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和歌山 竹由庵合宿2024春 (研究生日誌たか)

竹由庵という古民家でのラボ合宿に参加した。合宿の模様は研究生仲間のゆきのさんがレポートしてくれているので、わたしは個人的なエピソードを綴ってみたい。

わたしは夫と小六息子と3人で合宿に参加した。他の参加者はラボ常連さんばかり。一方夫と息子はラボのワークショップに参加するのは初めてだし、羽地さんや由梨さんとも面識がない。うーん、大丈夫かなぁ・・・。わたしは内心とても心配だった。

無事竹由庵に到着して、駐車場に車を停めて、出迎えてくれた由梨さんに夫と息子を紹介した。するとどこからかインコが飛んできた!しかも、夫の肩にとまった!みんなでびっくりしていたら、息子の肩に飛び移り、わたしの肩にも乗ってきた!人慣れしたインコで、手を伸ばすと指にとまってくれる。インコはしばらくの間みんなに愛想をふりまいた後、勢いよくどこかへ羽ばたいて行った。

インコのお出迎え

大丈夫かなぁと不安になっていたわたしは、思いがけないインコの歓待を受けて、これは良い知らせに違いない。きっと大丈夫。と思ったのだった。


行きの車の中で、鷲田清一×松村圭一郎『所有論』刊行記念トークを聴いた。その中で、こんな話があった。現代では、この家や土地は相続した自分に所有権がある。お金を払った自分に所有権がある。だから、自分の好きにしていいんだ。という所有観が当たり前になっている。しかし、「これは今たまたま自分が預かっているものだ。これを大事に守って、未来に手渡していく責任が自分にある」という未来に向かう所有観もあり、そういう考え方が大事だ。という内容だった(と思う)。

今回訪れる竹由庵は、由梨さんの曽祖父のお家だったそうだ。その古い家がなぜかたまたま自分の手元に託されたと感じて、由梨さんは古民家と竹林の手入れをし、大事に使おうとしている(んじゃないかな)。そして、これは自分のモノだと握りしめることなく、ご縁のあった人たちと、そのかけがえのない空間と時間を分かち合っている。そうやって古民家と竹林に再び息が吹き込まれている。まさにこれって、鷲田氏と村松氏が語っていた未来に向かう所有観なんじゃないかなぁ。


竹由庵に入ると、息子はさっそく持参した漫画を読み始めた。4日間この漫画を繰り返し読み、繰り返し大笑いしていた。子どもの笑い声は、大人を無条件に幸せにするなぁ。

まるで我が家

夜は息子のリクエストでみんなでトランプをした。8人でババ抜きをしたら1時間もかかった。大人げない大人たちが本気でやるババ抜きは本当に楽しかった〜。

騙し騙されの真剣勝負!
さぁババはどっちだ?!

寝る準備をしていたら、家で留守番している高校生の息子がまだ帰宅していないことが判明。こんな夜遅いのにとわたしがヤキモキしていたら、ウララさんとゆきのさんが涼しい顔で笑い、お二人が高校生だった時に帰りが遅くなった話や、親に嘘をついた話、親に叱られた話なんかをしてくれた。「それで普通よ〜」「高校生なんてそんなもんよ〜」と笑ってもらうと、わたしもなんだか「そっか〜、そうだよね〜」と思えてきた。こういうの、本当にありがたいなぁ。

家族だけだとちょっとしたことでも簡単に煮詰まってしまったり、真面目に考えすぎてしまったりするけど、家の中に親以外の大人がいると、グッと遠くから、ものすごく遠くから、物事を眺められるようになるなぁ。竹由庵という場所だからこそ、お互いの存在が拡大家族的になっていくのを感じた。ありがたや。

灯りもかわいい

二日目、加茂神社での餅まきに参加した。大きくて重たい餅が投げられて、それを大人の男たちが奪い合い、倒れ合う姿に、わたしは「怖い〜!怖い〜!」と言いながら後方で見ていた。怖いもの知らずの小六息子は喜んで参加したものの、「手を伸ばしたら腕の上におじさんに乗られて、骨が折れるかと思った」と言い、大人の男の恐ろしさを肌で感じたようだった。もう本当に無事でよかった〜。

四方八方に餅が投げられる

それにしても、息子にとって親以外の大人と一緒に生活することは、いい経験になっただろうなぁ。

竹の切り方を指南してもらう
おじちゃんに甘えんぼ
サプライズ誕生日パーティもしてもらったよ!

息子も、夫も、わたしも、いろんな人と生活を共にして、いろんな関わりをいただいた。なんだか家族の間に風が吹き込まれたようだった。ありがとうございました。

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