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『レディーガガ・クロマティカ』アルバムレビュー【音楽】

↓↓動画はこちら↓↓


**Lady Gaga **

Chromatica

はいということで本日は

レディーガガの3年半ぶり6枚目のフルレングスアルバムレビューさせて頂ければと思います。

今作を初めて見たのは、今作のリードシングルのstupid loveのビデオがリリースされた時で、

このビデオの最初に出てくる、

争いが絶えずに、部族は征服の為に闘う。
精神世界に生きるものは、祈り、眠る。
親切でパンクなものはクロマティカの為に闘う。

この一説を見た瞬間にこのアルバムが

’’愛’’

をテーマにしたコンセプトアルバムになることが一目でわかりました。

アルバムタイトルである’クロマティカ’は

2つの意味を持っていると思っていて、

**「争いが絶えず、ガガが愛を持って救おうとしている惑星」 **

もう一つは

**「ガガの頭の一部」 **

これに関してガガはインタビューにてこの様に述べています。

「私の頭の一部は常に音楽で出来ていて、これが私の抽象的でもあり文学的な表現方法なの。
私はいつもダンスミュージックを作ってきた。だけど今回のダンスフロアは私が勝ち取ったものであり私が駆け抜けてきたもの。それに対してもう痛みは抱える必要はなくて私のものとして発信できる時が来たの。」

このインタビューから分かる通り

**ガガが抱えてきた痛み・愛。その他全ての感情が内包されている惑星 **

それがクロマティカなのかもしれません。

このアルバムは
3つのチャプター
に分かれていて

**クロマティカⅠ・Ⅱ・Ⅲ **

この

3という数字

がこのアルバムで大きな意味を成してきます。

**3つのセクション **

**3つのシングルリリース **

**3人とのコラボーレーション **

**3年ぶりのアルバム **

この3という数字に何か意味が隠されていると思うのですが、

その意味が分かる人はコメントにて考えを共有していただけると嬉しいです。

それでは、トラックのレビューをどんどんしていければと思います。


**「Alice」 **


「私の名前はアリスでは無い。私はワンダーランドを探し続けるの。」

という歌詞とダンスムーブはアルバムの夜明けを見せ、

ここでいうワンダーランドというのはクロマティカのことなのかもしれません。

もしくはワンダーランドという愛に溢れた世界を自分で作り出そうとしている

ガガの意思がとても力強く反映されています。


**「Stupid Love」 **


この曲でクロマティカに降り立ち、ガガが愛を求め戦い始めます。

このビデオでは

赤と青

の色が二つの対立構造を持って沢山出てくるのですが、

これはアメリカの共和党と民主党の色でもあり

アメリカ国旗の色の対比構造でもあります。

その様な意味で白と黒ではなく

**現在社会で起きている対立を赤と青で反映させ、 **

それに対し「私が欲しいのは愛なの。」と分断された社会に対しての叫びを唱えます。

楽曲は近年のガガでは一番ダンスポップが聴いていてNYのSOHO辺りを

この曲を聴きながら散歩したくなります。

「Rain on Me with Ariana Grande」


この曲は失恋ソングでもあり友情ソングでもあります。

ガガとアリアナの友情関係は非常に深く、

ここでいうrain on meという歌詞は

「あなたに雨が降る時は、私にも雨を降らせて」

と言わんばかり

インタビューで

「あなたが泣く時は、私も泣くわ、踊りながらね」といったらしいです。

近年元彼のマックミラーを亡くすなど非常に

悲しいことが大きく降りかかった彼女に対して

一緒に曲を作ることで絆はもっと強くなり。

その様な背景を知ると

サビの歌詞はもっと深い意味を持って聴けると思います。

「Free Woman」

ミュージックプロデューサーにセクハラされたことをきっかけに作った曲です。

I'm not nothing without a steady hand (I'm a free woman)

I'm not nothing unless I know I can (I'm a free woman)

I'm still something if I don't got a man

I'm a free woman, oh-oh (Be free; c'mon, woo)

という歌詞は全てのセクハラで悩む女性の背中を押し

今のガガの強さを物語っています。

「Fun Tonight」 

も曲のタイトルから分かる通り

シンプルに何も考えずに楽しめる曲で

夜11時から夜明け5時までの

クラブライフを想起させます。

ここまで本当に捨て曲がなく

全ての曲がシングルカットになるくらいのレベルの高さで驚きます。

ここで「 Chromatica Ⅱ」を通して

アルバムは第二章に向かっていきます。

ここからシンセデジタル音

例えば

「911」や「Plastic Doll」「Sour Candy」

等々の曲が増えていき、

特に「Plastic Doll」は6曲目「Fun Tonight」にも大きく通ずる

女性の強さと自由というテーマが大きく反映されています。

ハウス音楽色の強い

**「Enigma」 **

では “We could be lovers, even just tonight”

という歌詞からも分かる通り

性への喜びが強く歌わます。

この様に大きな声で開放的な描写を音楽に載せて歌うことが出来る点も

レディーガガならではですよね。

アルバムは

「 Chromatica Ⅲ」を通していよいよクライマックスに近づいていきます。

エルトンジョンとのコラボ

「Sine From Above」

では

幼少期から本当に過酷の体験をしてきた二人の強い告白を歌います。

幸福感に溢れた高音ビートとラッシュが

音楽がどんなダメージも和らげてくれることを力強く訴えます。

アルバムの中でも最高にライブで盛り上がる曲になっていて

ライブでこの曲をコラボで歌われたら

全員泣く気がします。

**「babylon」 **

バビロンとは古代メソポタミアの都市で、

この曲を最後にする意味は

最後に見つけたクロマティカはバビロンだったということでしょうか。

歴史は繰り返されるという意味をこの曲から受け取りました。

全体的に見て

これまでより一層ピュアなポップアルバムだと思いました。

キャッチーで煌びやかなコーラスと地に足がついたプロダクション。

傷ついた心をクロマティカという場所に例え

それを音楽という愛を持って癒すと共に

人として力強く生きるために背中を押してくれる

コンセプトアルバムになっています。

曲の順序も完璧にオーガナイズされ

アルバムを聞く中で物語を自分の中で見つけていく形式は

これまでの音楽には無いガガだから出来るものだと思います。

果たしてあなたはクロマティカを見つけられるのでしょうか。

ではまた


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