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『ケイティ・ペリー/SMILE』アルバムレビュー【音楽】


はいと言うことで本日はケイティーペリーでスマイルをレビューさせていただければと思うのですが、

今作は前作のウィットネス以来3年ぶりのアルバムになっており、

彼女が久しぶりに笑顔を取り戻したアルバムと彼女も述べているのですが、

同時に彼女がどん底にいた時に書いた曲が多いとも述べております。

長年のテイラースウィフトの確執が彼女を疲れさせていたのは確かで、

両アーティストの過去のアルバムを聴いていると両者を強烈に意識しているのがわかり、

そういった人間関係の疲弊が人生の底にいる様な気分にさせるは理解できますし、

それが両者の音楽にも現れていましたよね。

今作はそんな悲しい気持ちにいる自分を奮い立たせると言う意味でも、

自分自身に元気を与える様な曲が多く、それが周りまわって視聴者に伝わります。

先日オーランドとのお子さんも産まれ、幸せの絶頂にいる彼女の今作スマイルをレビューさせていただければと思います。

今作を一言で表すと、

「自分自身を強く持つこと」です。

前作は非常にダークダンスミュージック調のエクスペリメンタルな曲が多かったのですが、

今作は音楽的に彼女の原点ポップに立ち返りながら、

彼女の芯が立っていて、

初期のポップポップではなくどちらかと言うとジャスティンビーバーのパーパスと言うアルバムに近いポップなのだけでただ明るいだけではなく、

人生の中で経験した痛みや苦しみから立ち直る力を音楽というフィルターを通して伝えてくれている気がします。

1曲目の Never really overは今作のリードシングルであって、

最高に幸福感に溢れ、これぞケイティーらしさというものが溢れています。

ここでいうnever really overはオーランドブルームとの関係を表現していて、

幸福に溢れたビートの粒と彼女の波打つ様な声は、 彼女の幸せの絶頂を表しています。

1曲目は非常に明るくこれはきたぞっ!と思わされたのですが、

そこから終盤まで個人的に惹かれる曲は少なく、

曲の波が少ない点は残念でした。

アルバムのタイトルになっているスマイルという曲は

メッセージとして彼女のヒット曲fireworkと重なる部分が多く、

ポップではあるのですが、どこか乗り切れない部分はサウンド面に関しては多く見受けられました。

4曲目のdaisiesはこのアルバムの中で一番人気のある曲で

イントロが最小限に抑えられている点と、曲の構成がしっかりとメロディーやサビが分かれている点は今のサブスクデジタル時代にうまく対応しているなと思いました。昨日産まれた赤ちゃんの名前がデイジーという名前らしく彼女のことを歌った曲になります。

3曲目の Teary Eyes はクラブを想起させる様に跳ね返る活発なリズムの

“keep on dancing with those teary eyes.”という歌詞が印象に残ります。

このアルバムで言えることで

非常に気持ちいいメロディーではあるのですが、

残念なことに聴き終わった後に頭に残らないんですよね。

しかし、

9曲目のtuckedでは1曲目と同様にバランスの取れたメロディーと印象に残るギターとベースrラインにポジティブなペリーの声が初期の彼女を思い出させつつ、

マルーン5を想起させるポップロックサウンドも同時に体感できると思います。

そして最後の曲

What makes a womanはこのアルバムで一番好きな曲でもあり、

次の彼女のアルバムに繋がる曲だと思っていて、

このアルバムの中で一番バランスが取れていて、

静寂の中にギターと彼女の声だけで構成された曲は耳の奥まで突き刺さりますし、

どうしてもダンスポップにしてしまうとメッセージ性が失われてしまうことがあるのですが、この曲ではそういったのが一切なくテイラー新作フォークロアーに近い物を感じました。

全体的にみると、

印象に残る曲は多くはなかったのですが、

私生活の面で辛い思いをしていた彼女が作った、

彼女のリハブの様なアルバムだなと感じています。

全体で見た時に1曲1曲のパンチは少ないのですが、

彼女の新たな音楽の芯は伝わりました。

ただこれまでポップの女王として君臨してきた彼女が

その音楽性を扱い切れていない点と

これから新しい音楽性とどう向き合っていくか

それを探っている段階だと思います。

なので、私生活の波が落ち着いて

もう一度気持ちの揺れがなくなった時に彼女はもう一度復活すると思います。

その時どんな音が待っているか楽しみにしたいと思います。

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