もしまた貴方に出逢えたら

 あの日、小3の始業式の日。

私のクラスだけ担任はおじいさんに近い歳のおじさんだった。

怒鳴っている姿を見た私は怖い以外の印象は抱かなかった。

ただ、ひたすら勉強を頑張っていた私は

おじいさんではなく、先生に褒められて1年間を過ごした。

算数ドリルも全問正解でいつも1番、

テストもいつも100点で懇談の時も最大級に褒めてもらった。

そんな先生は他には居なかった。


 そして時は経ち小学六年生。

小3の時の担任の先生は家庭科の先生になっていた。

私は受験のため1月から1ヶ月間学校を休んで2月から学校に行った。

3学期初めて登校した私は、その先生に出会った。

その時に「お疲れ様、受験はどうだった?」と聞かれた。

私は正直な話をしたが、その先生はにこやかな笑顔で

「大丈夫。貴方にはきっと輝いた未来がある。」

と言葉を掛けてくれた。

小6の時の担任でさえ、言わない言葉をどうしてこの人は言うのだろうか。

今思えば、それはこの人の生徒への愛情ではないのか。

きっと、貴方は私の中で大切な人のうちの1人だった。

そんな貴方も2年前には逝去され、もう二度と会えなくなった。

最後の会話がまさにこれだった。

私は私にそれ程まで勇気づけてくれた貴方に伝えたい。最高のありがとうを。

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