数字を把握するー『保育所等の数』
不定期で子どもの遊びや育ちに関係する数字を調べるシリーズ。今回は、保育所に関してです。全国にはどれぐらいの保育所があるのかを調べます。
結論から書くと、単純に保育所だけ見ると23,573。
近年、保育所以外にも色々と未就学児を預かる施設が増えてきていますので、それらも含めると36,345とのことです。
ちなみに「保育園」は通称で「保育所」が法律上の正式名称です。
出典は、厚生労働省の「保育所等関連状況取りまとめ(平成31 年4月1日)」です。この資料は「全国の保育所等の状況を把握することを目的に毎年実施しているもの」で、待機児童数なども書かれています。
グラフを見ると、年々保育所等の数が増えていて、当然それに伴って定員と利用児童数が増えるので、逆に待機児童数は減っていますね。ただ、待機児童数のカウントは色々と議論があるので、その辺も深掘りできそうですが、今回は触れません。
ここに貼り付けると、グラフが小さくて数字が見えにくいですね。表にまとまっているのが見やすいでしょうか。
最初に書いたように、ここには保育所等とあるように、保育所だけではなく、他にも保育を行う下記の施設が含まれています
○幼保連携型認定こども園
○幼稚園型認定こども園
○特定地域型保育事業
さて、ここで認定こども園と特定地域型保育事業って、なんとなく聞いたことはあるけど、私も何となくしか分かっていないので(これでジェネラリストを名乗ろうというのが、我ながら情けないというかなんというか)、改めて確認。
まずは、認定こども園について。
教育・保育を一体的に行う施設で、いわば幼稚園と保育所の両方の良さを併せ持っている施設。
認定こども園には、地域の実情や保護者のニーズに応じて選択が可能となるよう多様なタイプがあります。
【幼保連携型】幼稚園的機能と保育所的機能の両方の機能をあわせ持つ単一の施設として、認定こども園としての機能を果たすタイプ。
【幼稚園型】認可幼稚園が、保育が必要な子どものための保育時間を確保するなど、保育所的な機能を備えて認定こども園としての機能を果たすタイプ
【保育所型】認可保育所が、保育が必要な子ども以外の子どもも受け入れるなど、幼稚園的な機能を備えることで認定こども園としての機能を果たすタイプ
【地方裁量型】幼稚園・保育所いずれの認可もない地域の教育・保育施設が、認定こども園として必要な機能を果たすタイプ
(内閣府ホームページより)
幼稚園と保育所の機能や特長をあわせ持ち、地域の子育て支援も行う施設。
< 認定こども園の2つのポイント >
・3から5歳のお子さんは、保護者の働いている状況に関わりなく教育・保育を一緒に受けます。保護者の就労状況が変わっても、通いなれた園を継続して利用できます。
・子育て支援の場が用意されていて、園に通っていない子どものご家庭も、子育て相談や親子の交流の場などに参加できます。
(内閣府ホームページより)
少子化や働き方の多様化、待機児童の増加などを背景に、同年齢期の子どもが通う幼稚園と保育園を一元化しよう(幼保一元化。一体化とも言われる)という議論があり、その結果2006年に生まれたのが認定こども園です。当時の社会状況を踏まえて、さらに地域の子育て支援の機能も持たせています。
ただ、幼稚園は教育施設で管轄は文部科学省、保育園は保育施設で管轄は厚生労働省、元々目的や当然子どもとの関わり方の方針も異なる施設ですので(認定こども園の管轄は内閣府)、2006年に制度が始まりましたが、色々と課題が多くまだまだ数は少ないようです。ただ、市民にとっては選択肢が増えたということは言えるかもしれません。
これだけで色々と深掘りができるテーマなのですが、本noteの主軸とは外れていくので、もっと知りたい方はぜひ調べてみてください。
次に特定地域型保育事業についてですが、
「市町村長が地域型保育給付費の支給に係る事業を行う者として確認する事業者が行う「地域型保育事業」」のことを言うそうです。ようは市町村から認可を受けている事業者が担当しているということのようです。
「地域型保育事業」というのは、さらに高まる多様な保育ニーズに対応するために2015年からスタートした事業です。
保育所(原則20人以上)より少人数の単位で、0から2歳の子どもを保育する事業。
<地域型保育の4つのタイプ>
【家庭的保育(保育ママ)】 家庭的な雰囲気のもとで、少人数(定員5人以下)を対象にきめ細かな保育を行います。
【小規模保育】 少人数(定員6から19人)を対象に、家庭的保育に近い雰囲気のもと、きめ細かな保育を行います。
【事業所内保育】 会社の事業所の保育施設などで、従業員の子どもと地域の子どもを一緒に保育します。
【居宅訪問型保育】 障害・疾患などで個別のケアが必要な場合や、施設がなくなった地域で保育を維持する必要がある場合などに、保護者の自宅で1対1で保育を行います。
(内閣府ホームページより)
認定こども園に加えて、さらに選択肢が増えたと言うことですね。
しかしながら、選択肢が色々増えると言うことは、社会的に運営していく上でも、預ける側としても、それだけ複雑化しているとも言えます。実際、今回調べてみたら、国の出している情報が分かりにくくて苦労しました。なるべく簡単に説明したいなと思っても、あっちの情報とこっちの情報とで整合を見るのだけで大変。どこかの企業がまとめている方がよっぽどわかりやすかったです。流石にそれをそのまま引用するわけにもいかないので(苦笑)、繰り返しになりますが、もっと知りたい方はご自身で検索をかけてみてください。
う〜ん、もう少し気軽に数字を押さえていくつもりだったのだけど、思ったより大変でした。でも引き続き、不定期で数字を当たっていきたいと思います。
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