ペットの終身飼育

私は、2年ほど前の話になりますが、ブリーダーさんから商品として売れない、足の悪いワンちゃんを引き取って、家族として迎え入れました。
引き取ると決めるまでには、もし自分に何かあったら家内が面倒をみてくれるのか、もし自分に手に負えないような性格の子だったら、ブリーダーさんのところでどのような生活をしているのだろうか、、、沢山の不安がありました。
約3年前に1つの小さな命を看取ったばかりでしたが、このワンちゃんを引き取るのであれば、絶対に自分が看取ってやらなければならない!と心に決めていました。

まずは、自分の歳から男性の平均寿命までとワンちゃんの寿命を考えても、大丈夫だろう。現在、私は病気などもなく通院もしていないので、事故などに合わなければ寿命までは生きられるだろう。
同様に家内の歳から女性の平均寿命までとワンちゃんの寿命を考えても、大丈夫だろう。同じように、病気などもなく通院もしていません。
ブリーダーさんのところでの生活によっては、人間に慣れていないのかなぁ、または逆に、人間に敵対心をむき出しなのかなぁ、と両方を考えましたが、それは人間がしてしまったことであり、どれだけの時間を要しようが、私たちがそれを受け入れて向き合ってあげることが一番だろう、という考えで収まりました。

そのワンちゃんを迎え入れて約2年になります。
このワンちゃんの事は、改めて皆さんにお話ししたいと思っています。
今朝、ワンちゃんと散歩をしていました。すると、一度、会ってお話をしたことのある叔母さんが立っていて、声をかけてくれました。
色々とお話を聞いていると、叔母さんの飼っていたワンちゃんが亡くなってまだ半年くらいのようです。
もともと心臓が悪くて病院に通院しながらお薬を飲んでいたようです。
散歩中に突然の心臓発作がおきてしまったようで、その場で亡くなってしまったそうです。
その後2.3カ月はワンちゃんを見るのも辛くて、、、と言っておられました。
最近になって、ワンちゃんをみることができるようになったので、散歩をしているワンちゃんに声をかけ始めたんだそうです。
この叔母さんは、ワンちゃんに手を出すときに、「パー」ではなくて軽く握って出してくれました。
すごいんですよ!!
前に会った時にお話しをしたことを覚えてくれていました。
実は、私のワンちゃんは手がパーで近づいてくると怯えることが多いんです。私達も手を出すときはなるべくゆっくりと下から移動させるように気をつけています。あと、傍に寄る時もしゃがんでなるべく視線を合わせて寄るようにしています。
この叔母さんは心からワンちゃんの事が好きなんだなぁ、と思って話を続けていました。

叔母さんから、「本当はワンちゃんを飼いたいんだけど、この歳だから、、、」と言われました。
続けて、「先に私が居なくなったら、この子のことが心配で。やはり飼うことができないのよ。」とも言われていました。
よかった、やはりこの叔母さんはワンちゃんを愛している人なんだなぁ、ととても嬉しく思いました。
私も同じことを思っていることをその場でお伝えしました。

自分が寂しいという思いだけで飼ってみて、病気で飼えなくなった、食事代がだせないから飼えなくなった、電気代がもったいないから、、、というやむを得ない理由ではあると思いますが、飼い主さんの一方的な理由で手放してしまうという事は、結果として、、、、ワンちゃんが可哀そうではありませんか?
信頼して、愛していたのに、家族だったのに、楽しみも悲しみも共に感じていたのに、、、その人間に捨てられるなんて。
ワンちゃんの心の傷はとても大きな物として残ってしまうんだと思います。

生意気なことを言ってすみませんが、看取ることができないような環境や状態であれば、ペットを飼わないことも愛情の証だと思います。
私たちのように言葉はしゃべりません。
ペットは私たちと姿は違いますが、私たちと同じように、叩かれると痛く感じます、褒めてもらうと喜びます、歳を取れば介護も必要になってきます。
同じ感情をもった命のある生き物であることを考えいただければと思います。
ぜひ、ペットを家族に迎えられることを考えた際には、終身飼育についても考えてあげてくださいね。

長文になりましたが、最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

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