【一首一句 その二十四】春色への愛
【本日の一首】
色なしと人や見るらむ昔より深き心に染めてしものを(古今集、まき十七、雑歌上、869、近院右大臣)
(鑑賞)
何も色がついていないとあなたは思うでしょうか。しかしこれはずっと前からあなたへの深い心で染めてあったものなのです。(高田祐彦訳註)。
二句切れで逆接が入って、でも実は昔からあなたへの思いに染まった心の在り方を詠んでいる。
こういう省略が綺麗ですね。
なんとなく、星野源の『恋』を思い出しました。
色に染まった心、というのが面白い。
色は移り行くけれど、あなたへの愛は昔からずっと変わらない、色褪せたり変化しない、というところが深いなあと思います。
【本日の一句】
君色に深く染まりし春の愛
雑歌を取り上げるということで、季語が入っていないものを俳句にするのがちょっと難しかったです。
ちょっと間に合わせで作った感はありますが、一応やってみましたというところです。
おそまつ。
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