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モンテッソーリ・ノート「私たちの未来」

真の子ども

 二度の世界大戦を経験したマリア・モンテッソーリは、明日への希望を子どもたちに託した。未来の建設者である子どもの姿を次のように表現している。

 ≪・・・決して疲れることのない活動者、最大の努力を求める穏やかな子ども、人の独立に敬意をはらうことを知り弱者を助ける子ども、このような子どもがまさに真の子どもだったのです。(『新しい世界のための教育』マリア・モンテッソーリ/青土社)p.159≫

 先日こども園で、枠の中に小さな玉をはめるおしごとをしていた子が、たくさん玉を器から床に落としてしまった。見ていると数人の子どもたちがすぐに集まってきて、机に下に潜り込んだりして玉を拾っていく。先生に「拾ってあげて」と言われたわけでなく、自然発生的な行動である。このような光景は、トレーニングセンターの実習でもしばしば見うけられた。

 『言語教育』に「移動五十音」と言われる教具がある。2cm四方ほどのプラスチックの板に、「あいうえお」が書かれ、一文字につき5枚くらいが一枠に入っていて、全体の箱はかなり大きい。これを子どもがよくひっくり返し、文字を床にばらまく💦

 そしてどこでも、すぐに子どもたちが集まってきて片付けてしまう。

 これもモンッテソーリ教育の一環で、教師がそのように導いていると思っていたが、それもあるだろうが、子どもたちに備わった行動なのではないかという気がしてきた。

 こども園では4月からから新しい子が入ってきた。3歳に満たない子もいる。お集まりの時間に、急に不安になったのか泣き出した。先生が近寄り背中をさすっていると、子どもたち2,3人が近寄ってきて、その子の頭をなでなでして☺ほどなく泣き止んだ。

異年齢・縦割り

 モンッテソーリ教育のクラスは「異年齢・縦割り」である。新しい年下の子は、年上の子の姿を見て育つ。年上の子は、年下の子を何かと気づかいながら、自分を成長させる。

 モンテッソーリは次のように書いている。

 ≪・・・私たちの学校では、5歳の子どもは自分よりも小さい友だちの保護者だと感じています。・・・保護と称賛という雰囲気が5歳の子の活動をいかに活発にし、そして深めるか、想像するのはむつかしいでしょう。クラスは兄弟愛に結ばれた一つの集団になります(『子どもの精神』(マリア・モンテッソーリ/日本モンテッソーリ教育綜合研究所)p. 255)≫

連帯に基づく社会

 モンテッソーリは、「子どもの家」で子どもたちを観察する中、内面から湧き出る兄弟愛ともいえるきずなによって結ばれた「連帯に基づく社会」が築かれるのを目の当たりにした。

 私たちの未来は子どもによって作られる。

 モンテッソーリ教師のガイドとしての役割と責任は大きい。

#こども園
#モンテッソーリ

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