても綺麗ですが、生産者の方々はかなり苦労されていると思います・・・。

シャブリ地区は、ピュアな白ワインの産地として有名です。シャブリ地区はスラン川を中心に、東側の右岸と西側の左岸の丘陵地にブドウ畑が広がっています。土壌はジュラ紀後期のキンメリッジアン土壌で、小さな牡蠣の化石であるエグゾジラ・ヴィルギュラがみられます。これがシャブリの大きな特徴であるミネラル感をもたらす鍵だと考えられています。やたらと「シャブリには牡蠣」という謳い文句を耳にしますが、ちゃんと理に適っているようです。また、現地の言葉ではシャルドネの事をBeaunois(ボーノワ)と呼びます。

シャブリは、ワインの品質によって4段階のAOC (Petit Chablis, Chablis, Chablis Premier Cru, Chablis Grand Cru) に分類されており、AOC Chablisが面積最大、生産銘柄最多となっています。

前述の通り、シャブリ・グラン・クリュという1つのA.O.C.の中に、7つの特級の区画が存在します。こちらの位置関係は地図問題として頻出なので、並びをよく確認しておきましょう!Chablis Grand Cruの中で面積最小はGrenouilles グルヌイユ面積最大はLes Clos レ・クロというのも要チェックです!

グラン・オーセロワ地区

シャブリ地区の南西にはグラン・オーセロワ地区があり、イランシー、サン・ブリ、ヴェズレーなどのA.O.C.があります。

イランシーはピノ・ノワールが主要品種ですが、補助品種セザールとピノ・グリを合わせて10 %までブレンドすることが許されています。
サン・ブリはブルゴーニュでソーヴィニョン・ブラン(またはソーヴィニヨン・グリ)が認められている珍しいA.O.C.です!

コート・ド・ニュイ地区

ブルゴーニュ地方のブドウ畑の中でも珠玉の特級畑を擁し、数々の銘酒を生み出すコート・ドール県。コート・ドールは「黄金の丘」という意味で、収穫後、丘の斜面に広がるブドウ畑が一面黄金色に輝く様子を表しています。


コート・ドールは2つの産地に大別され、ディジョンからコルゴロワンまでの北部をコート・ド・ニュイと呼びます。

コート・ド・ニュイはとりわけピノ・ノワールから造られる赤ワインの銘醸地で、白ワインはごくわずかです。オート・コート・ド・ニュイはコート・ド・ニュイの丘向こうにある、一段と標高の高い丘陵地です。冷涼な気候で、以前は線の細いワインが多かったのですが、地球温暖化の影響でブドウの熟度が増し、注目を集めている産地となりつつあります。

村の並びは北から南にどのような順で並んでいるか、よく問われます。生産可能色も合わせて覚えましょう!


コート・ド・ニュイで特級畑(グラン・クリュ)を所有する村は、ジュヴレ・シャンベルタン村、モレ・サン・ドニ村、シャンボール・ミュジニー村、フラジェ・エシェゾー村、ヴォーヌ・ロマネ村、ヴージョ村です。どの畑がどこの村に属するか言えるようにしておかないといけません。また、グラン・クリュも南北に並べ替える問題がよく出されています。

また、ジュヴレ・シャンベルタンとヴォーヌ・ロマネ近辺のグラン・クリュ畑の位置関係も地図問題として頻出です!

ジュヴレ・シャンベルタン村のグラン・クリュ
ヴォーヌ・ロマネ村、フラジェ・エシェゾー村、ヴージョ村のグラン・クリュ


コート・ド・ボーヌ地区

コート・ドールの南半分、コルトンの丘からA.O.C.マランジュを構成するソーヌ・エ・ロワール県の3ヵ村までの地域をコート・ド・ボーヌと呼びます。コート・ド・ニュイに対するオート・コート・ド・ニュイと同じく、西側の小高い丘があり、この地域はオート・コート・ド・ボーヌと呼びます。コート・ド・ニュイがほぼ赤ワインの産地なのに対し、コート・ド・ボーヌの多くの村では赤と白が造られており、ムルソー、ピュリニィ・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェの3ヵ村では、高価格で取引される世界的に有名な白ワインが生み出されています。

コート・ド・ボーヌには、村と村をまたがるグラン・クリュが多くあります。特にピュリニィ・モンラッシェ村とシャサーニュ・モンラッシェ村をまたがる2つのグラン・クリュは地図問題がよく出るので確認しておきましょう!

コート・シャロネーズ&クーショワ地区

コート・ド・ボーヌの南に連なり、シャロン・シュール・ソーヌの西に位置するワイン産地がコート・シャロネーズです。原則、ピノ・ノワールから造られる赤やシャルドネから造られる白が造られていますが、ブーズロンではアリゴテが使用されています。コート・シャロネーズのワインはコート・ド・ボーヌのワインと比べると、価格も少しお安めで、カジュアルなワインが多い印象です。


マコネ地区

マコネは、コート・シャロネーズの南にあり、西側の丘に広がるワイン産地で、シャルドネから造られる白ワインが特に人気が高く、80%以上が白ワインを造っています。また、ガメイによる赤・ロゼワインも生産されています。
なお、2020年9月の会合で、22区画がプイイ・フュイッセ・プルミエ・クリュに昇格し、プルミエ・クリュ+畑名の表記が可能になっています。


ボージョレ地区

マコネの南から始まり、北から南まで55キロにわたる産地は、ほとんどが単一品種のガメイから造られるフルーティーな赤ワインで知られています。この地域は、地質遺産の多様性が認められ、2018年にユネスコの世界ジオパークに登録されています。

また、ボージョレ・ヌーヴォーは1951年に初めて解禁日が定められ、毎年11月の第3木曜日に発売されます。この地方の赤ワインは、セミ・マセラシオン・カルボニックと呼ばれる酸造法が好まれています。

おわりに

ここまで読んで下さったプレ・ソムリエさん、お疲れ様でした!
ブルゴーニュは位置関係と生産可能色は地図を眺めながら、繰り返し頭に入れていきましょう。

プルールではブルゴーニュはもちろん、世界各国のワインを取り扱っています。
オンラインショップにはほんの一部のみの掲載なので、ワインをご希望の方はお気軽にこちらまでご相談ください☆
また、よく見直しをしているつもりなのですが、noteの間違いに気がついた方はこっそり教えて頂けるととても助かりますm(_ _)m

【おまけ】
4月の学習カレンダーです!よければプリントして使って下さいね♪ 木曜日のグレーの文字は、リアル講座のスケジュールです。


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