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内省を促す#私を構成する5つのマンガ

実は大の漫画好きなプレイ・ジェネラリスト(仮)です。
以前から記事のネタとして漫画レポートは考えていたので、そのトライアルとして、今回のお題に乗らせていただきます。

①『ブラックジャックによろしく』、『新ブラックジャックによろしく』

作者:佐藤秀峰
研修医の斉藤英二郎が主役の医療現場の現状を描く漫画です。
文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞したり、妻夫木聡主演でテレビドラマ化もしました。

この主人公の斉藤英二郎が、いわゆる病院の現場では異端児的な存在で、患者の命を救いたいがために、様々なしがらみや医療事情の壁などにぶつかっていきます。患者の命と向き合い続け、最終的には周りの人間をも変えていくのですが、その姿に、自身の在り方を問われる、私にとってはそういう漫画なのです。

医者が身体の命に関わる仕事であるならば、我々プレイリーダーは子どもの心の命に関わる仕事なのです
イギリスで子どもの遊び場づくりに尽力したアレン・オブ・ハートウッド卿夫人という方が、「Better a broken bone than a broken spirit(心が折れるより骨が折れる方がマシ)」という言葉を残しています。
もちろん骨は折れないに越したことはないのですが、子どもは時に様々な挑戦をします。しかし大人は「危険だから」とか「お前にはできない」と言いその挑戦を止めようとします。もちろん、それは本人のためを思っていたとしても、それが続くと子どもの心は折れてしまいます。
小さな壁にぶつかったり、ちょっとした怪我をしたりして凹むことはあっても、また「やりたい」と立ち上がるのが子どもです。そんな彼らが思い切り挑戦することのできる環境をつくることも我々の仕事なのです。

こんな場面を見るたびに、私は「子どものために動いているのか」と振り返るのです。

1つ目から長くなってしまった。以降はもう少しさらっと。

②『月光条例』

作者:藤田和日郎
『うしおととら』、『からくりサーカス』なども描いている藤田和日郎さんの「おとぎばなし」を題材にした漫画です。
ざっくりと概要を書くと、不思議な青い月の光が降り注ぐと「おとぎばなし」の登場人物が狂ってしまって、そのままにしておくと最終的にはその物語が消失してしまうという設定のもと、その狂った状況を戻すために、主人公の月光が鉢かづき姫とともに「おとぎばなし」の登場人物とたたかう、という話です。
もちろん、あの藤田和日郎さんなので、幾重にも伏線がはってあって、最終的にはそれを回収しまくっていくのですが、『うしおととら』でも『からくりサーカス』でもなく『月光条例』を選んだのは、主人公の月光というキャラクターの生き様です(もちろん、うしおや勝の生き様も好きですが)。

特に『フランダースの犬』のパトラッシュが狂ってしまった章での彼のセリフが大好きなのです。この中で『フランダースの犬』の主人公ネロは「パトラッシュやおじいさんがいないとぼくはなにもできない」、「誰からも必要とされない最低の役立たず」という自尊心の低い子どもとして描かれています。

月光は言います。

「オレの人生を最低とか他人がカッテに評価してんじゃねえ!ネロ、オレのモノサシじゃこれが最高なんだバカヤロウ!!」
「ネロ、おまえの人生が最低なのはな、おまえが「最低」だって思ってっからだ。」
「ネロ、わかんだろ?オレとおまえのモノサシは違うし、他のヤツのモノサシも全部違うのよ。」
「だから他人に自分の人生を評価させるんじゃねえ。」
「自分の人生は自分のモンだ…モノサシの違う他人にゃ絶対はかれねえ。」
「自分だけで1人ではかって、自分だけで正直に判断するんだ。」
月光条例7巻より

私にとって主体性は人生のキーワードの一つです。遊びは本人の主体的な営みです。月光の言う「オレのモノサシ」とは、「主体」を表しています。先の『ブラックジャックによろしく』と同じように、月光の言動が自身の主体性に問いかけてくるのです。

追記)
藤田和日郎さんの作品はどれも大好きで、何が好きかって言うと、少年が成長していく物語が多いことと、その少年たちの言葉に耳を傾け背中を押す脇役の大人が出てくることです。
うしおととらで言う、高速深海探査艇「ウンディーネ」の乗組員の悟朗、赤羽。からくりサーカスで言う、動物学者であり猛獣研究の第一人者の丸木先生。現在連載中の『双亡亭壊すべし』で言う、液体窒素を運んだトクナガ理研の竹田さんと今井ちゃん。
こんな大人もいるよね、って勇気付けられる。

結局、2つ目も長くなってしまった。今度こそ、もう少しさらっと。③と④は合わせて紹介します。

③『鈴木先生』 ④『ROOKIES』

③作者:武富健治、④作者:森田まさのり
『鈴木先生』は中学、『ROOKIES』は高校を舞台にした学園ものの漫画です。どちらもドラマ化、映画化した作品ですが、共通しているのが、主人公である教師がいずれも子どもたちと徹底的に向き合っているという点です。
やはりその姿に、自分はちゃんと子どもと向き合えているのだろうかと、内省させられるのです。

⑤『バガボンド』

作者:井上雄彦
『スラムダンク』の作者である井上雄彦さんが、『スラムダンク』の次に描いた宮本武蔵と佐々木小次郎を中心とした物語です。まだ完結しておらず、5年以上休載中。。。早く続きが見たい。
さて、そんな『バガボンド』、もう何度読み返したか分からないのですが、物語自体というよりは、読み返すたびにその時々の心情で引っかかる言葉が異なり、何かしら気持ちを解きほぐしてくれるのです。

直近では、伊藤一刀斎の次の一節にやられました。

「剣に生きると決めたなら 正しいかどうかなど どうだっていい 感じるべきは 楽しいかどうかだ」
バガボンド32巻より


さて、振り返ってみると、どれも内省のきっかけをくれる漫画をピックアップしていますね。この他にも『コウノドリ』や『ちいさいひと 青葉児童相談所物語』、『健康で文化的な最低限度の生活』など、社会的なテーマを扱う作品もやはり勇気付けられることが多いです。

もちろん、単純に面白いから読む漫画もいっぱいあります。趣味、漫画鑑賞といっていいぐらい漫画好きなので、それはそれでなんかアウトプットできればと思っています。
結局、えらく長くなってしまった^^;

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