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蝉時雨今は悲しく聞こえけり
夏の川水草にせかるる二本道
水無月や園先で待つ君がため
星月夜恋しさ募るあさぼらけ
山影や雲の峰から日の差して
みちおしへ何処へ舵を切るべしや
一艘のヨットの出でし船着場
手を振りし友の笑顔に西日差す
青田風さても涙はあふれけり
蔦伸びし夏の館に一人住む
ハンカチを当てたる口の惜しきかな
逢坂のハンカチ拭ひ待ちぼうけ
雲間よりゆくり漏れ出づる西日かな
夏雲に隠れてをりし乙女かな