見出し画像

『ゆうらん船・MY GENERATION』アルバムレビュー【音楽】

ゆうらん船

My Generation

↓↓動画はこちらから↓↓

本日はゆうらん船でMYGENERATIONをレビューさせて頂ければと思うんですけども、

今作は半年位前にレビューさせて頂いた、

私の大好きなシンガーソングライター内村イタル率いるゆうらん船の1stアルバムであり、昨年10月の「ゆうらん船EP2」以来約半年ぶりのリリースになります。

今作を聴いた第一印象は

「フォークとサイケの融合」です

その美声と優しいフィンガーピッキングが綴るフォークやアコースティック系統を残しつつ、

新たにサイケデリックな要素が要所要所で加えられることで、

より壮大でオーケストレーションチックなサウンドにて

ビートルズのリボルバーのような

これまでのゆうらん船とは一味違った風味を感じられることが出来ると思います。

そんな新しさの中に古き良き時代が感じられるアルバム

My Generationをどんどんレビューしていければと思います。

1曲目

Chicago.IL

優しさに溢れたフィンガーピッキングで始まり、

所々にシンセが入り、

最終的にはバンドアンサンブルに変貌を遂げていくのですが、

今作は全体的にこれまでよりも

内村さんのソングライティングと優しいギターに

新たな音例えばシンセ等々の音やバンドの音が加わることで

非常に曲の印象や特徴が段階的に変貌を遂げていき、

聴き終わったら、曲の中から様々な顔が覗いているよう曲が多いです。

Chicago.ILも落ち着きのあるサウンドから壮大なサウンドへ変わっていく点で 、それが非常に感じ取れると思います。

ギター単体で聴くだけでも美しいのに、

更に違う音色を楽しめるのはもうずるいですよ。

2曲目

鉛の飛行船

ゆうらん船らしさ全開の1曲目で始まったと思ったら、

2曲目はこれまでのゆうらん船とは全く違う楽曲の構成となっていて、

重いピアノの音色に変声機でロボットチックな内村さんの声で歌われます。

ロボットの声になったと思ったら、また普通の声に戻ってと行ったり来たりしながら

最終的に内村さんの声に戻り、ピアノやドラム

そして木琴がアクセントを加え

どこか懐かしの別荘の木漏れ日とロッキングチェアーを想起させます。

曲の構成の起伏は激しいのにも関わらず、

内村さんとアンサンブルの優しい音色が

激しさを優しさと温もりに変えてくれるような曲です。

4曲目

Waltz


少し悲しげを表情を見せたピアノサウンドで始まり、

古い大屋敷を連想させるシンセと重く響くベースが

右から左へと行ったり来たり、

また一拍ずつ止まったり止まらなかったり、

最終的にまとまったかと思ったら

不思議な感覚を保ちながら終わっていく曲です。

ピアノの音がベースとなって常に耳に響くのですが、

そこにシンセやドラムベース、ギターが乗っかり

曲の印象を変えられているのにその要因があると思います。

5曲目

●太陽

一貫した連続するバスドラとシンセに

そのメロディーに合わせて歌われる

太陽をテーマにした歌詞

夜のど真ん中壁を塗りつぶす
猛烈な口付けみたいに
隠してしまった、隠れてしまった

あえて太陽が落ちることで発生する影を

口付けに例えているのを聴いた時に、感動すると共に

本物の詩人だな共思いました。

終盤では下地のメロディーが半拍ずれることによって

同じ歌詞を歌っているのに、

少し違和感を感じさせ

それによって前半とは違う印象を持たせます

10曲目

この曲は1曲目のChicago.ILと最後の曲Rainと同じくらい僕が大好きな曲で、

これまでのゆうらん船の色が非常に出ていると思います。

シンプルなのに遊び心があり、

美しいクラシックピアノと左方向でなるシンセが融合し

そこに美しい内村さんの声が化学反応を起こし

山というタイトルのように、

霧が明けた山のように壮大なのにも関わらず、

どこかその山に登っているのではなく、

その壮大な山を雨の日に窓から見てるような気分になる理由は

シンプルなのに重厚。

重厚なのに複雑。

複雑なのにシンプル。

という点に要因があるのかもしれません。

最後の曲

Rain

どこかカネコアヤノさんが重ねて聞こえてきます。

所々シンセ等々が入ってく流のですが、

ほぼ内村さんの弾き語りとなっていて、

最初からバンドアンサンブルが続く中で、

最後に弾き語りという形は

非常に新鮮で、

1曲目から11曲目まで非常に重厚な音が続く中、

最後の最後はカラッとアルバムが終わります。

全体的にみると、

これまでのゆうらん船の音に新たなサウンドや試みが加わることで、

一曲の中でどんどん味が変わり最終的に違う味になったと思ったら、

最初と同じ味に着地する、

表面と下地が同じ土で、間にある地層は全て違う土のような

地層的アルバムになっていると感じました。

内村さんの作詞センス・声は非常に美しく

永井さんの華麗なピアノ

伊藤さんの印象に残るシンセ

独特のテンポの本村さんのベース

安定の砂井さんのドラムが一つとなり

山のような壮大で

どこか都会の排他的な風景がミックスされた

雨の日に窓から自然を見ているような感覚になるアルバムでした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?