第40回 「過去と他人」「自分と未来」
前回に引き続き「怒る」についてお話ししたいと思います。
前回はなぜ怒るのか、対処法など自分のことについてお話ししましたが、
今回は、対人のケースについて少しお話ししたいと思います。
自分の中の「怒り」の対処はできるようになっても、対人に関しては相手がいることなのでそううまくいくわけではありません。
シチュエーションごとに考えられることを話していきましょう!
1.目上(親・先輩・先生・指導者)が怒りやすい
年齢や立場などを考えると、目上の方が変わるというとは容易ではないです。
この場合まず「打たれ強くなる」ということ!
辛いとは思いますが、鍛錬と思って笑
ここでしない方がいいことは
「怒ってる相手に正論を言わないこと」
正論を返してしまうとさらに炎上してしまいます。
また大にして目上に方は正論ではなく理不尽なをいうことが多く、そこに対抗してしまうと収拾がつかなくなります。
ここは「時は過ぎるのを待つ」という選択が賢明なことかなと思います。
これを読んでいる親御さまや指導者の方は少し耳が痛いかと思いますが
「ピークは6秒」
を、思い出して回避しましょう!
2.年下が歯向かってくる場合
立場的にこちらが話をしやすい相手ですから、コミュニケーションをとり、お互いの考えををすり合わせましょう。怒りやすい人というのは、許容範囲が狭いだけでなく、言語化する能力が弱い傾向があります。一体何に怒っているのか、それを言語化する手助けをするのです。
この場合、冷静になり話を整理することが大切なことになります。
3.自分自身が怒りやすい場合
まずは「衝動・思考・行動」のトレーニングをやり続けることです。
それでも怒ってしまった場合は素直に謝りましょう。
怒りはパワーを使います。
せっかくのであれば、そのパワーをプレーにトレーニングに使いましょう!
4.怒れない場合
必ずしも怒らない方がいいわけではありません。
「言ったら相手に嫌われる」とか「嫌な思いをさせるんじゃないか」と思い込んでしまってたり、自分の言いたいことも言えないことにもなります。
また、チームなど同じ目標に向かっているときには言うことも必要です。
言えない人は自分が言いやすい小さなことから言ってみましょう。
少しずつ変っていきます!
5.怒る同士の場合
怒る同士であったり多い場合、会話が長引けば長引くほど何について怒っていたのかがわからなくなることが多いです。
そうすることで解決の糸口さえ見つからず、時間だけが経ってしまいます。
怒るのをやめないのは、ケンカを勝ち負けと捉え相手を徹底的に追い込みたいと言うことが多いです。
でも、言い負かすことが成功ではないんです。
こう言う場合は、ルールなどを作るのも改善策の1つです。
選手の親御さまからよく
「うちの子反抗期でどうしたらいいですか?」
と言うような相談を受けることがあります。
もちろん思春期の多感な時期ですから、怒りっぽくなることは仕方ないかなと思います。
また、女子に関しては初潮を迎えホルモンの関係も考えられます。
だからと言って、彼らは理不尽に怒ってるわけでもありません。
何かしらの要因があると思います。
そう言うケースの場合、親御さまが幼少期にそう言う怒り方をしていたと言うことも考えられます。
子どもは必ず親を見ていますから。
親は大人は相手を子供を教育という名の下、変えようとします。
しかしながら相手を変えるというのは容易なことではありません。
人は自分を変えるよりも、怒ったりどなったりして相手を変えたいと思いがち。
しかし実際は「他人と過去は変えられない。変えられるのは自分だけ」です。
身体のトレーニング同様に、怒りの衝動、思考、行動をコントロールできるようにトレーニングを続けると「他責」の概念が薄れていきます。怒りと上手に付きあうことで、お互いにとってもいい方向に向かっていくと思います。
広崎 哲也/Tetsuya Hirosaki
鍼師・灸師・あんま・マッサージ・指圧師
明治大学柔道部トレーナー(2002)
NTT -G Fukuokaラグビー部トレーナー(2003〜2013)
日野RedDolphinsラグビー部トレーナー(2014〜2016)
SuperFormula トレーナー(2013〜)
ボディケアマネジメント講師
HP
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