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「家で出来る演劇と岸田國士」_コロナ対策と収支の話


#家で出来る演劇 ディレクターの日野あかりです。

8月8日・9日に上演した「家で出来る演劇と岸田國士」のまとめとして、実施した新型コロナウィルス感染拡大防止策と、収支表を公開したいと思います。


新型コロナウィルス感染拡大防止策の話

上演時のガイドラインについては、下記の記事にまとめています。基本的な対策はここに記載のあることを実施しました。

それ以外に特筆すべきかな、と思ったのは稽古をバラバラに実施したこと出演者のPCR検査の実施です。


■稽古をバラバラに実施したこと

通常の作品だとなかなか難しいことではあると思いますが、今回の上演を企画するにあたって「もし誰かが新型コロナウィルス陽性、あるいは濃厚接触者となった場合でも上演可能な形」を考えようと思いました。

そのため、3作品の出演者を別々にし、稽古時間・場所も異なるように調整しました。
(日野だけ2作品出演してますが、もし私に何かあった場合は公演自体打てないので…)
特に6・7月頃に多かったように記憶してますが、出演者や関係者にコロナ疑いが発生した場合に「即刻中止」となる舞台があり、それはおそらく論理的な判断というよりは、精神的な理由も大きくあったのではないかな、と思っています。
実際に公演を打って思ったのは、この時期に公演を打つには「この時期にやりきる理由・動機」が必要不可欠だということ。だって、(後述しますが)とっても高い確率で赤字になります。赤字になった上で上演ができない可能性もあります。その精神的な負担に耐え切るには、結構な動機付けが必要です。
なのであらゆる場合に対して事前に考えて、どういう対策をするのか・判断をするのかを考えておくことが大事だし、それを文章や書類の形に残しておくことが必要だと思います。焦ったり不安になったりしたときに立ち戻れるものがあるのは支えになります。
今回であれば、俳優の皆さんとは契約書を交わしました。コロナ含むなんらかの状況で上演中止の判断をする際の責任の所在、出演料の支払いについてなど。
また誰かに相談したり、打ち合わせをした際の議事録を残しておくのもよいと思います。ビジネスだと重要な意思決定に関わる資料は必ず残しておくべきですが、小劇場の界隈はまだその辺が口頭ベースになっている場合もあって、改善したほうがより良いんじゃないか、と思ったりします。

話がそれちゃいました。
とにかく、何かあっても上演を出来るようにしておくのは、主催側のリスクヘッジにもなるし、お客様としても観劇を選択できる材料になるのではないかな、と思う次第です。


■出演者のPCR検査の実施

私たちが稽古をしていた7月あたりではまだ一般的な流れではありませんでしたが、直近では検査マストな流れになってきましたね。
クラウドファンディングもあるようですが、とにかく自費診療でのPCR検査は高額です。1人35,000円〜40,000円くらいはします。
それでも今回の公演で検査を実施することを決断したのは、俳優・スタッフ・お客様が不安を持ったまま公演に関わることのデメリットと、金銭的な負担を比較した時に、前者の方が本来の企画目的に影響を及ぼすと考えたからです。

俳優からお客様、の感染防止については多くの場合よく考えられていると思いますが、俳優間、俳優からスタッフ間という感染経路については、比較的ないがしろにされがちなように思います。
ただ小屋入り以降の俳優は、いままでマスクをして稽古をしていたところを外して最後の調整に入りますし、サポートしてくれるスタッフさんも、俳優がいた場所の消毒などでどうしても接触の機会はあります。
そういう環境に少しでも不安感を軽減することで、関わる人たちのモチベーションを下がるのを防ぎ、作品のクオリティやお客様への対応も良くなると思っています。

参考までに、今回の公演で用意したコロナ対策グッズの一覧を載せておきます。


収支の話

上記でいろいろ書きましたが、まぁとにかく、お金はかかります。
今までの公演では必要のなかった費用がどんどんかかります。

・コロナ対策のグッズ購入費
・PCR検査費
・稽古場を増やすなら稽古場代 などなど。

そして客席数を減らせば単純に収入が減ります。配信をするにしても、配信をするための機材やシステム利用料でコストは増えます。

じゃあどうすればいいのか?
ごめんなさい、まだ答えは見つけられていません。
今回の公演は、実際どういうことになるのかを自分の中でも確かめる意味合いがありました。で、やってみて、正直チケット代をちょっとやそっと上げたところで、あんまり影響大きくないなとも思いました(客数が少ないから)。
これについては記事を書くまでにもう少し改善案を考えたかったのですが、いい案が思い付かず。。

ただ一般的に収支を改善するには、費用を下げるか・収入を上げるか、です。
費用についてはなるべく自前でやる、ということでしか下げる方法(そのために起こるデメリットも当然ある)でしょうか。でも限度がありますよね。。
収入を上げるには、収入源を増やす、単価を上げる、客数(ステージ数)を増やす、などの諸々ありますが、原価のかからない物販を増やしていく、とかがすぐに出来る案になるんでしょうか。

引き続き考えていきますが、何かの参考になれば、と思って今回の収支一覧を掲載します。
あんまり大っぴらにする情報でもないと思うので、一応100円に設定させてください。。(一番下のところから支払い・閲覧できます)


ということで、公演のまとめとして実際的な話をしてみました。
いろいろ改善点を考えつつ、次の公演に向けても動けるように頑張ります。オンラインでの活動はまた細々と始めましたので、もしよろしければ気にかけていただけると嬉しいです。


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